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1章
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エドウィン視点
ダンジョンから出たその日の夜、俺はルディの部屋に押しかけて酒を煽っていた。
ルディと同室だったニルーヴァ君はアキラ君の部屋で二人仲良くすやすやと眠っている。
「…それでアキラ君ってば初めてのくせして触手で犯されて気持ちよくなってて」
「うわアキラ初めてだったのかよ。それ知ってればなぁー半ば無理やりにでも初めて奪いにいったのに」
「殴る」
「冗談だって」
「俺のアキラ君…」
少し涙ぐみながら酒を瓶ごと煽って喉の奥に流し込む。濃いアルコールが熱く喉を通って胃へ注ぎ込まれる。
飲みすぎだと分かっていながらも愚痴を吐く口と酒に伸ばす手を止められなかった。
「少しずつ懐柔して初めてをもらうつもりだったのに…今まで傷つけまいと焦らずじっくりやってたのは何の意味が…?」
「おい、ちょっと飲みすぎだぜ」
ルディが俺の手から酒瓶をひったくる。
ムッとして頰を膨らませるとおかしなものを見たかのように笑われた。
「明日は街を出るんだからほどほどにしとけ」
そう言って俺からひったくった酒を飲み干した。
俺に付き合って酒を飲んでいるはずなのにルディは全く酔った素振りを見せない。
流石に2人で6本も空けたのは飲みすぎだったかと反省しながら火照った体を冷やすためシャツのボタンを外した。
肌が露わになった俺の体にルディが視線をやっているのに気付いてニヤリと笑う。
「酒に強い男は好きだよ」
そうからかうように言ってルディの肩に頭をすり寄らせる。
「酒に弱い男は俺みたいな悪い奴に襲われるぜ?」
ルディは慣れた手つきで俺の肩を抱き、髪にキスをした。目を閉じると瞼や額にキスを落とされる。
普段は俺がアキラ君に優しくしてあげたいけど、たまにはこうして甘く優しくされるのも悪くないなと思った。
「ルディは俺を襲いたいのか?」
上目遣いでそう問うてやると、ルディは口の端を引きつらせて呆れたように見つめ返してきた。
「ここまでお膳立てされて襲いたくない男がいると思うか?」
「別にそんなつもりはないよ」
ルディの胸をトン、と軽く押して距離を取る。
行き場をなくしたルディの手は宙を彷徨っていた。
「ああくそっ、お前が酒に酔ってなけりゃすぐ喰ってやるのに」
「また媚薬?それ使わないと気持ちよくさせられないのかい?」
「あ?試してみるか?」
俺の挑発に乗ってガシッと腕を掴んで引き寄せられる。そのままの勢いで後頭部を掴み唇を重ねられた。
「んっ…んぅ…」
薄く開いた唇から熱い舌が侵入してくる。
それに応えるように唾液を絡ませながら舌に吸い付いた。
はだけた服の隙間からひんやりとした手が入ってくる。火照った肌に気持ちいい。
深くキスをしながら俺の肌を揉みほぐすようにまさぐる。
マッサージされているような気持ち良さにうっとりしていると、不意に乳首をつままれて肩が跳ねた。
「ゃ…っ、ん…」
最初は軽く触れるようにくるくると円を描き、徐々に勃ってくると少し強めにきゅっ、とつままれて擦られる。
胸がジンジンしてきて、自身を擦られるのとは違う快感に身をよじらせた。
普段ならこんなに簡単に体を許さないのに、と、酒のせいにして身を委ねる。
キスに集中していると、乳首への刺激だけで自身に熱が集まり勃起していくのを感じる。
これ以上はいけない。本当に犯される。
そう思っても溶かされるような激しいキスが気持ちよくて抵抗できなかった。
「ここ、もう勃起してるじゃねぇか。そんなに気持ちいいか?」
そう言いながら唇を離し、固くなったそこを優しく撫でられる。
やめてほしくなくてねだるようにルディの唇を舐めると、少し笑って唇に吸い付かれた。
「ルディ、俺、もう…」
ルディの手に自分の手に重ね、ルディの胸に頭を預ける。そして目を閉じた。
「もう……ねむ…い…」
「……はぁ!?」
驚いたルディの声が遠くに聞こえた気がした。
酒のせいで眠気に勝てなくてそのまま意識が遠のいていくのを感じる。
