23 / 145
転移
第23話 どーも、スケルトンです
しおりを挟む
前書き
前回のあらすじ
主人公 ハルバードの訓練をする
本文
どーも、見張り兼訓練後にお風呂で汚れを落としているオッサンです。
この世界の石鹸を試してみたけど、あまり泡立ちがないね。仕方ないか、汚れさえ落ちればいいや。シャンプーとかは詰め替え用のパックがあるからまだいいけど...しっかり汚れが落ちて艶が出るものがこの世界にあるといいな。交易都市ではシャンプーは売っていなかった。薬草を粉末状にして植物性の油と水を混ぜ合わせて作ったものが主流らしい。
「なくなった時にまた考えればいいや。ふぅー、さっぱりしたな」
身体を拭き、着替えを済ました俺はお湯が入った樽の中に服や下着を入れる。
「ユリさーん、お風呂上がったよー。洗濯物、樽の中に入れてー」
「はーい、分かりました。ケンさん、数キロ先にスケルトンやゾンビが数百体をスマホで発見しました」
「簡単結果はどうだったー?」
「どの個体もLV10~15ぐらいですね」
偵察から戻ってきたユリさんから報告を受け、進路方向を確認する。
「こちらに向かっているの?」
「いえ、こちらから見て10時の方向に向かっています」
「なら、俺たちの取る行動は1つだな...」
「放置だね」
「放置ですね」
「ふふふ。今は翼竜との戦闘の疲れを癒さないと全力で行動出来ませんからね。それに...」
「ユリさんの言いたいことも分かるよ。俺たちの方へ向かってこないと言う事は、何処かの国もしくは何者かと戦闘があるだろうね。わざわざこっちから面倒事に関わる必要はない」
向き合って頷き合う。
よし、洗濯したら飯食って寝るとしますか。
「私は洗濯物をしますので、ケンさんは食事の準備をお願いしてもいいですか?」
「はいよ。今日、昼飯食べなかったから量多めで作るよ」
二手に分かれて作業を始める。
今日は、香草を肉に絡ませてサイコロステーキを大量に用意しようかな。あとは、いつも通りコンソメスープとパンでいいだろう。そういえば、この世界にもパスタがあったんだ!大量購入したから、今日の飯に用意するか。
「肉を炒めながら、鍋の水を沸騰させる...魔法が込められる魔石って凄い。小説とかでよくあるのがモンスターの心臓は魔石であるとかなんとか。実際、そんな事なかったし。モンスターの解体とか、絶対慣れる事はないだろうな」
肉を焼き、パスタを茹で、スープも同時進行で作る。パスタは、キノコとベーコンとチーズを一緒にして軽く炒めて...
ユリさんの作業が終わる頃には食事が出来上がる。
「うわぁ!今日も豪勢な料理ですね!パスタとか久々に食べます。ケンさんはなんでも出来て羨ましいです」
「なんでもは出来ないよ。出来ることなんて限られているさ。どうぞ召し上がれ」
食事を始める2人。
料理ぐらい誰でも出来るんじゃね?前の世界で散々言われたっけ...お前が出来てもこっちは出来ないんだから理解しろよって。仕事の時もそうだった。仕事が早いから仕事量が増える。同じ賃金なのに仕事量が違う事が理解出来なかったり、仕事を教えたら教えたで上から目線で話してくるとか陰口たたかれたりして精神的に参った。別になんでもは出来ない。やれば出来るようになるはずなのに、周りの人はそれをしない。どうして?どうして、俺が怒られないといけないの。どうして俺を目の敵にするの?
