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第二章 本当の気持ち

プール開き

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「兄さん、今年も暑いし気分転換にプールでも行かない?芳江さん誘ってさ!」

俺は柚葉に
"うちは、夏より冬の方が好きやけど、こんなに暑いと海とかプールとか行きたくなるよね"と言われたのを思い出し、兄に提案する。

「分かった。俺も勉強ばっか疲れるし、たまには気分転換にそういうのも良いな!いつがいい?皆予定とかあるだろ?分かったら空いてる日ピックアップしとくな!」

後は芳江さんと柚葉の予定を確認するだけである。

「そうだ兄さん!芳江さんと会う時があったら伝えておいてよ!」

「おう!頼まれた!」

兄に芳江さんを任せ、俺は柚葉の家に向かうおうと玄関を出た時、玄関前に芳江さんが立っていた。

「あっ、芳江さん!兄なら中にいますよ」

「うん、ありがとう。何か話があるって聞いたから...」

なんということでしょう。俺が兄さんに話したのは、ついさっきの事で、俺が此処に来るまでに時間はそんなに掛かってはいないと思う。兄が芳江さんに連絡をして此処に来るまでが、思った以上に早かった。

芳江さんと入れ替わるようにして、外に出る。

ふと道中で立ち止まり、雲一つない快晴の空を見上げながら

「芳江さんは、俺が呼んだら直ぐに来てくれただろうか」そんな独り言が口から零れた。

「にしても、この暑さ年々酷くなってないか?気温何度だよ!!」柚葉程ではないが、俺も夏は苦手な方である。かといって冬が好きということは無い。俺からすれば夏と冬は同じくらい苦手なのだ。

遠くで誰かが手を振るのが見える。公園の入口からこっちに向かって歩いて来る

「和鷹くーん!話って何?君が来るの待ちきれなくて、来ちゃったよ」柚葉だった。

「家で待ってろって言ったろ?わざわざ此処まで来なくてもさ」

「話って、もしかしてプールの事?」

昨日の今日で話す事と言えば、選択肢は絞られる。

「そうだな、今兄さんと幼馴染に話はつけておいたよ。あとは、柚葉の空いてる日を教えてもらおうと思ってさ」

柚葉は少し考えるような素振りをし、俺を見るなり答える。

「うちは、いつでも行けるように準備しとくよ!前日に連絡くれたらその日は空けておくね!」
なにわともあれ、話は順調に決まっていっていた。

八月十日。皆の予定を合わせ、プール当日がやってきた。

「兄さん!芳江さん!柚葉!それじゃ、出発するよ~♪」

俺の出発の合図に続き、他の三人が拳を
上に上げプールでもに向かって歩き出す。

芳江さんが電車の窓から外の景色を見ながら口を開く 
「市民プールかぁ~最後に行ったのって小学五年くらいだったかな?」
俺が小学二年の時に芳江さんと兄、そしてお互いの両親と家族ぐるみで遊びに来たのを思い出した。

「そう...ですね」
あの時は、少し恥ずかしかった。今でも記憶に残っている。少し胸が膨らみ出していた芳江さんの胸に、俺は夢中になって泳いでいたら芳江さんと正面衝突をした。芳江さんは何も思っていなかったかもしれないが、俺は確かに手に触れた柔らかい感触を今でも覚えている。

「和くん?なんか顔赤いよ?いやらしいこと考えてるんじゃない?」俺を揶揄うようにして芳江さんが俺の横腹を突く。

俺を睨むようにして視線を向けていたのは柚葉である。
「和鷹くん!今日は楽しもうね?」
柚葉は確かに笑っていたが、その目は笑ってはいなかった。
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