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序章
いつも通りの日常 3
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「起きて兄さん!」
朝から耳元で叫んでくるそいつの声で、僕は飛び起きる。
「うおあっ!びっくりしたぁ!」
僕は音羽に叩き起こされた。やめてくれ。心臓に悪い。僕はびっくりすることが嫌いである。
「頼むから耳元で叫ばないでくれ…心臓に悪い。僕が死んだらどうするんだ。」
「兄さんがそんなことで死なないのわかってるし起きない兄さんが悪いから。」
キッパリと僕の意見を否定する音羽。もう少しくらい情というものを持ち合わせても良くない?
「あぁ、うちの妹がこんなにも無情だなんて。お兄ちゃん悲しいよ。妹がひどい。こんなの不条理だ。」
僕はこの世の不条理を叫ぶ。
「ふざけたこと言ってないで降りてきてね~。ご飯できてるから。」
「ご飯?行く行く。」
ご飯いずGODである。この世の全てはご飯が解決してくれる。腹が減っては戦はできぬ。というだろう?そういうことだよ。
朝ごはんは普通のメニューで、焼き魚に白ごはん、味噌汁だった。
「いただきます!」
「お粗末さま。」
「いやだからまだ食べ終わってないって…」
このくだりを何回したのか、僕は覚えていないが、そんなことはどうでも良い。今は飯だ。ズズズと音を立てて味噌汁を啜る。
「うむ。朝から美味い飯。拙者は幸せでござる。」
「朝からこんな美味しいご飯を作ってあげる私って優しいよね。」
「あぁ。最高の女だ。結婚してくれ。」
「ごめんなさい。私たち兄弟だから。」
笑顔で振ってくる僕の妹、音羽。やだ、この子怖い。
「あのだな。振られた側の気持ちって考えたことあるのか?」
「逆に聞くけどあると思うの?」
「おぉう。」
口から変な声が漏れた。背筋が凍った。音羽がこれほどまでに冷酷な女王だとは思わなんだ。だから僕は硬直しながらも焼き魚を口いっぱいに頬張った。
「………美味い…」
美味かった。体は恐怖していても舌は誤魔化せなかった。
「どうもっ!」
笑顔で答えてくれる音羽。その笑顔が怖いんだけど!と、そんなことを考えていると、飯を食い終わる。僕はテレビをつけてのんびりと支度を開始する。
「後片付けくらい自分でしてよね…」
テーブルの方から音羽がぼやく声がしたが、気のせいだろう。無視しても平気なはずだ。だから僕はソファにどっかりと腰をかける。
「音羽~、お茶注いで~。」
「自分でやって欲しいんだけど。」
音羽は実兄である僕の頼みを断ってソファに座った。
「僕兄。お前妹。」
「私奴隷じゃない。奴隷は兄さん。」
「あれ?うちの妹ってどこに行ったんだっけ?なんか寂しいな。」
心にポッカリと穴が開いてしまった。うちの妹はこんなことを言わないはずだ。
「おかしいな~。音羽の将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんだったはずなんだけどな~。」
「何年前の話をしてんの?普通にキモいんだけど…」
ナチュラルに引かれたんだけど。普通に泣きそうなんだけど。……あれ?目から汗が…
「な、なんで泣いてんの…」
音羽が困惑している。僕だって困惑している。音羽に邪険に扱われた。自殺案件である。
「なぁ、僕今から首を吊ってこようと思うんだ。」
「兄さん、できもしない理想を言わない方がいいよ。」
「……ごめんなさい。」
平謝りした。妹に謝る僕ってもしかしてとてつもなく、ハイパーミラクルダサかったりする?嫌だ考えたくない!