「ケンさん?どうしたんですか?顔が怖いですよ」
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事をしてた。たくさんあるからちゃんと全部食べてね、ユリさん」
「この量を完食したら動けなくなりそうです。今日はもう動かない予定ですか?」
「それは困る。腹八分目くらいに抑えといて。残ったら次の食事の際にも出すから保存しておくよ。今日は、休息をしてから夜中にスケルトンとゾンビの軍勢を追っていこうと思う。軍勢の先に街があれば、そこに立ち寄って奴隷商人が所持していた宝石類を売り捌く予定」
「その街がアンデットにならなければいいですけど...私たちが考えたところであの軍勢を全て倒せると思いませんし、どの国かは知りませんから別にどうなろうが関係ないですね」
「そうそう、俺たちには関係ないよ。助けられる命がそこにあるんだ!とか言われても義理がないから、どうでもいいよ」
偽善な行為は相手に不快な想いをさせる時だってある。世の中利害関係の方が上手くいく。ガンツに関しては、剣をもらった義理があったから被害を最小限にしたしね。
「私が偵察した時は、スマホで見える範囲で数百体でしたのでもっと数は多いと考えた方が良いかと」
「あとあれかな。そのスケルトンやらゾンビを使役している術者がいるだろうし、はぐれスケルトンを倒すぐらいにしてあとは傍観する感じ」
「ケンさん、今日は一緒に寝ますか?そしたら見張り時間の短縮が出来ますよ?」
「うーん、どんな危険があるか分からないから交代で睡眠を取ろう。さっきみたいに子鬼が結界内に侵入するかもしれないからね」
「残念ですが仕方ありません。食事の後、少し身体を動かしてから寝ますね」
「了解、今日は先に寝て。俺が後から寝るから」
食事が終わり、食器を片付ける。1時間ほど食休みしたのち、ユリさんは空歩の練習をする。イメージは空中に足場ができ、その足場を蹴って移動するような感じ。結構タイミングがシビアで慣れるまで時間がかかりそう。俺は、引き続きハルバードに慣れるため様々な体制から素振りしたり敵をイメージして素振りを行う。
「そろそろ、私は寝ますね。見張りよろしくお願いします。おやすみなさい」
「了解、何かあったら起こすよ。おやすみ」
魔法ばかりに頼らない戦闘を今後はしなくてはならない。だから、自力で訓練し実戦で使えるように素振りを続ける。
「はぁ、はぁ、はぁ。手の皮が剥けたか...治癒で治してもっと振らないと。試し斬りしたいけど、ユリさんが寝てるしあまり音を立てない方がいいだろうな。今思うと、ユリさんがいなかったら安心して睡眠の確保が出来なかったかも」
手を魔法で癒しながら、ユリさんが一緒にいる大切さを今更気づく俺。ユリさんには感謝だね。
「汗びっしょり。寝る前に身体拭いておこう」
チリッ
うん?今、結界が反応した?何者かが半径10メートル以内にいる。ユリさんを起こさないといけない。
「ユリさん、ユリさん起きて!結界が反応した。すぐ準備して」
チリッ、チリッ
まずい、複数反応がある。
「ユリさんの準備が終わるまで、この場は死守するからこの小さい家をマジックバックに閉まっておいてね」
家から出てすぐ周囲の気配を探る。ちっ、囲まれてやがる。それにしても妙だな。統率が取れた行動、すぐに仕掛けてこない。
「ケンさん、準備終わりました!お待たせしてすみません」
「大丈夫、まだ戦闘になっていない」
「ケンさん、私が警戒しておくのでスマホで鑑定お願い出来ますか?この暗闇の中だと視界が取れないです」
鑑定結果: 骨鬼 LV15
「マジかよ、骨鬼 LV15が俺たちを囲っている。木の上までは登ってこない事を祈って移動しよう。まだ十数体程だし、戦闘は回避して一旦ここから逃げよう」
俺たちは、木の枝の上に移動し、近くの木へ飛び移る。その繰り返しで骨鬼スケルトンから距離を取る。
「おいおい、こっちに向かってくるんだけど。どうなってんの、これ」
「アンデットは生者を襲う習性があります。術者が指示するまで襲ってこないと思います」
「それは、まずい。俺たちが生きている限り追われ続けるって事かよ?」
ドォォォンッ
うん?なんだあの光は?
「戦闘が始まったみたいだな。ちっ、無差別に襲うとかアホだろ。迷惑極まりないわ」
「私たちに向かってくる骨鬼も次は攻撃してくると思います」
「はぁ、俺、まだ寝てないしMPも回復してないんだけど。うわ、ぞろぞろとお出ましか。きっと、他のモンスターも襲われているだろうな」
周囲から、モンスターの声が聞こえる。
おいこら、木に登ってくるなよ。骨野郎ども。
「このまま、数が増えると厄介ですね。私たちも反撃に出ましょう」
「どんだけ数が居るんだよ。ったく、腹いせに駆逐してやんよ」
俺たちは木から飛び降り、骨鬼の胴体を斬り裂いていく。ユリさんはケツメイで応戦し、俺はハルバードで対処する。
弱い、弱すぎる。ボロボロの剣で襲いかかって来られても全く怖くない。数が多いのが面倒なだけで作業のようなもの。暗闇の中の戦闘だから月の明かりを頼りにしながらハルバードを振り続ける。
「ユリさん、この辺りの骨鬼を掃討出来たみたい。スマホで確認済み」
「寝起きの運動にしては中々キツいです... 骨鬼のそばで寝たくありませんし、どうしますか?」
「どこに行ってもモンスターとかに遭遇するだろうし、俺は骨鬼の死体の横でも寝るよ、3時間後に起こしてくれると助かる。スマホも預けておくから、よろしく頼むね」
俺は安物の天幕をはり、その中で寝袋に入って仮眠をとる。
周囲からモンスターの声やら戦闘音が聞こえてくるが全部無視...出来ねーよ!
