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第四話

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レディオナが小屋に帰ると、たくさんの人が待っていた。
まずは、侍女たちに連れられて離宮の中でお風呂に入れられた。
髪をブローしてもらい、体中に香油を塗られた。
「ここがレディオナ様のお部屋になります」
そこはレディオナが住んでいた小屋が10は入りそうな広い部屋で、きれいな調度品ばかりだった。
何が何だかわからないうちにレディオナは小屋から、この広い部屋で暮らせと言われた。
ブカブカな服も着替えて美しいドレスを着せられた。
何が起こったんだろう?

「陛下が謁見の間へと」
陛下って国王様よね??レディオナは混乱していた。
「我が娘、レディオナ。今まで放っておいて悪かった。これからは私の庇護のもと安心して暮らすがよい」
我が娘?
「あの。私は庭師の娘です。誰かと間違えているのでは?」
「いや、そなたが我が娘だ。こちらの情報がうまくいってなくてな。苦労させて悪かった」
「明日から家庭教師が来るから、学びなさい」
「字も読めるようになりますか?」
「もちろんだ」
レディオナはうれしくなった。たくさん学びたいことがあるのだ。
「それでだな。来月、皇帝の花嫁として帝国に向かってもらいたい。お前の妹はまだ小さい。了承してくれるな?」
どちらにしても王命を拒否することはできないが、レディオナはひとつ心配なことがあった。
リルディのことだ。約束だから、国王には話せないが、ふたりと結婚なんてまずいのではないだろうか。
その時、レディオナの耳元でリルディが囁いた。「大丈夫だよ。人間となら。もうひとりが妖精なら許せないけど」
「そうなの?」
「そうなの」
「レディオナら私を恨んでいるかもしれないが、国のためだ。皇帝に嫁入りしてくれるな?」
「はい。陛下の仰せのままに」
1か月は大変だった。レディオナは覚えることが山ほどあった。家庭教師たちは驚いていた。最初は痩せた野生児という感じで、どこが王女なのか疑問だったが、知識をどんどん吸収していく。教え甲斐があった。
マナーもダンスも外国語や一般的知識。そのどれもバランスよく身につけていく。最初はどこかで馬鹿にしていたレディオナは誰が見ても優雅で儚い印象の姫君に成長した。
地味な顔なのがかえって印象深く、守ってあげたいと思わせる何かが、レディオナにはあった。これなら、皇帝の美姫たちの中でも、うまくやっていけるにちがいない。
男女ともに嫌われないタイプだ。案外こういう姫が皇帝の心を掴むかもしれない。
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