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サツキ公国編
第101話 どーも、発情です
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前書き
前回のあらすじ
主人公 窮地に陥る
本文
どーも、ユリさんにひざ枕してもらっているオッサンです。
ネイレスは服を着て俺の顔を濡れた布で拭いてくれる。これ、介護やん。っと内心思いつつ甘える。ユリさんとネイレスさんの優しさが心に沁みるぜ。
「ありがとう、ネイレスさん。ところでさっきはなんで服着ていなかったの?」
顔を拭き終わり、桶に布を浸し布についた血を落としているネイレスさんに問う。頬を赤くしながら答えてくれる。
「その、ユリに治癒をしてもらう際に服を脱いだのです。私も血を流しすぎて身体が動かなかったのですが、ケンさんが帰ってきたことを知って、いても立ってもいられず裸体のままお出迎えしてしまったという...とても恥ずかしい行動をしてしまいました」
「そうか。無理しなくていいよ。今、辛かったら横になっててもいいし」
「いいえ、私のせいでケンさんとユリを傷つけてしまいました。とても心が痛いのです」
「あれは海龍のせいだろ?ユリさんに止められていなかったら、俺はネイレスさんを殺すつもりでいたし、感謝するならユリさんにして」
「ありがとうございます、ユリ」
横になっているからネイレスさんの顔しか見れない。ユリさんがどんな顔をしているか身体を動かし確認してみる。あ、ニヤけている。
「どうしたの?私に何か言ったかしら?」
「ユリ、貴女、顔がニヤついていますよ。何を考えていたのです?」
ネイレスさんの感謝の言葉は聞こえていなかったようだ。ニヤついているユリさんがネイレスさんの問いに、更に顔を歪めて唇を舌で舐めてから答える。
「ふふふふふ。今日、ケンさんと同衾するのよ。それもケンさんからのお誘い!これがニヤけられずにいられるかしら?いや、出来ないわ!興奮するに決まっているわ!!」
「同衾!!?ちょっと、ユリ!ずるいです!」
勝ち誇った顔でネイレスさんを見るユリさん。優越感があるようにも見える。
「これは、私へのご褒美よ。ネイレスは、安静にしなさい。もう海龍が貴女に憑依することはないはず。安心して一人で寝てちょうだい」
「えっ?ユリさん、海龍が憑依しないって何処の情報?」
ユリさんが言った海龍について聞く。
「なぁに?ケンさん、知りたいの?」
俺の顔に手を当て撫でる。口元に指が当たり、麗色な表情を浮かべるユリさん。
「指を吸ってくれるなら教えてあげるわよ?ケンさん...うふ、ふふふふ」
どうせ、神龍のリンさんから教えてもらったんだろ?お節介焼きのリンさんのことだ。ネイレスさんを治癒する時にユリさんと話した。うん、これしか考えられない。でも、血が欲しいからユリさんの指を吸おう。
「あむ。ユリさん、血ちょうだい?」
「はぁ、はぁはぁ、はぁ、素直なケンさん好き...待ってて、今、指の腹を切るから!」
「ちょーっと!私を除け者にしないでください!!私も混ぜて!!」
ネイレスさんが、俺の服をめくり塞がったと思われる弾が貫通した傷口を舐める。
「な、何しているのよ!?ネイレス!わ、私もケンさんの身体舐めたいわ!」
「うるはいでふ。けんさんのちをふきとっているのです」
あー、そろそろ止めないと...食われる。
「二人とも、落ち着いて。まず海龍のことを聞かせて。ね?」
「分かったわ。はい、この指から血を吸って」
俺はユリさんの指を咥えて血を飲む。相変わらず、不思議な味だな。
「ふふ。リンから海龍のことを教えてもらったの。ケンさん、シャロンが使っていた断魂の神炎を海龍に当てたでしょ?あの魔法で憑依できる力が削がれたらしいわ」
「そんな都合の良いことあるか?確かに魂に作用する魔法を行使したけど...って、ネイレスさんおへその下舐めるのやめて?」
「うふふふふふふ。美味しい。ずっと舐めていたいです...」
あー、収拾がつかん。誰か助けて!