寝れない日があるとは思っていたけど、これは中々キツいな。
「ユリさん、やっぱりうるさくて寝れそうにないから一緒に警戒しよ。出来れば木の枝の上で...」
「ケンさんが寝れるとは思っていませんでしたよ。ふふふ。私が支えているので少しでも目を瞑って休んでください」
「ありがとう、助かるよ。ふぁー、あー」
木を登り、太い枝に腰掛けユリさんが後ろから抱きしめて支える。
「えっ?ユリさん?どうしてこうなるの?」
「ふふふ、良いではありませんか。休める時に休まないと身体が持ちません。これは仕方ない行為です」
「お腹さするのやめてよね。貞操の危機を感じるから起きておくよ。だから離して?」
「ダメです!少しでも回復しておかないといけません!私は今、物凄く回復しています。すぅー」
俺の匂いを嗅ぐのもやめて...もういいや、疲れたし少し寝るかな。
早く、骨鬼たちを指揮している奴死んでくれないかな...
後書き
次回 戦争
前回のあらすじ
主人公 ハルバードの訓練をする
本文
どーも、見張り兼訓練後にお風呂で汚れを落としているオッサンです。
この世界の石鹸を試してみたけど、あまり泡立ちがないね。仕方ないか、汚れさえ落ちればいいや。シャンプーとかは詰め替え用のパックがあるからまだいいけど...しっかり汚れが落ちて艶が出るものがこの世界にあるといいな。交易都市ではシャンプーは売っていなかった。薬草を粉末状にして植物性の油と水を混ぜ合わせて作ったものが主流らしい。
「なくなった時にまた考えればいいや。ふぅー、さっぱりしたな」
身体を拭き、着替えを済ました俺はお湯が入った樽の中に服や下着を入れる。
「ユリさーん、お風呂上がったよー。洗濯物、樽の中に入れてー」
「はーい、分かりました。ケンさん、数キロ先にスケルトンやゾンビが数百体をスマホで発見しました」
「簡単結果はどうだったー?」
「どの個体もLV10~15ぐらいですね」
偵察から戻ってきたユリさんから報告を受け、進路方向を確認する。
「こちらに向かっているの?」
「いえ、こちらから見て10時の方向に向かっています」
「なら、俺たちの取る行動は1つだな...」
「放置だね」
「放置ですね」
「ふふふ。今は翼竜との戦闘の疲れを癒さないと全力で行動出来ませんからね。それに...」
「ユリさんの言いたいことも分かるよ。俺たちの方へ向かってこないと言う事は、何処かの国もしくは何者かと戦闘があるだろうね。わざわざこっちから面倒事に関わる必要はない」
向き合って頷き合う。
よし、洗濯したら飯食って寝るとしますか。
「私は洗濯物をしますので、ケンさんは食事の準備をお願いしてもいいですか?」
「はいよ。今日、昼飯食べなかったから量多めで作るよ」
二手に分かれて作業を始める。
今日は、香草を肉に絡ませてサイコロステーキを大量に用意しようかな。あとは、いつも通りコンソメスープとパンでいいだろう。そういえば、この世界にもパスタがあったんだ!大量購入したから、今日の飯に用意するか。
「肉を炒めながら、鍋の水を沸騰させる...魔法が込められる魔石って凄い。小説とかでよくあるのがモンスターの心臓は魔石であるとかなんとか。実際、そんな事なかったし。モンスターの解体とか、絶対慣れる事はないだろうな」
肉を焼き、パスタを茹で、スープも同時進行で作る。パスタは、キノコとベーコンとチーズを一緒にして軽く炒めて...