「僕は学校に行く!」
「急に叫ばないでよ…」
それを朝耳元で叫んできたやつが言うな!と僕は思ったが、これ以上何か言うと飯を抜かれそうだったのでやめた。
僕は急いで着替えて支度を済ませた。制服に着替え、マフラーを装備する。最近はマフラーがなくては生きていけない。ホットドリンクが切実に欲しい。そう思う人間も多いだろう。
「行ってきます!」
僕はそう叫んだ。すると後ろから行ってらっしゃいと聞こえた。だから僕は玄関を開けて、外に出たら。するとそこには
「おはよう!秀!」
音羽に続き頭に響く元気な声が聞こえた。全く、朝から元気なのは音羽だけで十分なのに…
「おはよ、汐恩。」
家の前にいたのは漣汐恩(さざなみしおん)。なぜか僕のことが大好きすぎるやつ2号である。ちなみに1号はいるが、最近は会えていない。
「なぁ、別に毎日迎えに来なくても良いって言った気がするんだけど。」
僕は謎だった。僕のことが大好きなのはわかるが、なんで朝早くから迎えに来るとか言う精神力を持っているのだろう。普通は無理である。好きな人だからと言っていつもより1時間くらい早く家を出てわざわざ離れた相手の家まで迎えに行く。僕にはできっこない芸当である。
「私が好きだから迎えに来てるんだよ。何回も言ってるでしょ?」
「いやまぁ、そんなんだけど…朝辛くないのか?」
「秀が生きてれば辛くなんてないから。」
真顔でそんなことを言う汐恩。いや、真顔でそんなこと言わないで?なんか怖いから。
「そ、そうかそうか。よかったじゃないかぁ。」
恐怖を少し感じて僕は萎縮する。
「何に恐怖してんのよ。私はいつも通りでしょ?」
「いや~。いつもの如く愛が重いっ!」
愛が重いんだよこいつは。あなたがいなくなるのなら死ぬからとか普通に言うぞこいつ。
「私にとって秀は生きる意味だからねっ!」
笑顔でそんなことを言われてしまっては変に反論できない。
「そういえば…」
すると突然話題を変えてくる汐恩。
「今日単語テストあるけど平気そ?」
「フハハハハ。じゃあ尋ねるが、僕が平気だと思ったのか?いや、平気なわけがないだろうっ!」
「そこ威張れるところじゃないわよ。」
「ほんと、ダサいからやめた方がいいぞ。」
「自分で自分に突っ込んで悲しくならないのかしら。」
「めっちゃ悲しいです。」
めっちゃ虚しくなった。てか、こいついきなり辛辣じゃね?辛いぴえん。
朝から耳元で叫んでくるそいつの声で、僕は飛び起きる。
「うおあっ!びっくりしたぁ!」
僕は音羽に叩き起こされた。やめてくれ。心臓に悪い。僕はびっくりすることが嫌いである。
「頼むから耳元で叫ばないでくれ…心臓に悪い。僕が死んだらどうするんだ。」
「兄さんがそんなことで死なないのわかってるし起きない兄さんが悪いから。」
キッパリと僕の意見を否定する音羽。もう少しくらい情というものを持ち合わせても良くない?
「あぁ、うちの妹がこんなにも無情だなんて。お兄ちゃん悲しいよ。妹がひどい。こんなの不条理だ。」
僕はこの世の不条理を叫ぶ。
「ふざけたこと言ってないで降りてきてね~。ご飯できてるから。」
「ご飯?行く行く。」
ご飯いずGODである。この世の全てはご飯が解決してくれる。腹が減っては戦はできぬ。というだろう?そういうことだよ。
朝ごはんは普通のメニューで、焼き魚に白ごはん、味噌汁だった。
「いただきます!」
「お粗末さま。」
「いやだからまだ食べ終わってないって…」
このくだりを何回したのか、僕は覚えていないが、そんなことはどうでも良い。今は飯だ。ズズズと音を立てて味噌汁を啜る。
「うむ。朝から美味い飯。拙者は幸せでござる。」
「朝からこんな美味しいご飯を作ってあげる私って優しいよね。」
「あぁ。最高の女だ。結婚してくれ。」
「ごめんなさい。私たち兄弟だから。」
笑顔で振ってくる僕の妹、音羽。やだ、この子怖い。
「あのだな。振られた側の気持ちって考えたことあるのか?」
