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サツキ公国編
第95話 どーも、初心に戻るです
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前書き
前回のあらすじ
主人公 ガラにもなく考える
本文
どーも、計画練って実行する前のオッサンです。
ユリさんとネイレスさんは一度部屋に戻ると言ってリビングから離れる。俺は、二人の後ろ姿を眺めて思う。
待て待て待て待て待て待てまてマテ。
「俺、何二人を失う事にビビってんだ?」
なあ、俺...こんなヤワな作戦立てるような自分だったか?ネイレスさんを危険な事をさせられない?
口元を手で抑え、自分を客観視する。
「キモッ。キモッ。おいおい、俺何やってんの?キモすぎんだよ」
マジックバッグからこの世界で初めて食べた食材を取り出すし、かじる。
カシャリ、グシャ
「必死になってもぎ取ったアプル。危険があるのを承知で森の中を進んで取ったものだったな。あの時と今の状況が違うのは分かっている。でも...」
足りない、力が足りない。
「そうだ、この残酷な世界を生き抜く為に何を得ようとした?力だよな、生き抜く為の力」
「ふふっ。ケンさん、戻ったみたいね?」
壁にもたれかかって、腕を組んで微笑んでいるユリさん。いつからいた?
「気付かなかった。保身に走っていた自分を殺したくなる。くそっ」
「ふふっ、ふふふ。いいわ...ケンさん。貴方は狂っているの。私やネイレスの命なんて考えないで。ぐずぐず考えていないで行動してよ。私も少し死の恐怖が薄れていたみたいだし、感覚を取り戻したいの。一本の細い糸の上を歩くかなような張り詰めた感覚を」
「ユリさんも大概狂っているよ。ははは」
「ふふっ、今までの計画は白紙にしていいかしら?」
「ああ、そうしよう。その場その場で最善な手を考えながら行動する。うん、このやり方が合っているな」
ユリさんの隣に来たネイレスさんの困惑している様子を見て笑いが込み上げる。
「フハっ、ねぇ?ネイレスさん、やっぱり囮になってもらってもいいかな?」
「え?えぇ、いいですよ。これはいったい、どうかしたのですか?」
困惑しているネイレスさんにユリさんは勝ち誇ったような顔で言葉を発する。
「ネイレスが知らないケンさんよ。私だけが知るケンさんが戻ってきたの」
「これが?」
俺もユリさんが言う、前の自分というのは分からないけど、死が常に直面していると思うと悠長にしていられない。
「ネイレスさんは、レストを引きずり出せ。ユリさんはネイレスさんの援護を。俺は、今からプルトスさんに会いにいって王宮まで連れていく」
「ケンさん?そんなことしたら、私たち全員国際指名手配されますよ?」
「なにそれ?そんなの仮面でも装着していれば大丈夫だろ」
俺の言葉に頭を抱え俯くネイレスさん。そして震え出す。
「ふふふふふっ、ケンさんに振り回される私...良いですね」
なに言っているの、この人?
「良いでしょう。兄を引きずり出しボコボコに殴って王にさせてやりますよ!ええ、やります」
ネイレスさんは拳を前に突き出し、決意した目つきで宣言する。
俺はレストを引きずり出してくれるだけで良かったのに、ボコボコに殴ることが追加される。
まぁ、レストが出てくるまで大変だろうけど、ユリさんもいるし何とかしてくれるはず。何とかしてもらはないと困る。
くっくっく、どうなるのやら。
後書き
次回 勘違い
前回のあらすじ
主人公 ガラにもなく考える
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どーも、計画練って実行する前のオッサンです。
ユリさんとネイレスさんは一度部屋に戻ると言ってリビングから離れる。俺は、二人の後ろ姿を眺めて思う。
待て待て待て待て待て待てまてマテ。
「俺、何二人を失う事にビビってんだ?」
なあ、俺...こんなヤワな作戦立てるような自分だったか?ネイレスさんを危険な事をさせられない?
口元を手で抑え、自分を客観視する。
「キモッ。キモッ。おいおい、俺何やってんの?キモすぎんだよ」
マジックバッグからこの世界で初めて食べた食材を取り出すし、かじる。
カシャリ、グシャ
「必死になってもぎ取ったアプル。危険があるのを承知で森の中を進んで取ったものだったな。あの時と今の状況が違うのは分かっている。でも...」
足りない、力が足りない。
「そうだ、この残酷な世界を生き抜く為に何を得ようとした?力だよな、生き抜く為の力」
「ふふっ。ケンさん、戻ったみたいね?」
壁にもたれかかって、腕を組んで微笑んでいるユリさん。いつからいた?
「気付かなかった。保身に走っていた自分を殺したくなる。くそっ」
「ふふっ、ふふふ。いいわ...ケンさん。貴方は狂っているの。私やネイレスの命なんて考えないで。ぐずぐず考えていないで行動してよ。私も少し死の恐怖が薄れていたみたいだし、感覚を取り戻したいの。一本の細い糸の上を歩くかなような張り詰めた感覚を」
「ユリさんも大概狂っているよ。ははは」
「ふふっ、今までの計画は白紙にしていいかしら?」
「ああ、そうしよう。その場その場で最善な手を考えながら行動する。うん、このやり方が合っているな」
ユリさんの隣に来たネイレスさんの困惑している様子を見て笑いが込み上げる。
「フハっ、ねぇ?ネイレスさん、やっぱり囮になってもらってもいいかな?」
「え?えぇ、いいですよ。これはいったい、どうかしたのですか?」
困惑しているネイレスさんにユリさんは勝ち誇ったような顔で言葉を発する。
「ネイレスが知らないケンさんよ。私だけが知るケンさんが戻ってきたの」
「これが?」
俺もユリさんが言う、前の自分というのは分からないけど、死が常に直面していると思うと悠長にしていられない。
「ネイレスさんは、レストを引きずり出せ。ユリさんはネイレスさんの援護を。俺は、今からプルトスさんに会いにいって王宮まで連れていく」
「ケンさん?そんなことしたら、私たち全員国際指名手配されますよ?」
「なにそれ?そんなの仮面でも装着していれば大丈夫だろ」
俺の言葉に頭を抱え俯くネイレスさん。そして震え出す。
「ふふふふふっ、ケンさんに振り回される私...良いですね」
なに言っているの、この人?
「良いでしょう。兄を引きずり出しボコボコに殴って王にさせてやりますよ!ええ、やります」
ネイレスさんは拳を前に突き出し、決意した目つきで宣言する。
俺はレストを引きずり出してくれるだけで良かったのに、ボコボコに殴ることが追加される。
まぁ、レストが出てくるまで大変だろうけど、ユリさんもいるし何とかしてくれるはず。何とかしてもらはないと困る。
くっくっく、どうなるのやら。
後書き
次回 勘違い
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