コンコン
願いが通じた!!珍しい。
この隠れ家を知っているのは、プルトスさんか商会の者しかいないはず。
「ネイレスさん、悪いけど訪問者の確認お願い」
「はい、任せてください!」
俺はユリさんにも声をかけ、身体を起こしてもらう。
『プルトスでございます、急な訪問すみません』
「ネイレスさん、念のため警戒をして」
俺の言葉に頷き、ネイレスは予備の剣に手を当てながら扉を開ける。
「ほ、ほ、ほ、ほ。ネイレス女王陛下がお出迎えとは、相変わらずケン様の周りは華やかですな」
「確かにそうかも、ははは。先の戦闘で身体が動かないんだ。この態勢で申し訳ない。どうぞ、俺の前の席に座ってくれ」
「ありがとうございます。では、失礼致します」
ユリさんとネイレスさんは俺の隣に座り、目の前のソファーにプルトスさんが座る。
「水とお茶、どちらがいいかな?プルトスが良ければ、ワインでもいいけど」
「そうですなぁ...この後、大きな商談が入っておりますのでお水にしましょうか」
俺はユリさんに目をやると、ユリさんが頷き、グラスに水を注ぐ。ドリンクの提供は基本だな。
「今回は、すまなかった。俺たちが王宮から宝を盗んでくる予定だったのに。手を煩わせてしまって、申し訳ない」
「ほ、ほ、ほ、ほ。構いません。直接、現場に行き仕入れをするのと変わりません。ネイレス女王陛下に頂いた短剣のおかげで宝物庫が開きました。刀身が鍵になっているという情報は本当だったのに驚きましたよ」
「へぇー、そうなんだ。その様子だと結構拝借したと見えるけど?」
「ええ、それはそれは。宝物庫を空にするほどに。ほ、ほ、ほ、ほ。ケン様がレスト王を引きつけてくれたおかげでもあります。こちらをどうぞ」
マジックバッグを渡され中身を確認するために、手を突っ込む。
「煙草と白金貨?」
「はい。お約束していた煙草、それとケン様が嵌めていらっしゃる指輪の代金です」
海龍の魔力が込められていた指輪のことか?
「ネイレスさん、これ売っていい?」
「構いません。もう、私に必要ないものですから」
ネイレスさんの目には、海龍の指輪を非難しているように見える。あんなことがあったんだ。当事者としては、嫌な代物だろうね。
「それじゃあ、はい。プルトスさん」
指輪をプルトスさんに渡す。俺たちにとって呪いのアイテムだ。代わりに魔力を貯めておく指輪をネイレスさんに渡しておく。嬉しいそうな顔でネイレスさんが左薬指に嵌める。
「ケンさん?私には?」
「痛い、イタイ。つねらないで!ちゃんと、もう一つあるから!はい」
ユリさんの機嫌を直しつつ、指輪を左薬指に嵌めてあげる。機嫌が戻ったのを確認してからプルトスさんと話をする。
「ケン様、お支払いした金額を確認しなくても宜しいのですか?」
「ネイレスさん、確認宜しく頼むよ」
プルトスさんの目の前で確認するネイレスさん。中々、数え終わらない。もういいや。
「ネイレスさん、その辺りでいいよ。数百枚以上はありそうだし、今後の資金に当てようか」
「はい、分かりました。海龍の指輪は、それだけの価値があるんですね?」
ネイレスさんの質問に頷くプルトスさん。
「そうか。今回は武器の相性が良かったから海龍に憑依したネイレスさんを撃退出来たけど、本体には敵わないだろうな。もっと強くならなければ。そういえば、馬車はどうなった?」
「御者席に屋根を設置することは完了致しました。いつでもお返し出来る状態でございます。ただ...」
「どうしたのさ?」
「困ったことに、現在公国から出れないのです。大きな商談というのは、レスト王でして。商人から武器を巻き上げると言われてまして、門を封鎖しております。それと、仮面の殺人者が早くも指名手配されていますよ。ほ、ほ、ほ、ほ。愉快、愉快」
「困ったように見えないんだけど。あれだけの事をしたんだ。指名手配くらいされるよなー。それにしても門を封鎖って、俺たちを逃さないつもりかな?」
「十中八九そうでしょうな。ただ、神殿関係者だけは裏門から出れるらしいです」
「ふーん。そうか。キサラ法国との戦争について何か情報はあるか?」
「今のところございません。ケン様が持ってこられた情報が最新でございますね」
外部との接触を絶ってしまって大丈夫なのか?ネイレスさんから聞いたレスト王は、あまり頭がいいように思えないし...これだけは聞いておかないと。
「プルトスさんたちはいつ頃この国を出るんだ?」
「この国から出れないと言った側から...まるで出ることが当然のようにお聞きになる。私はただの商人でございますよ?」
「はっ、よく言うよ。アンタならこの国を出るくらい造作もないだろ?」
「私だけなら可能ですが、ふむ。そうですな、3日後ですかね」
顎髭を触りながら答えるプルトスさん。3日後か...
