どーも、反逆のオッサンです

わか

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シーワーズ帝国復讐編

第40話 どーも、合流です

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前書き

前回のあらすじ

主人公 神龍と話す 目をくり抜く


本文


どーも、再び神龍とお話したオッサンです。
勇者が持っていたと言われる剣がシーワーズ帝国にある事とその剣の素材が神龍の身体の一部という事。つまり俺たちが持っているゴウケツ・コッケン・ケツメイと同等の力があると考えていた方がいいだろう。神龍曰く、神龍の魔力が微量しか含まれていないと言っていたが性能は破格に違いない。まあ、剣に関しては姫さまに聞けばわかる事だし、すぐ対応する案件ではない。今、対応しないといけないのは、神龍眼だ。神龍眼の効果は、龍眼化より優れていると思う。優れすぎて俺にはまだ扱えない。神龍眼で認識した情報が多すぎて脳が追いつかず、鼻血は出るわ、頭が痛いわでまともに使えない。

「眼帯すると、メガネが掛けずらいな。黒い布で片目を塞ぐしかないみたい。こんな事なら目玉をくり抜かなきゃ良かったよ」

「もう今更な話です。やらない後悔より、やって後悔した方が私は良いと思います。もちろん、しっかりと熟考した上での話ですが」

「そうだね、その通りだ。左目を使いこなせるまで、右目はそのままにしておくよ。死角が出来て、この状態での戦闘はなるべく控えたいた。まだ違和感があって、身体のバランスが取りずらい」

「死角は私がフォローしますから。ふふ、私だけの役目です」

「あ、ああ。よろしく頼むよ。これで、左目を隠せたし孤児院の廃墟を探すとしますかね」

人が寄り付かない路地から出て歩きだすが、活気がなく人が少ないのように感じる。徴兵されて、著しく経済が滞りしているんだな。ユリさんに血を拭き取った布を渡し負傷兵に見えるよう腕に巻いてもらう。

「そこのアンタ達!そこのお二人さんのことだよ!」

誰に声を掛けたのか初めは分からなかったが、どうやら俺たちのことらしい。

「なんですか?」

「アンタら兵士たちが帰ってきたって事は、魔人との戦いは終わったのかい?」

「さあ?私たちは、この通り負傷して帰還命令を受けて戻って来たに過ぎません。なので、魔人との戦いについての詳細が分かりません」

「そうかい…私の息子は大丈夫だろうか?」

知らねーよ、そんなの。自分の目で確かめてくればいいじゃねーか。

「分かりかねます。他の兵士に聞いてください、それでは」

どうでもいいことに時間を費やすのは良くない。早々に話を切り上げ、おばさんから離れる。あー、寝たい。ゆっくりしたい。

「どこにあるのでしょうね、孤児院の廃墟は。詳しく聞いていれば...」


うぉおおおおお


何の騒ぎだ?騒々しいな!隠密スキルを発動させ、俺とユリさんは歓声が聞こえた方へ向かう。


おい、聞いたか?

なによ、教えなさいよ!

魔人とドラゴンの討伐をしたって騎士様が言っていたぞ!

どちらの死体もあるらしい。

魔人め、よくも私の家族を...


耳を済ませて話を聞き取ると、どうやら帝国騎士が魔人とドラゴンの討伐をしたことになっているらしい。よくそんな嘘がつけるよな。魔人やドラゴンにどうやっても勝つことは不可能だし、ここにいる住民達は城壁の外の様子を見ていないな。日頃から情報操作が行われているみたいだし…

「ユリさん、ここから離れようか。どうせ、意味のない情報だけしか聞こえない。さっさと孤児院の廃墟探そ...」

「そこにいるのはケン様とユリ様ですか?」

うん?この声は...