ユリさんの作業が終わる頃には食事が出来上がる。
「うわぁ!今日も豪勢な料理ですね!パスタとか久々に食べます。ケンさんはなんでも出来て羨ましいです」
「なんでもは出来ないよ。出来ることなんて限られているさ。どうぞ召し上がれ」
食事を始める2人。
料理ぐらい誰でも出来るんじゃね?前の世界で散々言われたっけ...お前が出来てもこっちは出来ないんだから理解しろよって。仕事の時もそうだった。仕事が早いから仕事量が増える。同じ賃金なのに仕事量が違う事が理解出来なかったり、仕事を教えたら教えたで上から目線で話してくるとか陰口たたかれたりして精神的に参った。別になんでもは出来ない。やれば出来るようになるはずなのに、周りの人はそれをしない。どうして?どうして、俺が怒られないといけないの。どうして俺を目の敵にするの?
「ケンさん?どうしたんですか?顔が怖いですよ」
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事をしてた。たくさんあるからちゃんと全部食べてね、ユリさん」
「この量を完食したら動けなくなりそうです。今日はもう動かない予定ですか?」
「それは困る。腹八分目くらいに抑えといて。残ったら次の食事の際にも出すから保存しておくよ。今日は、休息をしてから夜中にスケルトンとゾンビの軍勢を追っていこうと思う。軍勢の先に街があれば、そこに立ち寄って奴隷商人が所持していた宝石類を売り捌く予定」
「その街がアンデットにならなければいいですけど...私たちが考えたところであの軍勢を全て倒せると思いませんし、どの国かは知りませんから別にどうなろうが関係ないですね」
「そうそう、俺たちには関係ないよ。助けられる命がそこにあるんだ!とか言われても義理がないから、どうでもいいよ」
偽善な行為は相手に不快な想いをさせる時だってある。世の中利害関係の方が上手くいく。ガンツに関しては、剣をもらった義理があったから被害を最小限にしたしね。
「私が偵察した時は、スマホで見える範囲で数百体でしたのでもっと数は多いと考えた方が良いかと」
「あとあれかな。そのスケルトンやらゾンビを使役している術者がいるだろうし、はぐれスケルトンを倒すぐらいにしてあとは傍観する感じ」
「ケンさん、今日は一緒に寝ますか?そしたら見張り時間の短縮が出来ますよ?」
「うーん、どんな危険があるか分からないから交代で睡眠を取ろう。さっきみたいに子鬼が結界内に侵入するかもしれないからね」
「残念ですが仕方ありません。食事の後、少し身体を動かしてから寝ますね」
「了解、今日は先に寝て。俺が後から寝るから」
食事が終わり、食器を片付ける。1時間ほど食休みしたのち、ユリさんは空歩の練習をする。イメージは空中に足場ができ、その足場を蹴って移動するような感じ。結構タイミングがシビアで慣れるまで時間がかかりそう。俺は、引き続きハルバードに慣れるため様々な体制から素振りしたり敵をイメージして素振りを行う。
「そろそろ、私は寝ますね。見張りよろしくお願いします。おやすみなさい」
「了解、何かあったら起こすよ。おやすみ」
魔法ばかりに頼らない戦闘を今後はしなくてはならない。だから、自力で訓練し実戦で使えるように素振りを続ける。
「はぁ、はぁ、はぁ。手の皮が剥けたか...治癒で治してもっと振らないと。試し斬りしたいけど、ユリさんが寝てるしあまり音を立てない方がいいだろうな。今思うと、ユリさんがいなかったら安心して睡眠の確保が出来なかったかも」
手を魔法で癒しながら、ユリさんが一緒にいる大切さを今更気づく俺。ユリさんには感謝だね。
「汗びっしょり。寝る前に身体拭いておこう」
チリッ
うん?今、結界が反応した?何者かが半径10メートル以内にいる。ユリさんを起こさないといけない。
「ユリさん、ユリさん起きて!結界が反応した。すぐ準備して」
チリッ、チリッ
まずい、複数反応がある。
「ユリさんの準備が終わるまで、この場は死守するからこの小さい家をマジックバックに閉まっておいてね」
家から出てすぐ周囲の気配を探る。ちっ、囲まれてやがる。それにしても妙だな。統率が取れた行動、すぐに仕掛けてこない。
「ケンさん、準備終わりました!お待たせしてすみません」
「大丈夫、まだ戦闘になっていない」
「ケンさん、私が警戒しておくのでスマホで鑑定お願い出来ますか?この暗闇の中だと視界が取れないです」
鑑定結果: 骨鬼 LV15
「マジかよ、骨鬼 LV15が俺たちを囲っている。木の上までは登ってこない事を祈って移動しよう。まだ十数体程だし、戦闘は回避して一旦ここから逃げよう」
俺たちは、木の枝の上に移動し、近くの木へ飛び移る。その繰り返しで骨鬼スケルトンから距離を取る。
「おいおい、こっちに向かってくるんだけど。どうなってんの、これ」
「アンデットは生者を襲う習性があります。術者が指示するまで襲ってこないと思います」
「それは、まずい。俺たちが生きている限り追われ続けるって事かよ?」
ドォォォンッ
うん?なんだあの光は?