「分かった。明後日、馬車を引き取りに行くよ。それまでは存分にあの馬車を研究してて」
「ほ、ほ。かしこまりました。では、私はそろそろ王宮に行ってきます」
プルトスさんが立って扉の方へ歩く。その後ろにネイレスさんがついていき扉を開けプルトスさんをお見送りをする。
はぁ、疲れた。もう、今日はゆっくり休みたい。
後書き
次回 M
前回のあらすじ
主人公 窮地に陥る
本文
どーも、ユリさんにひざ枕してもらっているオッサンです。
ネイレスは服を着て俺の顔を濡れた布で拭いてくれる。これ、介護やん。っと内心思いつつ甘える。ユリさんとネイレスさんの優しさが心に沁みるぜ。
「ありがとう、ネイレスさん。ところでさっきはなんで服着ていなかったの?」
顔を拭き終わり、桶に布を浸し布についた血を落としているネイレスさんに問う。頬を赤くしながら答えてくれる。
「その、ユリに治癒をしてもらう際に服を脱いだのです。私も血を流しすぎて身体が動かなかったのですが、ケンさんが帰ってきたことを知って、いても立ってもいられず裸体のままお出迎えしてしまったという...とても恥ずかしい行動をしてしまいました」
「そうか。無理しなくていいよ。今、辛かったら横になっててもいいし」
「いいえ、私のせいでケンさんとユリを傷つけてしまいました。とても心が痛いのです」
「あれは海龍のせいだろ?ユリさんに止められていなかったら、俺はネイレスさんを殺すつもりでいたし、感謝するならユリさんにして」
「ありがとうございます、ユリ」
横になっているからネイレスさんの顔しか見れない。ユリさんがどんな顔をしているか身体を動かし確認してみる。あ、ニヤけている。
「どうしたの?私に何か言ったかしら?」
「ユリ、貴女、顔がニヤついていますよ。何を考えていたのです?」
ネイレスさんの感謝の言葉は聞こえていなかったようだ。ニヤついているユリさんがネイレスさんの問いに、更に顔を歪めて唇を舌で舐めてから答える。
「ふふふふふ。今日、ケンさんと同衾するのよ。それもケンさんからのお誘い!これがニヤけられずにいられるかしら?いや、出来ないわ!興奮するに決まっているわ!!」
「同衾!!?ちょっと、ユリ!ずるいです!」
勝ち誇った顔でネイレスさんを見るユリさん。優越感があるようにも見える。
「これは、私へのご褒美よ。ネイレスは、安静にしなさい。もう海龍が貴女に憑依することはないはず。安心して一人で寝てちょうだい」
「えっ?ユリさん、海龍が憑依しないって何処の情報?」
ユリさんが言った海龍について聞く。
「なぁに?ケンさん、知りたいの?」
俺の顔に手を当て撫でる。口元に指が当たり、麗色な表情を浮かべるユリさん。
「指を吸ってくれるなら教えてあげるわよ?ケンさん...うふ、ふふふふ」
どうせ、神龍のリンさんから教えてもらったんだろ?お節介焼きのリンさんのことだ。ネイレスさんを治癒する時にユリさんと話した。うん、これしか考えられない。でも、血が欲しいからユリさんの指を吸おう。
「あむ。ユリさん、血ちょうだい?」
「はぁ、はぁはぁ、はぁ、素直なケンさん好き...待ってて、今、指の腹を切るから!」
「ちょーっと!私を除け者にしないでください!!私も混ぜて!!」
ネイレスさんが、俺の服をめくり塞がったと思われる弾が貫通した傷口を舐める。
「な、何しているのよ!?ネイレス!わ、私もケンさんの身体舐めたいわ!」
「うるはいでふ。けんさんのちをふきとっているのです」
あー、そろそろ止めないと...食われる。
「二人とも、落ち着いて。まず海龍のことを聞かせて。ね?」
「分かったわ。はい、この指から血を吸って」
俺はユリさんの指を咥えて血を飲む。相変わらず、不思議な味だな。
「ふふ。リンから海龍のことを教えてもらったの。ケンさん、シャロンが使っていた断魂の神炎を海龍に当てたでしょ?あの魔法で憑依できる力が削がれたらしいわ」
「そんな都合の良いことあるか?確かに魂に作用する魔法を行使したけど...って、ネイレスさんおへその下舐めるのやめて?」
「うふふふふふふ。美味しい。ずっと舐めていたいです...」
あー、収拾がつかん。誰か助けて!
