どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
105 / 145
サツキ公国編

第105話 どーも、読書です

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 体力の回復の為に休息する


本文


どーも、夜までスマホの中にダウンロードした小説を読んで時間を潰そうと考えているオッサンです。
やっぱり、ラノベ小説はいいね。俺は、14歳の頃からラノベをこの世界に来るまで毎日欠かさず見ていた。ストーリーを妄想して、主人公になったつもりで読むのが好き。心が落ち着く。精神が安定すると言った方がいいかな?

「ふふ、勘違いしている...激アツ展開だな。この本を積みにしていた事に後悔だわ。もっと早く出会いたかったぜ」

ベッドの上にうつ伏せになってスマホを見ている俺の横にユリさんとネイレスさんがいる。日本語の習得を目指して勉強中。どうして勉強しているかと言うと、俺の読んでいる本を読みたい、共有したいとのこと。頭が良い二人ならきっと覚えるだろう。頑張れ。

「ケンさん、日本語って異なる文字が多くないかしら?」

ユリさんから問いかけられる。日本語は難しいからね。ひらがな、カタカナ、漢字。もちろん、数字も覚えないといけない。ユリさんの疑問は当然だと思う。

「俺は、生まれてからずっと日本語の勉強をしているよ?多様性があって面白いと思うけど。長い道のりだけど読みだけでも覚えられるといいね。あっ、紙に書いて覚える方法もあるけど...えーと、ペンと紙は。あった!はい、これ使ってインプットの向上をするといいよ」

「ありがとう、ケンさん。ケンさんの名前の書き方教えて?」

俺は、紙にひらがな、カタカナ、漢字で名前を記入しユリさんとネイレスさんに渡す。その際に、ネイレスさんからも質問をされる。

「ありがとうございます、ケンさん。ケンさんがいた世界では文字が書けて、読めることが普通だったのですか?」

「うーん、どうだろう。国によるけど、俺がいた国では、義務教育というのがあって学び舎に行って勉強することが当たり前だったかな。この国、いや、この世界はどうなの?」

「凄い...とても発展していますね。当たり前に学び舎に行けるなんて、この世界では考えられないですね。言葉を発することが出来ても、文字を書くことが出来る人は身分が高い人でないと出来ないと思います」

「へぇー。だから看板は、絵が多いのか。納得したよ。教えてくれてありがとう、ネイレスさん」

「ふふふ、どういたしまして」

ユリさんとネイレスさんは、紙にひらがなを書きながら覚えていく。俺の名前を紙にびっしり書く二人にドン引きするが、見なかったことにする。俺は、スマホに目を落とし読書を再開する。フィクションの話だけど、ファンタジー小説に登場する物が、こっちの世界に存在すると思うと読んでいてより鮮明に思い浮かべることが出来て楽しい。特にモンスターや魔法の道具。マジックバッグがいい例だね。

「ふぅ。時間が過ぎるのが早いな。もう昼ごはんの支度しないといけないや。二人とも勉強どう?」

難しいそうな顔をしている二人を見て苦笑する。やっぱり一から言語を習得するのは簡単じゃない。

「少し混乱しているわ。まだまだ日本語を覚えるのに時間がかかるかしらね」

「私もです。ケンさんの名前をひらがなで書けるくらいです。でも、勉強は面白いです!時間がある内に覚えられるよう頑張ります」

凄いね、二人は。俺は、今更この世界の文字を習得しようと思わないよ。感心感心。俺は、マジックバッグからクッキーを取り出し二人に渡す。疲れた脳に糖分が良いよね。

「わぁ!ありがとう、ケンさん!このお菓子、ケンさんが焼いたの?」

「ううん。帝国の後宮にあったお菓子だよ。沢山あるけど、昼ごはんがあるから控え目にしてね」

「分かりました。はむ...美味しいです。帝国の後宮は、とても贅沢な暮らしだったのですね」

「そうなのか?ユリさんは、お菓子とか食べたことある?」

ユリさんは顔を横に振り、クッキーは初めて食べるとのこと。

「本当に美味しいわね、このお菓子。いくらでも食べられるわ。ねぇ、ケンさん。あの商人にお菓子を融通してもらえるよう交渉してくれない?」

「プルトスさんのこと?別に良いけど。そんなに気に入ったの?」

二人が頷いて、もっと寄越せと言っているような目で俺を見る。俺は、クッキーが入っている袋を二人に渡してからキッチンに向かう。

「ユリさんとネイレスさん...昼ごはん食べれるかなー?まぁ、昼ごはんはカツサンドだし、残っても保存食にすればいいか」

昼ごはんを用意して、皿に盛り付けてテーブルに置く。案の定、お菓子を食べ過ぎてご飯を残す二人。保存する器にカツサンドを詰めてマジックバッグに仕舞わせる。ご飯の後、食休みを挟み各自筋トレをして身体を鍛える。お菓子食べ過ぎると太るよと言ったら、筋トレを必死にする二人。笑える。そんなこんなで夜まで時間を潰した。

「日が沈んできたわね。ケンさん、街の様子を見に行くと言っていたけど情報収集が主な目的でいいかしら?」

「うん。住民の様子や兵の動きの観察とキサラ法国の動向の情報収集をする予定。ネイレスさんは、顔を見られないよう隠密行動ね。最悪、兵士か騎士の一人を捕まえて尋問する」

「分かりました。私は隠密スキルを使用し、ケンさんたちの後ろからついて行きます。私の存在が相手方に知られた場合は、速やかに排除してもいいですか?」

「もちろん、排除しちゃって。魔力探知阻害の指輪もあるし、バレないと思うけど警戒はしておくべきだね。特にキサラ法国の者には注意していこう」

俺とユリさんは、街にいても住民に溶け込めるような服装に着替え、ネイレスさんは黒一色の服に着替える。

「さぁ、行きましょ?夜の街を歩くの少し楽しみにしていたから、ドキドキするわ」

「ふふ、私も楽しみにしていました。ユリとは、よく意見が合いますね」

窓から外を見て人がいないことを確認した後、外に出る。ネイレスさんは、隠密スキルを発動させ、俺とユリさんは視覚による認識が出来なくなる。

「夜を楽しもうぜ」

「ふふ、そうね」
「はい!」

今日の夜はどんなことがあるのか...出来れば戦闘になりませんように!



