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跡継ぎ
しおりを挟むカサンドラは、パーティに戻り、
「みなさま、、お話があります。
私、カサンドラとカルバンは離縁しました。今サインをして、提出しました。カルバン様は、私の妹と一緒になります。」
みなさんざわついた。
「私、侯爵に嫁いだ日、
お前を愛することはないと告げられました。
そこで、夫と妹が、不貞をしていることを知りました。
真実の愛だとおっしゃりましたが意味がわかりませんでした。
この結婚は、夫と私の両親によって仕組まれたもので、私が望んだわけではありません。
侯爵夫人として、職務をするしかありませんでした。
屋敷でも、使用人は妹の味方でした。
将来、妹とカルバン様の子を私が育てるよう計画がされていました。
私は、それだけは、受け入れることができませんでした。
私は、子供だけは自分の子が欲しいと思い、使用人であるカノンに子種をもらいました。」
「え?」
「どうして?」
「使用人?」
「使用人は、公爵家の四男であります。」
「公爵?血筋はいいよね。」
そこにお義父様が、
「皆さんお騒がさしてしまい申し訳ありません。
私の息子が、バカなことを考えていて、カサンドラを傷つけました。
その事実を結婚してすぐに、私は知りました。
そんな息子を許せなくて、使用人を派遣しました。
兄の四男カノンをカサンドラの護衛としてそばにいさせたのです。カノンは女装が趣味で、侍女もこなします。
2人は意気投合したのです。
カサンドラはとても優秀なのは皆さん知って見えますよね。手放したくないのです。
カノンを養子にし、カサンドラは、カノンに嫁いでもらいます。」
「カノン様を、跡継ぎにするのでしょうか?」
「カノンも優秀であるから、跡継ぎにしてもいいが、私はカサンドラの方が当主と良いと考えた。そして、何よりカノンがカサンドラを支えたいと。」
「素敵ね!!」
みんなが賛成してくれた。
カサンドラは、自分の利益だけでなく、
貴族みんながうまくいくように、
関係を築いて来た。
プライドを傷つけることなく、アドバイスをしていた。
若いから可愛がられたところもあるが、仕事も優秀だから、
みんなに好かれていた。
これで私は幸せになることができる。
あの契約を作った時は、子供だけは自分の子にしたかった。子供さえいたら生きていけるから。
でも、愛する人も手に入れた。
無事パーティーは終わり、家族で、お茶をした
「お父様、お母様。今日から、侯爵の当主として、ご指導お願い致します。」
カサンドラは頭を下げた。
「カサンドラには教える必要はないよ。大丈夫だ。できているよ。安心して任せられるよ。」
お義父様は、にこやかに笑って言ってくれた。
「いえ。私は、当主として教育は受けていません。
きちんと教えて頂きたい。
もしよければ、領地から、帰ってきてもらえないでしょうか?」
「え?私たちと一緒に住むの?」
「ダメでしょうか?
私は、親の温もりを感じたことがありません。私はトーマスを溺愛しています。親の温もりがわからないから、過剰になっていると思います。悪いことをしたら怒れないかもしれません。そんな親にはなりたくないのです。助けていただけないでしょうか?」
「わかったわ。一緒に住みましょう。
私たちは、別邸に住むわ。
食事は、一緒にしましょう。これからお茶もしましょう。今まで親とできなことをしましょうね。
今日は疲れたわ。ゆっくりしましょ。」
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