【完結】8私だけ本当の家族じゃないと、妹の身代わりで、辺境伯に嫁ぐことになった

後継ぎ

アルファとサマリーは、一緒の部屋で、過ごした。毎日、抱きしめあって眠っていた。
まだ結婚していないから、手は出していない。


「サマリー。可愛い。」

「アルファ様も素敵です。。あの、、私、我儘言っていいですか？」

「ああ。」


「アルファ様のお子が欲しいの。」

「それはいいけど、後継は無理だよ。」

「そのことなんですけど、、カンパリー伯爵は、私の子が男なら、当主になれるはずです。」

「？」

「私の母、侯爵でした。私には継ぐ事ができませんが、権利はあるのです。私の子が男の子で、弟より爵位が高ければよいのです。

父は、義母と結婚して、弟を産みました。義母は、男爵です。父は、元々伯爵なので、伯爵と男爵の弟です。
私の子は、辺境伯と侯爵の血が流れた伯爵です。私の子が男なら権利があります。」

「わかった。きちんと調べるな。
わざわざ言うつもりはなかったんだが、、、
サマリーが俺の子を望んでいるなら、話すな。

辺境伯は、世間では、伯爵ぐらいだと思われるが、公爵と同じ扱いなんだよ。」


「はい。それは、存じております。」

「それと、実は、私は陛下の3番目の弟なんだ。」

「え？王族なんですか？」

「一応王族だな。でも、王位継承権は、放棄してあるから、実質、関係ないんだ。」


「そうなんですね。」

「あと。兄に報告しないといけないから、王都に行こうと思う。」


「いつ行かれますか？」

「一ヶ月先位の予定だよ。」

「では、それまでに、マナーなどをやれるだけやりますね。」

「ああ。無理しないでいいからな。」

一ヵ月頑張った。
家庭教師に教えてもらったら、スポンジのように吸収していった。。
サマリーは、きちんと辺境伯の夫人に見えるように、、磨き上げられた。



フレットは、びっくりした。
この一ヵ月で、アリーサより綺麗になっていた。

品もあり、笑顔がとても純粋だった。


しかも、サマリーは、父上の食事をいつも作っていた。普通の令嬢で考えられない。


二人は本当に仲良かった。
何より父が離さなかった。
その気持ちは今ならわかる。
父は、本質を見抜いていたわけだ。

正直、見抜けなかった自分が悔しい。俺は上辺だけ見ていただけだった。

でも、この綺麗なサマリーは、父上が、引き出したもの、、俺には無理だっただろ、、

明日、陛下に会って、承諾をもらう。
そしたら、父上の妻になる。
と考えていたら、そこへサマリーがやってきて、

「フレット様、明日、陛下にお会いして、結婚を承諾してもらいます。
アリーサの代わりにここへ来てしまい、あなたには、迷惑をかけました。本当に申し訳ございませんでした。」

「私もひどいことを言ってすまなかった。きちんと君と向き合えばよかったと後悔している。」

「？」

「いや。」と顔を赤くしていた。

「父上と幸せになってくれ。もし、何か困ったことがあればいつでも言ってくれ。詫びたい。」

「ありがとうございます。詫びる必要はないですよ。フレット様のお陰で、アルファ様と結婚できるのです。感謝しかありません。」

「そー言ってくれて良かったよ。幸せに。」

少し苦笑いをしていたが、サマリーにはわからなかった。


そこへアルファ様がやってきて、、、

「サマリー。ここにいたのか。」

「ごめんなさい。フレット様に挨拶を、」

「フレット。明日から頼むな。」

「はい。」

二人は去っていった、、、
父上がサマリーを大事にしてる。その姿を見て、ため息をついた。
フレットは、サマリーの事が好きになっていた、、、
でも、もう叶うはずもない夢だった、、、

アルファも気がついていたが、気がつかないフリをして、サマリーを離さないという行動にでたのだ。。