「よく俺たちの居場所がわかったね、姫さま」

「はい、門を抜けるなら私たちと同じところだと思い皆で近辺を捜索しておりました」

「気配に気づかないとは...俺、疲れてんな」

「ケンさん、仕方ありませんよ。私も察知できなかったのですから、姫さまはきっとスキルを習得されたのでしょう」

「そうかもしれません。ケン様とユリ様と別れてから、隠密行動しておりましたので」

「へぇー。孤児院の廃墟とやらに無事に着けた?」

「その事なんですが、孤児院だった廃墟は既に取り壊されていまして...空き家と思われるところを拠点にしております」

「空き家と思われるところって大丈夫?」

「分かりません、今から30分ほどしたら空き家に集合するよう伝えております。なので一度、空き家に向かいます」

姫さまの後ろを歩いている最中見かけるのは、家から外に出て魔人とドラゴンゾンビを見に門まで走っている姿。滑稽だな。

姫さまも俺と同じ考えなのか、口に出して呟いた。

「城壁の中にいた者たちは、何の疑いもせず、騎士たちの情報を信じているなんて...本当にバカですね」

その後は特に会話をすることなく歩き続け、空き家に到着する。
ボロボロな空き家だな、これは。隣の家もボロ屋、この辺り一帯がボロ屋だけど、もしかして。

「お気付きかと思いますが、ここはスラム街です。スラムの住人は強制連行されアンデットにされていると思われます」

「不衛生ですね。まだ森の中の方が空気が良いです」

「確かに、まだ森の中の方がマシだな。しかも、この家では全員寝れない可能性もあるし移動するしかないね」

「やはりそうなりますよね...身を隠せる場所と言っても他にありません。どういたしましょうか?」

「そうだなぁ、孤児院の地下って広いのか?」

「はい、この家より大きいです。元々、多くの者を引き取る為に建てられた場所ですので広いです」

「それなら今がチャンスだな。住人が門に集まっている状況で騒がしいし、全員集合したら孤児院の廃墟の瓦礫を退かして地下室でゆっくりしよう」

集合時間になってアルテさん達と合流し、孤児院の廃墟に向かう。

「ここが、例の孤児院かー。見事に瓦礫に埋もれてんな。ユリさん一部の瓦礫を矢で吹き飛ばしちゃって!残りの者は、近くに人がいないか警戒。見た感じ居ないと思うけど油断しないようにね」

ユリさん以外の者たち周囲の警戒へ。誰も居ないことを確認したのちユリさんのところに戻り、ユリさんの魔力付与された矢が放たれ瓦礫の山に穴があく。

「お見事、ユリさん!魔力の制御上手くなって、音があまり聞こえなかったよ」

「ふふふ、吹き飛ばすと大きい音が鳴ると思いまして消滅させました」

神業だよ、ユリさん。魔力を感知しない限り分からない矢とか怖いし、矢に当たったら消滅するとか...敵に回したくない。

「地下室まで案内お願いね」

アルテさんの後に続いて地下室に行く道を歩いて行く。最後尾には俺。ユリさんが開けた穴を再度瓦礫で塞ぎ、誰かが侵入した場合も想定して探知の魔法の道具を展開する。

「おおー、結構広いな!」

思っていた以上に地下室は大きく、造りが頑丈そうである。こんな地下室を放棄するなんて勿体無い。

「ケン様、ユリ様、メイドの3人は魔人によって殺されましたが、ここまで辿り着けたのはお二人のお陰です。本当にありがとうございます」

お礼とともに全員頭を下げる。

「どういたしまして。メイドの3人は必死になって戦ったんだろ?三姉妹の仇は必ずつけてやるから、今日はもう休もう。それに三姉妹が作った料理があるはずだし、それを食べて明日に備えよう。皆、お疲れ様でした」

姫さまも含めて全員泣き出すが、俺とユリさんは彼女たちに慰めの言葉を言わない。これが現実なのだから、受け止めるしかない。

明日に備えて、ご飯食べてクリーンの生活魔法かけて寝よう。良い一日になれば良いな



後書き

次回 聖剣
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