最後にボソッと「マジかよ……」と聞こえたと思うと、俺は意識を手放した。
ダンジョンから出たその日の夜、俺はルディの部屋に押しかけて酒を煽っていた。
ルディと同室だったニルーヴァ君はアキラ君の部屋で二人仲良くすやすやと眠っている。
「…それでアキラ君ってば初めてのくせして触手で犯されて気持ちよくなってて」
「うわアキラ初めてだったのかよ。それ知ってればなぁー半ば無理やりにでも初めて奪いにいったのに」
「殴る」
「冗談だって」
「俺のアキラ君…」
少し涙ぐみながら酒を瓶ごと煽って喉の奥に流し込む。濃いアルコールが熱く喉を通って胃へ注ぎ込まれる。
飲みすぎだと分かっていながらも愚痴を吐く口と酒に伸ばす手を止められなかった。
「少しずつ懐柔して初めてをもらうつもりだったのに…今まで傷つけまいと焦らずじっくりやってたのは何の意味が…?」
「おい、ちょっと飲みすぎだぜ」
ルディが俺の手から酒瓶をひったくる。
ムッとして頰を膨らませるとおかしなものを見たかのように笑われた。
「明日は街を出るんだからほどほどにしとけ」
そう言って俺からひったくった酒を飲み干した。
俺に付き合って酒を飲んでいるはずなのにルディは全く酔った素振りを見せない。
流石に2人で6本も空けたのは飲みすぎだったかと反省しながら火照った体を冷やすためシャツのボタンを外した。
肌が露わになった俺の体にルディが視線をやっているのに気付いてニヤリと笑う。
「酒に強い男は好きだよ」
そうからかうように言ってルディの肩に頭をすり寄らせる。
「酒に弱い男は俺みたいな悪い奴に襲われるぜ?」
ルディは慣れた手つきで俺の肩を抱き、髪にキスをした。目を閉じると瞼や額にキスを落とされる。
普段は俺がアキラ君に優しくしてあげたいけど、たまにはこうして甘く優しくされるのも悪くないなと思った。
「ルディは俺を襲いたいのか?」
上目遣いでそう問うてやると、ルディは口の端を引きつらせて呆れたように見つめ返してきた。
「ここまでお膳立てされて襲いたくない男がいると思うか?」
「別にそんなつもりはないよ」
ルディの胸をトン、と軽く押して距離を取る。
行き場をなくしたルディの手は宙を彷徨っていた。
「ああくそっ、お前が酒に酔ってなけりゃすぐ喰ってやるのに」
「また媚薬?それ使わないと気持ちよくさせられないのかい?」
「あ?試してみるか?」
俺の挑発に乗ってガシッと腕を掴んで引き寄せられる。そのままの勢いで後頭部を掴み唇を重ねられた。
「んっ…んぅ…」
薄く開いた唇から熱い舌が侵入してくる。
それに応えるように唾液を絡ませながら舌に吸い付いた。
はだけた服の隙間からひんやりとした手が入ってくる。火照った肌に気持ちいい。
深くキスをしながら俺の肌を揉みほぐすようにまさぐる。
マッサージされているような気持ち良さにうっとりしていると、不意に乳首をつままれて肩が跳ねた。
「ゃ…っ、ん…」
最初は軽く触れるようにくるくると円を描き、徐々に勃ってくると少し強めにきゅっ、とつままれて擦られる。
胸がジンジンしてきて、自身を擦られるのとは違う快感に身をよじらせた。
普段ならこんなに簡単に体を許さないのに、と、酒のせいにして身を委ねる。
キスに集中していると、乳首への刺激だけで自身に熱が集まり勃起していくのを感じる。
これ以上はいけない。本当に犯される。
そう思っても溶かされるような激しいキスが気持ちよくて抵抗できなかった。
「ここ、もう勃起してるじゃねぇか。そんなに気持ちいいか?」
そう言いながら唇を離し、固くなったそこを優しく撫でられる。
やめてほしくなくてねだるようにルディの唇を舐めると、少し笑って唇に吸い付かれた。
「ルディ、俺、もう…」
ルディの手に自分の手に重ね、ルディの胸に頭を預ける。そして目を閉じた。
「もう……ねむ…い…」
「……はぁ!?」
驚いたルディの声が遠くに聞こえた気がした。
酒のせいで眠気に勝てなくてそのまま意識が遠のいていくのを感じる。
最後にボソッと「マジかよ……」と聞こえたと思うと、俺は意識を手放した。
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