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契約書

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その後、夕食の前に、夫が、訪ねてきた。
無愛想で、契約書を渡してきた。

「契約書

夫、カルメン、妻、カサンドラとする。

1.妻は、侯爵夫人として、職務をします。

2.妻は、侯爵夫人として、パーティーに参加します。

3.妻は、妻の妹カルキアーナの関係を認めます。

4.妻は、夫に愛を求めない。

5.妻は夫に体の関係を求めない。

6.実子を迎えます。

夫は、妻に上記のことを求めます。

契約違反した場合、
永遠に服従。」


なぜ?私に得がないことを受け入れないといけないのかしら?
なにを考えているのかしら?愛に溺れて考えられないのかしら?

「申し訳ありませんが、これはあなたの要望しか書いてありませんね。
私が得することなど何一つありません。
私も契約書を作りますので、そちらにサインをお願いしますわ」

「お前が契約書?」
不思議そうな顔をしていた。
侯爵を任せる為の能力はあるのはわかってるはずなのに、私が契約書を作るのに疑問に思うのかしら?

「それはそうでしょう。
あなただけ得することしか書いてない契約をしないといけないの?
なぜ、私があなたの言うとおりにしないといけないのですか?
流石におかしいでしょ?

契約ですよ?
あなたとは赤の他人で、全く情なんてないのに、従うのですか?
嫌でしたら、離縁しましょう。」


「まあいい。早く作れ。」
不服なようで、声が低くかった。


そして、しばらくしてから、わたしも契約書を渡した。
服従ぽい文面。旦那様の要望に寄り添うように。

「契約書

書類上の夫、カルメン
書類上の妻、カサンドラ

1.書類上の妻、書類上の夫のことを干渉しない。
書類上の夫も同様。

2.侯爵夫人の仕事をし、その立場を奪わない。

3.書類上の夫は、書類上の妻に、どんな理由があっても、愛を求めたり、体の関係を要求しない。書類上の妻も同様に。

4.書類上の妻のテトリーに、入らないこと。
書類上の妻の妹カルキアーナとその両親をこの屋敷の本邸に入れない。


5.3年以内に、跡継ぎを迎える。

書類上の夫が、違反した場合、
離縁と慰謝料5億デール支払。
書類上の妻が違反した場合、一生服従。」



旦那様は、
「お前に愛を求めるわけがないし、体の関係なんて、、、、もってのほか、、干渉なんてするわけない。
本邸に連れ込まなかったらいいだけだな。と言うか、
なぜ俺たちが別邸なのだ。お前が別邸に住めばいいではないか?」


「侯爵夫人として、本邸にいるのは当然の権利ですわ。
職務をするのに、別邸ですか?
本邸でするのが当然ですわ。
妹は、あなたとの相引きだけでなく、もし、私に用事があったとしても、本邸に入ることはできません。
もちろん、その両親も、同様に。」

「両親は、お前の親でもあるだろう。会わなくていいのか?」


「おっしゃる意味がわかりませんわ?」

「両親だ。お前を産んでくれた人だろ?」

この人は一体何を言ってるのか?
大事な娘なら、こんな政略結婚をするわけないのに、バカなのか?
愛に溺れているから見えないのか?
なんなの?

「あなたからそんな言葉が出るとはね。
なぜ私が会わないといけないのでしょうか?
会う必要はありませんよね?
どうしても用事があるなら、あなたが聞いて、私に話すべきではありませんか?」

「わかったよ。」

ほとんど俺が作った契約と変わらないな。やはり、カサンドラは、順応なんだ。と心の中で笑っていた。

では、契約成立ですね。

「お前はそれで良いのか?」

「良いのか?
よくなくても仕方ないでしょ。
違いますか?何を今更。」


「ああそうだな。」


「こちらにサインを書いてください。
あなたに一部、私に一部。
これで契約成立です。
では、ごきげんよう。」

書類上の夫は、機嫌良く、部屋を出て行った。

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