「戦闘が始まったみたいだな。ちっ、無差別に襲うとかアホだろ。迷惑極まりないわ」
「私たちに向かってくる骨鬼も次は攻撃してくると思います」
「はぁ、俺、まだ寝てないしMPも回復してないんだけど。うわ、ぞろぞろとお出ましか。きっと、他のモンスターも襲われているだろうな」
周囲から、モンスターの声が聞こえる。
おいこら、木に登ってくるなよ。骨野郎ども。
「このまま、数が増えると厄介ですね。私たちも反撃に出ましょう」
「どんだけ数が居るんだよ。ったく、腹いせに駆逐してやんよ」
俺たちは木から飛び降り、骨鬼の胴体を斬り裂いていく。ユリさんはケツメイで応戦し、俺はハルバードで対処する。
弱い、弱すぎる。ボロボロの剣で襲いかかって来られても全く怖くない。数が多いのが面倒なだけで作業のようなもの。暗闇の中の戦闘だから月の明かりを頼りにしながらハルバードを振り続ける。
「ユリさん、この辺りの骨鬼を掃討出来たみたい。スマホで確認済み」
「寝起きの運動にしては中々キツいです... 骨鬼のそばで寝たくありませんし、どうしますか?」
「どこに行ってもモンスターとかに遭遇するだろうし、俺は骨鬼の死体の横でも寝るよ、3時間後に起こしてくれると助かる。スマホも預けておくから、よろしく頼むね」
俺は安物の天幕をはり、その中で寝袋に入って仮眠をとる。
周囲からモンスターの声やら戦闘音が聞こえてくるが全部無視...出来ねーよ!
寝れない日があるとは思っていたけど、これは中々キツいな。
「ユリさん、やっぱりうるさくて寝れそうにないから一緒に警戒しよ。出来れば木の枝の上で...」
「ケンさんが寝れるとは思っていませんでしたよ。ふふふ。私が支えているので少しでも目を瞑って休んでください」
「ありがとう、助かるよ。ふぁー、あー」
木を登り、太い枝に腰掛けユリさんが後ろから抱きしめて支える。
「えっ?ユリさん?どうしてこうなるの?」
「ふふふ、良いではありませんか。休める時に休まないと身体が持ちません。これは仕方ない行為です」
「お腹さするのやめてよね。貞操の危機を感じるから起きておくよ。だから離して?」
「ダメです!少しでも回復しておかないといけません!私は今、物凄く回復しています。すぅー」
俺の匂いを嗅ぐのもやめて...もういいや、疲れたし少し寝るかな。
早く、骨鬼たちを指揮している奴死んでくれないかな...