コンコン
願いが通じた!!珍しい。
この隠れ家を知っているのは、プルトスさんか商会の者しかいないはず。
「ネイレスさん、悪いけど訪問者の確認お願い」
「はい、任せてください!」
俺はユリさんにも声をかけ、身体を起こしてもらう。
『プルトスでございます、急な訪問すみません』
「ネイレスさん、念のため警戒をして」
俺の言葉に頷き、ネイレスは予備の剣に手を当てながら扉を開ける。
「ほ、ほ、ほ、ほ。ネイレス女王陛下がお出迎えとは、相変わらずケン様の周りは華やかですな」
「確かにそうかも、ははは。先の戦闘で身体が動かないんだ。この態勢で申し訳ない。どうぞ、俺の前の席に座ってくれ」
「ありがとうございます。では、失礼致します」
ユリさんとネイレスさんは俺の隣に座り、目の前のソファーにプルトスさんが座る。
「水とお茶、どちらがいいかな?プルトスが良ければ、ワインでもいいけど」
「そうですなぁ...この後、大きな商談が入っておりますのでお水にしましょうか」
俺はユリさんに目をやると、ユリさんが頷き、グラスに水を注ぐ。ドリンクの提供は基本だな。
「今回は、すまなかった。俺たちが王宮から宝を盗んでくる予定だったのに。手を煩わせてしまって、申し訳ない」
「ほ、ほ、ほ、ほ。構いません。直接、現場に行き仕入れをするのと変わりません。ネイレス女王陛下に頂いた短剣のおかげで宝物庫が開きました。刀身が鍵になっているという情報は本当だったのに驚きましたよ」
「へぇー、そうなんだ。その様子だと結構拝借したと見えるけど?」
「ええ、それはそれは。宝物庫を空にするほどに。ほ、ほ、ほ、ほ。ケン様がレスト王を引きつけてくれたおかげでもあります。こちらをどうぞ」
マジックバッグを渡され中身を確認するために、手を突っ込む。
「煙草と白金貨?」
「はい。お約束していた煙草、それとケン様が嵌めていらっしゃる指輪の代金です」
海龍の魔力が込められていた指輪のことか?
「ネイレスさん、これ売っていい?」
「構いません。もう、私に必要ないものですから」
ネイレスさんの目には、海龍の指輪を非難しているように見える。あんなことがあったんだ。当事者としては、嫌な代物だろうね。
「それじゃあ、はい。プルトスさん」
指輪をプルトスさんに渡す。俺たちにとって呪いのアイテムだ。代わりに魔力を貯めておく指輪をネイレスさんに渡しておく。嬉しいそうな顔でネイレスさんが左薬指に嵌める。
「ケンさん?私には?」
「痛い、イタイ。つねらないで!ちゃんと、もう一つあるから!はい」
ユリさんの機嫌を直しつつ、指輪を左薬指に嵌めてあげる。機嫌が戻ったのを確認してからプルトスさんと話をする。
「ケン様、お支払いした金額を確認しなくても宜しいのですか?」
「ネイレスさん、確認宜しく頼むよ」
プルトスさんの目の前で確認するネイレスさん。中々、数え終わらない。もういいや。
「ネイレスさん、その辺りでいいよ。数百枚以上はありそうだし、今後の資金に当てようか」
「はい、分かりました。海龍の指輪は、それだけの価値があるんですね?」
ネイレスさんの質問に頷くプルトスさん。
「そうか。今回は武器の相性が良かったから海龍に憑依したネイレスさんを撃退出来たけど、本体には敵わないだろうな。もっと強くならなければ。そういえば、馬車はどうなった?」
「御者席に屋根を設置することは完了致しました。いつでもお返し出来る状態でございます。ただ...」
「どうしたのさ?」
「困ったことに、現在公国から出れないのです。大きな商談というのは、レスト王でして。商人から武器を巻き上げると言われてまして、門を封鎖しております。それと、仮面の殺人者が早くも指名手配されていますよ。ほ、ほ、ほ、ほ。愉快、愉快」
「困ったように見えないんだけど。あれだけの事をしたんだ。指名手配くらいされるよなー。それにしても門を封鎖って、俺たちを逃さないつもりかな?」
「十中八九そうでしょうな。ただ、神殿関係者だけは裏門から出れるらしいです」
「ふーん。そうか。キサラ法国との戦争について何か情報はあるか?」
「今のところございません。ケン様が持ってこられた情報が最新でございますね」
外部との接触を絶ってしまって大丈夫なのか?ネイレスさんから聞いたレスト王は、あまり頭がいいように思えないし...これだけは聞いておかないと。
「プルトスさんたちはいつ頃この国を出るんだ?」
「この国から出れないと言った側から...まるで出ることが当然のようにお聞きになる。私はただの商人でございますよ?」
「はっ、よく言うよ。アンタならこの国を出るくらい造作もないだろ?」
「私だけなら可能ですが、ふむ。そうですな、3日後ですかね」
顎髭を触りながら答えるプルトスさん。3日後か...
「分かった。明後日、馬車を引き取りに行くよ。それまでは存分にあの馬車を研究してて」
「ほ、ほ。かしこまりました。では、私はそろそろ王宮に行ってきます」
プルトスさんが立って扉の方へ歩く。その後ろにネイレスさんがついていき扉を開けプルトスさんをお見送りをする。
はぁ、疲れた。もう、今日はゆっくり休みたい。
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