どーも、反逆のオッサンです

わか

文字の大きさ
上 下
43 / 145
シーワーズ帝国復讐編

第43話 どーも、尋問です

しおりを挟む
前書き

前回のあらすじ

主人公 隠し部屋の隠し部屋を見つける


本文


どーも、隠し部屋に隠し部屋があって、そこから地上に出て...詳細を省くね。現在尾行されているオッサンです。
俺なんか尾行して何の意味があるのか、さっぱり分からない。森の中での生活がなければ、おそらく尾行に気づかないくらい気配を殺している。きっと、ユリさんも数人に尾行されているだろう。さーて、情報収集も兼ねてきっちり全員捕まえよう。

俺は、歩く速度を早めて路地裏へ進んでいく。ちゃんとついて来ているな。思ったより人数が多い。なんで、俺一人に8人尾行してんの?

「この辺りでいいか、なあ!!コソコソ俺を尾けている奴出てこいや!!」

シーン...

誰も出てこないのかよ!!出てこないなら、こっちから仕掛ける。マジックバックから暗器を取り出し、尾行している1人がいると思われる方へ投げつけ接近する。今さら逃げられると思うなよ。
悲鳴を上げず、腕に刺さっている暗器を抜こうとしている人間の足をロングソードで斬り落とす。

「コイツは強い!全員でかかれ!」

足を斬られて、悲鳴を上げないのは感心。それと的確な指示。場慣れしているな、コイツら。うおっ!火の玉かよ!

「こんなところで魔法なんて使うなよ!服が燃えたらどーしてくれんっの!」

魔力解放を最小限に抑えて、火の玉を無効化する。無効化したことに一瞬の隙が生まれる。その隙に間合いを詰めロングソードを横薙ぎするが、剣で受け止められる。背後に3人、前に4人。挟み討ちの状況...

「チッ、おい、お前らもう1人の方にも同じように襲撃していないだろうな?」

「貴様の問いに応えることはない。私たちの質問に答えて頂こうか。形勢が悪いことぐらい分かるだろ?」

「質問に答えてやるからさっさと話せよ。じゃないと...」


ドォンッ


「あーあ、やっちまったな。オメェら、全員あの世行き決定だな」

背後の3人が、ユリさんが放った魔力付与された3本の矢が突き刺さり即死する。

「敵に回しちゃいけない人に手を出したんだよ、テメェらは!ラァッ!」

素早くマジックバックからゴウケツを取り出し、前にいた1人の首を刎ねる。ユリさんの攻撃に反応が遅れて、足を止めたのが命取りだったな。


『魔力解放、散れ』


ドス黒い魔力が形状を変化させ数千の針状になり、残りの3人を始末する。魔力操作に手応え感じつつ、ユリさんが来るのを待つ。

「ケンさん!ご無事...のようですね!良かったです」

「ユリさんこそ、無事で良かった。良いタイミングで援護してくれて助かったよ!」

「私の方に尾行は2人でしたので、路地裏に入りケツメイで瞬殺しました。その後は、ケンさんを建物の上から捜索してすぐ見つけました。ふふふ、やっぱり私たち結ばれていますね」

「お、おう。瞬殺って...すごいね。それよりも!コイツら何者?」

「ケンさん、1人生かしていましたよね?場所を変えて、尋問しましょう。ふふ」

腕は毒針に刺され、両足は切断されている男に近づく。死んでるかと思ったけど、しぶといなコイツ。生きてやがる。


治癒ヒール


治癒ヒールを行い、止血させる。ゼェゼェ言っているけど大丈夫か?大丈夫じゃないよな。

「ケンさん、あの部屋から薬のようなもの持ってきてませんでしたか?」

ユリさんが言っているのは、隠し部屋の研究所のことだな。爺ちゃん特製の自白剤をユリさんに渡す。ユリさんの耳元で話す。

「これ、自白剤」

「ケンさん、もう一回教えて下さい!」

「えっ?だから、自白剤だよ」

「はぁ、堪りません!今度、ご褒美に私に耳元で囁いてください!」

「はあ?嫌だよ!」

「もーう、いけず!」

プリプリしたユリさんが自白剤の液体を強引に男に飲ませ、首を掴み、建物の上まで飛んで着地する。俺もユリさんについていく。身体能力向上を使わずとも2階建の家の屋根の上まで容易に飛べるとか...俺、人間のキャパ超えてね?

「それでは、ここで尋問します。私を尾行していた者が持っていた防音の結界を張る道具を展開。あなたは、このまま死にますが、私たちに情報を話すために今生きています。良かったですね、最後に役に立てて。ふふ」

「はい、嬉しいです、へへへ」

「ケンさん、これ凄い効き目ありますよ!この男、完全に目がイッてます...それで、あなたたちは何故私たちを尾行したのですか?」

「騎士団団長からの命令です。昨夜、門の所で目をくり抜いた隻眼の男とその横にいた女を探して居場所を特定しろと言われ暗部の私たちが、へへへ、動いたというへへへ」

「もう少ししっかり話しなさい。騎士団団長は、私たちの事を何故探していたのですか?」

「追放された姫の仲間である可能性があるかもしれないと、へへへへへへへへ」

ユリさんは聞きたいことを終えたのか、男の首を躊躇なく刎ねる。

「ケンさん、先程の自白剤、少し薄めた方がいいかもしれませんね。効き目が強すぎて廃人になってしまいます」

「お、おう。そうだね、今日一度戻ってから試作品を作ろうか。俺たちも狙われる立場になったから、変装が必要だね」

隠密スキルを発動させ、ポイントBに行き地下室に戻る。大広間の姫さまたちがいる隠し部屋を開け、中に入るとお腹を空かせて待っていた。

「ただいまー。食糧を大量に購入してきたよ。姫さまとカーラさん以外食事作れるよね?昼飯はナポリタン作って。姫さまとカーラさんはユリさんと洗濯物ね」

「おかえりなさい、ケン様。どうでした?」

「うーん、ご飯食べ終えてから話すよ」

「分かりました。私は洗濯物を洗ってきます」

爺ちゃん地上怖いよ...ガクガク



後書き

次回 決別
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。 幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。 「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」 泣きじゃくる彼女に、彼は言った。 「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」 「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」 そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。 ※2019年10月、完結しました。 ※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました 第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった 服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます

種族【半神】な俺は異世界でも普通に暮らしたい

穂高稲穂
ファンタジー
旧題:異世界転移して持っていたスマホがチートアイテムだった スマホでラノベを読みながら呟いた何気ない一言が西園寺玲真の人生を一変させた。 そこは夢にまで見た世界。 持っているのはスマホだけ。 そして俺は……デミゴッド!? スマホを中心に俺は異世界を生きていく。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 よろしくお願いいたします。 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

処理中です...