後書き
次回 戦争
0
お気に入りに追加
1,062
あなたにおすすめの小説
アルゴノートのおんがえし
朝食ダンゴ
ファンタジー
『完結済!』【続編製作中!】
『アルゴノート』
そう呼ばれる者達が台頭し始めたのは、半世紀以上前のことである。
元来アルゴノートとは、自然や古代遺跡、ダンジョンと呼ばれる迷宮で採集や狩猟を行う者達の総称である。
彼らを侵略戦争の尖兵として登用したロードルシアは、その勢力を急速に拡大。
二度に渡る大侵略を経て、ロードルシアは大陸に覇を唱える一大帝国となった。
かつて英雄として名を馳せたアルゴノート。その名が持つ価値は、いつしか劣化の一途辿ることになる。
時は、記念すべき帝国歴五十年の佳節。
アルゴノートは、今や荒くれ者の代名詞と成り下がっていた。
『アルゴノート』の少年セスは、ひょんなことから貴族令嬢シルキィの護衛任務を引き受けることに。
典型的な貴族の例に漏れず大のアルゴノート嫌いであるシルキィはセスを邪険に扱うが、そんな彼女をセスは命懸けで守る決意をする。
シルキィのメイド、ティアを伴い帝都を目指す一行は、その道中で国家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれてしまう。
セスとシルキィに秘められた過去。
歴史の闇に葬られた亡国の怨恨。
容赦なく襲いかかる戦火。
ーー苦難に立ち向かえ。生きることは、戦いだ。
それぞれの運命が絡み合う本格派ファンタジー開幕。
苦難のなかには生きる人にこそ読んで頂きたい一作。
○表紙イラスト:119 様
※本作は他サイトにも投稿しております。
蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-
星井柚乃(旧名:星里有乃)
ファンタジー
旧タイトル『美少女ハーレムRPGの勇者に異世界転生したけど俺、女アレルギーなんだよね。』『アースプラネットクロニクル』
高校生の結崎イクトは、人気スマホRPG『蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-』のハーレム勇者として異世界転生してしまう。だが、イクトは女アレルギーという呪われし体質だ。しかも、与えられたチートスキルは女にモテまくる『モテチート』だった。
* 挿絵も作者本人が描いております。
* 2019年12月15日、作品完結しました。ありがとうございました。2019年12月22日時点で完結後のシークレットストーリーも更新済みです。
* 2019年12月22日投稿の同シリーズ後日談短編『元ハーレム勇者のおっさんですがSSランクなのにギルドから追放されました〜運命はオレを美少女ハーレムから解放してくれないようです〜』が最終話後の話とも取れますが、双方独立作品になるようにしたいと思っています。興味のある方は、投稿済みのそちらの作品もご覧になってください。最終話の展開でこのシリーズはラストと捉えていただいてもいいですし、読者様の好みで判断していただだけるようにする予定です。
この作品は小説家になろうにも投稿しております。カクヨムには第一部のみ投稿済みです。
僕のおつかい
麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。
東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。
少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。
彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。
そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※一話約1000文字前後に修正しました。
他サイト様にも投稿しています。
元四天王は貧乏令嬢の使用人 ~冤罪で国から追放された魔王軍四天王。貧乏貴族の令嬢に拾われ、使用人として働きます~
大豆茶
ファンタジー
『魔族』と『人間族』の国で二分された世界。
魔族を統べる王である魔王直属の配下である『魔王軍四天王』の一人である主人公アースは、ある事情から配下を持たずに活動しいていた。
しかし、そんなアースを疎ましく思った他の四天王から、魔王の死を切っ掛けに罪を被せられ殺されかけてしまう。
満身創痍のアースを救ったのは、人間族である辺境の地の貧乏貴族令嬢エレミア・リーフェルニアだった。
魔族領に戻っても命を狙われるだけ。
そう判断したアースは、身分を隠しリーフェルニア家で使用人として働くことに。
日々を過ごす中、アースの活躍と共にリーフェルニア領は目まぐるしい発展を遂げていくこととなる。
ゲームの世界に堕とされた開発者 ~異世界化した自作ゲームに閉じ込められたので、攻略してデバックルームを目指す~
白井よもぎ
ファンタジー
河井信也は会社帰りに、かつての親友である茂と再会する。
何年か振りの再会に、二人が思い出話に花を咲かせていると、茂は自分が神であると言い出してきた。
怪しい宗教はハマったのかと信也は警戒するが、茂は神であることを証明するように、自分が支配する異世界へと導いた。
そこは高校時代に二人で共同制作していた自作ゲームをそのまま異世界化させた世界だという。
驚くのも束の間、茂は有無を言わさず、その世界に信也を置いて去ってしまう。
そこで信也は、高校時代に喧嘩別れしたことを恨まれていたと知る。
異世界に置いてけぼりとなり、途方に暮れる信也だが、デバックルームの存在を思い出し、脱出の手立てを思いつく。
しかしデバックルームの場所は、最難関ダンジョン最奥の隠し部屋。
信也は異世界から脱出すべく、冒険者としてダンジョンの攻略を目指す。
筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~
九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。
ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。
そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。
しかも精霊の力に満たされた異世界。
さて…主人公の人生はどうなることやら。
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる