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第二章 本当の気持ち

夏休み

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一学期が終わり、中学生活二回目の夏休みが始まろうとしていた。俺達は写真の整理をしに学校へ向かい、いつしか公園で待ち合わせをして学校へ通うのが、日常になっていた。

夏休み開始初日、今日も彼女は待ち合わせの時間には居なく、気になった俺は彼女の家のチャイムを鳴らし、彼女が出てくるのを待った。

「ちゃんと持ったから大丈夫だって!」彼女の声だった。インターホン越しに聞こえた声は、どこか慌ただしかく、しばらくして彼女が玄関から出てきて

「和鷹くん、待った?」

彼女は今日も綺麗だった... ...。

玄関から出て来た彼女は、長かった髪がバッサリ肩くらいまで切られていて、印象が大きく変わっていて驚いた。

「ねぇ、うち変じゃないかな?」
彼女小首を傾げるようにして俺に問いかける。

一方で俺は未だ実感出来ていない二人の関係性に頭がいっぱいで、彼女の質問をほとんど理解出来ていなかった。

「瀬良さんは、今日から恋人なんだよね?」それは、馬鹿な質問だと後になって思った。何度も何度も告白のチャンスはあった。それでも、俺は彼女にその役割を担わせた。そして、俺は彼女に隠してる事があった。

通学路を歩き始め、公園を超えた辺りでふとさっきの彼女の質問が頭を過った。「似合ってると思うよ。その髪型、前のも良かったけど今も良いと思う」言ってて少し恥ずかしくなり、とにかく汗が尋常じゃな量が至る箇所から溢れ出てきて、そっと彼女の顔を伺うと、向こうも満更ではないような表情で顔を隠しながら「あ、ありがとう。今日から、苗字じゃなくて名前で呼んでもいいかな?それと、改めてよろしくね!」体をモジモジさせ、友達だった頃の彼女の表情や仕草、行動や発言とは打って変わって、ただでさえ可愛かった彼女に、俺は圧倒されていた。

... ...夏休みの初日、俺達は今日から付き合う事になった。

「和鷹くん、今日部活終わったらショッピングモール行こ!用事... ...あったりするかな?」

彼女は俺に少し気を使っているらしく、なぜなら会話にぎこちなさが感じられたからである。

恋人となった今、俺は彼女にどう接したらいいのか分からなくなっていた。

部活の間、とにかく落ち着かなかった。

彼女に告白され、断る男など居る筈がないくらい、それ程周りの男からは人気があった。そして俺もまた、断る理由こそなかった。

俺と付き合うことになる前までは、何人かに告白を受けては振っていたらしい。そして、バレンタインの日に彼女にチョコを貰った時は、薄々感じるものはあったが、それに俺は気づかない振りをした。

「んじゃ、行こっか!」
俺は少し照れながら答えた。今日は初めてのデートだった。とはいえ、中学生ということあって所持金は心元なかった。

昼食はコンビニで軽く済ませ、ショッピングモールへ向かった。「それで、お揃いのキーホルダーだっけ?」彼女が今朝買いたいと言っていた目当ての商品を買いにアクセサリーショップへ向かった。

「着いたね~何か良いのあるかなぁ~」
そう言った彼女の目はキラキラしていてた。流石ショッピングモールということもあり、その上今日は土曜日である。人が多くて賑やかだった。おれは、アクセサリーだけに関わらずセンスという物が欠落していた。彼女が好きな物を買おうと決めた。「どうだ?良いの見つかった?」

「ねぇねぇ和鷹くん、うちコレ良いと思うの!和鷹くんはこっちね!」

彼女は俺に二つ重ねてハート型になる、アクセサリーの片方を手渡す。

金額は中学生にとっては、お手ごろで二人でそれを買うことにした。

彼女は気に入ったのか、アクセサリーを大事そうに持って子どもみたいに飛び跳ねては、はしゃいでいた。まだ子どもではあるが、彼女の新しい一面が見れて少し新鮮に感じる。

  それと同時に、俺は柚葉に対して複雑な気持ちを抱いていた。友達だった時に比べ、それはより一層強くなっていった。

彼女に対し、誠心誠意向き合うべきにも関わらず、俺は後ろめたい気持ちから、彼女に申し訳ないと思った。もしかしたら、彼女は何か勘づいた上で付き合っているのか、それとも正直に話して欲しかったのか。俺に聞ける勇気は無かった。

ただ、付き合ってからというもの以前と比べ柚葉の

「柚葉、今日から沢山思い出を作ろうと思う。好きな事、行きたい場所、したい事、できるだけ多く実行しよう!」

彼女は、反応に少しの間があった。

「和鷹くん、何をそんなに急いでるん?まだ付きって時間の経ってないし、これからやん?何かあったん?」

彼女の感は鋭く、俺は無言のまま下を見る事しか出来なかった。

 しばらくして彼女が気お使ってくれたのか

「そんなの当たり前だよ!うちは初めからそのつもりやよ?それじゃ、どこから行く?」満面の笑みを浮かべ、俺の手を引いて当てもなく歩き出した。
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