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アリスは王妃様の服の袖をそっと握ってみた。本当にお母さんなのかな?
王妃様は、いっそうニコニコし、アリスの頭を撫でながら、
「今日からずっと一緒にいましょうね。
後で、きょうだいも紹介しましょうね。」
優しく告げる。
アリスは自分がミアンナ王女だったらいいなと思うようになった。優しいお母さんとお父さん。アリスがずっと憧れていたものだ。でも、偽物ではだめだ。
自分がミアンナだとはどうしても思えない。
赤ちゃんのときに誘拐されて捨てられたなら、無理もない。でも、本当に自分がミアンナ王女なのだろうか?
王妃様と目の色はそっくり同じ。髪は王様とそっくり。外見はたしかに似ている。魔力はの色や匂いなんて考えたことがなかったけれど、たしかにふたりを混ぜたらこうなりそう、と思えた。
自分は本当にミアンナなのだろうか?
でも、もしそうだとしても、アリスはミアンナにはなれそうもなかった。
アリスはアリスだ。
魔法使いになるのだ。お姫様ではない。
早くみんなに言って、帰らなければ。
「両陛下、アリスはミアンナ王女ではありません。アリスはただの孤児です。これからたくさん訓練して強い魔法使いになります。」
勇気を出して言った。
晩餐の席でのことだ。
「ふむ。ミアは魔法使いになるのか。王宮に魔法使いがいるのは心強いな」
「アリスでもいいのですよ。孤児でもかまいません。アリスはここに住んで、好きなことをすればいいのよ」
アリスは、それ以上話せなかった。
後から後から涙がこぼれて、前が見えなかった。
初めて、アリスは自分の居場所を見つけた。優しい両親を見つけた。
自分は誰かのためになる素敵な魔法使いになりたい。
きっと、ここでなら、アリスでもミアンナでも、みんなを助ける魔法使いになれるだろう。
アリスは、幸せを噛み締めた。
了
王妃様は、いっそうニコニコし、アリスの頭を撫でながら、
「今日からずっと一緒にいましょうね。
後で、きょうだいも紹介しましょうね。」
優しく告げる。
アリスは自分がミアンナ王女だったらいいなと思うようになった。優しいお母さんとお父さん。アリスがずっと憧れていたものだ。でも、偽物ではだめだ。
自分がミアンナだとはどうしても思えない。
赤ちゃんのときに誘拐されて捨てられたなら、無理もない。でも、本当に自分がミアンナ王女なのだろうか?
王妃様と目の色はそっくり同じ。髪は王様とそっくり。外見はたしかに似ている。魔力はの色や匂いなんて考えたことがなかったけれど、たしかにふたりを混ぜたらこうなりそう、と思えた。
自分は本当にミアンナなのだろうか?
でも、もしそうだとしても、アリスはミアンナにはなれそうもなかった。
アリスはアリスだ。
魔法使いになるのだ。お姫様ではない。
早くみんなに言って、帰らなければ。
「両陛下、アリスはミアンナ王女ではありません。アリスはただの孤児です。これからたくさん訓練して強い魔法使いになります。」
勇気を出して言った。
晩餐の席でのことだ。
「ふむ。ミアは魔法使いになるのか。王宮に魔法使いがいるのは心強いな」
「アリスでもいいのですよ。孤児でもかまいません。アリスはここに住んで、好きなことをすればいいのよ」
アリスは、それ以上話せなかった。
後から後から涙がこぼれて、前が見えなかった。
初めて、アリスは自分の居場所を見つけた。優しい両親を見つけた。
自分は誰かのためになる素敵な魔法使いになりたい。
きっと、ここでなら、アリスでもミアンナでも、みんなを助ける魔法使いになれるだろう。
アリスは、幸せを噛み締めた。
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