後書き

次回 未定
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

攫われた聖女~魔族って、本当に悪なの?~

月輪林檎
ファンタジー
 人々を恐怖に陥れる存在や魔族を束ねる王と呼ばれる魔王。そんな魔王に対抗できる力を持つ者を勇者と言う。  そんな勇者を支える存在の一人として、聖女と呼ばれる者がいた。聖女は、邪な存在を浄化するという特性を持ち、勇者と共に魔王を打ち破ったとさえ言われている。  だが、代が変わっていく毎に、段々と聖女の技が魔族に効きにくくなっていた…… 今代の聖女となったクララは、勇者パーティーとして旅をしていたが、ある日、勇者にパーティーから出て行けと言われてしまう。 勇者達と別れて、街を歩いていると、突然話しかけられ眠らされてしまう。眼を覚ました時には、目の前に敵である魔族の姿が…… 人々の敵である魔族。その魔族は本当に悪なのか。クララは、魔族と暮らしていく中でその事について考えていく。

蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-

星井柚乃(旧名:星里有乃)
ファンタジー
 旧タイトル『美少女ハーレムRPGの勇者に異世界転生したけど俺、女アレルギーなんだよね。』『アースプラネットクロニクル』  高校生の結崎イクトは、人気スマホRPG『蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-』のハーレム勇者として異世界転生してしまう。だが、イクトは女アレルギーという呪われし体質だ。しかも、与えられたチートスキルは女にモテまくる『モテチート』だった。 * 挿絵も作者本人が描いております。 * 2019年12月15日、作品完結しました。ありがとうございました。2019年12月22日時点で完結後のシークレットストーリーも更新済みです。 * 2019年12月22日投稿の同シリーズ後日談短編『元ハーレム勇者のおっさんですがSSランクなのにギルドから追放されました〜運命はオレを美少女ハーレムから解放してくれないようです〜』が最終話後の話とも取れますが、双方独立作品になるようにしたいと思っています。興味のある方は、投稿済みのそちらの作品もご覧になってください。最終話の展開でこのシリーズはラストと捉えていただいてもいいですし、読者様の好みで判断していただだけるようにする予定です。  この作品は小説家になろうにも投稿しております。カクヨムには第一部のみ投稿済みです。

元四天王は貧乏令嬢の使用人 ~冤罪で国から追放された魔王軍四天王。貧乏貴族の令嬢に拾われ、使用人として働きます~

大豆茶
ファンタジー
『魔族』と『人間族』の国で二分された世界。 魔族を統べる王である魔王直属の配下である『魔王軍四天王』の一人である主人公アースは、ある事情から配下を持たずに活動しいていた。 しかし、そんなアースを疎ましく思った他の四天王から、魔王の死を切っ掛けに罪を被せられ殺されかけてしまう。 満身創痍のアースを救ったのは、人間族である辺境の地の貧乏貴族令嬢エレミア・リーフェルニアだった。 魔族領に戻っても命を狙われるだけ。 そう判断したアースは、身分を隠しリーフェルニア家で使用人として働くことに。 日々を過ごす中、アースの活躍と共にリーフェルニア領は目まぐるしい発展を遂げていくこととなる。

ゲームの世界に堕とされた開発者 ~異世界化した自作ゲームに閉じ込められたので、攻略してデバックルームを目指す~

白井よもぎ
ファンタジー
 河井信也は会社帰りに、かつての親友である茂と再会する。  何年か振りの再会に、二人が思い出話に花を咲かせていると、茂は自分が神であると言い出してきた。  怪しい宗教はハマったのかと信也は警戒するが、茂は神であることを証明するように、自分が支配する異世界へと導いた。  そこは高校時代に二人で共同制作していた自作ゲームをそのまま異世界化させた世界だという。  驚くのも束の間、茂は有無を言わさず、その世界に信也を置いて去ってしまう。  そこで信也は、高校時代に喧嘩別れしたことを恨まれていたと知る。  異世界に置いてけぼりとなり、途方に暮れる信也だが、デバックルームの存在を思い出し、脱出の手立てを思いつく。  しかしデバックルームの場所は、最難関ダンジョン最奥の隠し部屋。  信也は異世界から脱出すべく、冒険者としてダンジョンの攻略を目指す。

筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~

九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。 ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。 そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。 しかも精霊の力に満たされた異世界。 さて…主人公の人生はどうなることやら。

僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。 ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。 『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』 『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』 そんな感じ。 『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。 隔週日曜日に更新予定。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界ぼっち

オレオレ!
ファンタジー
初の小説、初の投稿です宜しくお願いします。 ある日クラスに魔法陣が突然現れ生徒全員異世界へそこで得たスキル魔法効果無効(パッシブ)このスキルを覚えたことで僕のぼっちな冒険譚が始まった

処理中です...