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第八話
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聖女の仕事はやる。婚約はなし。
そう提案したものの、国王陛下は、
「カティスが嫌なら他の王子でも構わないが、第四王子はまだ5歳です」
そういうことじゃないんですー。そう言いたいのを耐えて、主張を続けた。
「カティス殿下と私は釣り合いません。聖女だとしても、ただの平民です」
「まだ会っていないのです。決めるのは会ってからでもいいでしょう?」
結局会うことになった。
まあ、向こうが嫌がるだろう。
絶世の美女でもないし。
「聖女様。ご挨拶が遅れました。第三王子のカティスと申します」
現れたのは金髪碧眼で、いかにも王子という姿のハンサムだった。
やっぱり釣り合いが取れないとソフィは感じた。
ソフィは化粧でちょっとマシになるけど、素朴な容姿だ。茶色い髪に薄い緑の目。
「聖女様。お名前を伺ってもよいですか?」
「失礼しました。私はソフィです」
「ソフィ様。私と婚約してください」
カティスは直球を投げてきた。
「カティス殿下に、私はふさわしくありません」
「なぜですか?」
カティス殿下は首を傾げた。なんとなく可愛いらしい動作だ。
「私は平民です」
「聖女様。聖女様は国王陛下よりも身分が上なのです」
えーっ?聞いてないよ、そんなこと。
ソフィは顔面蒼白になった。
「ソフィ様。ご気分が悪くなりましたか?少しお休みされますか?」
カティス殿下の言葉に従おうと思った瞬間、事件は起きた。
「国王陛下に申し上げまする。魔獣が出て殲滅いたしましたが、怪我人多数。第二騎士団の半分が重症にて苦しんでおります。医師が足りません」
ソフィは、さっと伝令役の騎士を見た。彼も怪我をしている。
パッと彼の怪我を治した。
「あ、聖女様」
「どこですか?連れて行ってください」
すっかり傷が治った騎士は仲間たちのもとへソフィを急ぎ案内した。
次から次へとソフィは治癒魔法を使った。1人で対応するのは大変だった。
できたら、怪我のひどい人から治したい。
どうしようと思っていたら、カティス殿下がやってきた。
「私が順番を決めて運ぼう」
それからは円滑だった。普通の魔法使いなら、魔力切れになるところだが、ソフィは無限大だから、短時間で全員を治した。
中には長年苦しんでた水虫も治ったなんて者もいた。
騎士たちは、聖女様と殿下に感謝した。
そう提案したものの、国王陛下は、
「カティスが嫌なら他の王子でも構わないが、第四王子はまだ5歳です」
そういうことじゃないんですー。そう言いたいのを耐えて、主張を続けた。
「カティス殿下と私は釣り合いません。聖女だとしても、ただの平民です」
「まだ会っていないのです。決めるのは会ってからでもいいでしょう?」
結局会うことになった。
まあ、向こうが嫌がるだろう。
絶世の美女でもないし。
「聖女様。ご挨拶が遅れました。第三王子のカティスと申します」
現れたのは金髪碧眼で、いかにも王子という姿のハンサムだった。
やっぱり釣り合いが取れないとソフィは感じた。
ソフィは化粧でちょっとマシになるけど、素朴な容姿だ。茶色い髪に薄い緑の目。
「聖女様。お名前を伺ってもよいですか?」
「失礼しました。私はソフィです」
「ソフィ様。私と婚約してください」
カティスは直球を投げてきた。
「カティス殿下に、私はふさわしくありません」
「なぜですか?」
カティス殿下は首を傾げた。なんとなく可愛いらしい動作だ。
「私は平民です」
「聖女様。聖女様は国王陛下よりも身分が上なのです」
えーっ?聞いてないよ、そんなこと。
ソフィは顔面蒼白になった。
「ソフィ様。ご気分が悪くなりましたか?少しお休みされますか?」
カティス殿下の言葉に従おうと思った瞬間、事件は起きた。
「国王陛下に申し上げまする。魔獣が出て殲滅いたしましたが、怪我人多数。第二騎士団の半分が重症にて苦しんでおります。医師が足りません」
ソフィは、さっと伝令役の騎士を見た。彼も怪我をしている。
パッと彼の怪我を治した。
「あ、聖女様」
「どこですか?連れて行ってください」
すっかり傷が治った騎士は仲間たちのもとへソフィを急ぎ案内した。
次から次へとソフィは治癒魔法を使った。1人で対応するのは大変だった。
できたら、怪我のひどい人から治したい。
どうしようと思っていたら、カティス殿下がやってきた。
「私が順番を決めて運ぼう」
それからは円滑だった。普通の魔法使いなら、魔力切れになるところだが、ソフィは無限大だから、短時間で全員を治した。
中には長年苦しんでた水虫も治ったなんて者もいた。
騎士たちは、聖女様と殿下に感謝した。
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