「逆に聞くけどあると思うの?」
「おぉう。」
口から変な声が漏れた。背筋が凍った。音羽がこれほどまでに冷酷な女王だとは思わなんだ。だから僕は硬直しながらも焼き魚を口いっぱいに頬張った。
「………美味い…」
美味かった。体は恐怖していても舌は誤魔化せなかった。
「どうもっ!」
笑顔で答えてくれる音羽。その笑顔が怖いんだけど!と、そんなことを考えていると、飯を食い終わる。僕はテレビをつけてのんびりと支度を開始する。
「後片付けくらい自分でしてよね…」
テーブルの方から音羽がぼやく声がしたが、気のせいだろう。無視しても平気なはずだ。だから僕はソファにどっかりと腰をかける。
「音羽~、お茶注いで~。」
「自分でやって欲しいんだけど。」
音羽は実兄である僕の頼みを断ってソファに座った。
「僕兄。お前妹。」
「私奴隷じゃない。奴隷は兄さん。」
「あれ?うちの妹ってどこに行ったんだっけ?なんか寂しいな。」
心にポッカリと穴が開いてしまった。うちの妹はこんなことを言わないはずだ。
「おかしいな~。音羽の将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんだったはずなんだけどな~。」
「何年前の話をしてんの?普通にキモいんだけど…」
ナチュラルに引かれたんだけど。普通に泣きそうなんだけど。……あれ?目から汗が…
「な、なんで泣いてんの…」
音羽が困惑している。僕だって困惑している。音羽に邪険に扱われた。自殺案件である。
「なぁ、僕今から首を吊ってこようと思うんだ。」
「兄さん、できもしない理想を言わない方がいいよ。」
「……ごめんなさい。」
平謝りした。妹に謝る僕ってもしかしてとてつもなく、ハイパーミラクルダサかったりする?嫌だ考えたくない!
「僕は学校に行く!」
「急に叫ばないでよ…」
それを朝耳元で叫んできたやつが言うな!と僕は思ったが、これ以上何か言うと飯を抜かれそうだったのでやめた。
僕は急いで着替えて支度を済ませた。制服に着替え、マフラーを装備する。最近はマフラーがなくては生きていけない。ホットドリンクが切実に欲しい。そう思う人間も多いだろう。
「行ってきます!」
僕はそう叫んだ。すると後ろから行ってらっしゃいと聞こえた。だから僕は玄関を開けて、外に出たら。するとそこには
「おはよう!秀!」
音羽に続き頭に響く元気な声が聞こえた。全く、朝から元気なのは音羽だけで十分なのに…
「おはよ、汐恩。」
家の前にいたのは漣汐恩(さざなみしおん)。なぜか僕のことが大好きすぎるやつ2号である。ちなみに1号はいるが、最近は会えていない。
「なぁ、別に毎日迎えに来なくても良いって言った気がするんだけど。」
僕は謎だった。僕のことが大好きなのはわかるが、なんで朝早くから迎えに来るとか言う精神力を持っているのだろう。普通は無理である。好きな人だからと言っていつもより1時間くらい早く家を出てわざわざ離れた相手の家まで迎えに行く。僕にはできっこない芸当である。
「私が好きだから迎えに来てるんだよ。何回も言ってるでしょ?」
「いやまぁ、そんなんだけど…朝辛くないのか?」
「秀が生きてれば辛くなんてないから。」
真顔でそんなことを言う汐恩。いや、真顔でそんなこと言わないで?なんか怖いから。
「そ、そうかそうか。よかったじゃないかぁ。」
恐怖を少し感じて僕は萎縮する。
「何に恐怖してんのよ。私はいつも通りでしょ?」
「いや~。いつもの如く愛が重いっ!」
愛が重いんだよこいつは。あなたがいなくなるのなら死ぬからとか普通に言うぞこいつ。
「私にとって秀は生きる意味だからねっ!」
笑顔でそんなことを言われてしまっては変に反論できない。
「そういえば…」
すると突然話題を変えてくる汐恩。
「今日単語テストあるけど平気そ?」
「フハハハハ。じゃあ尋ねるが、僕が平気だと思ったのか?いや、平気なわけがないだろうっ!」
「そこ威張れるところじゃないわよ。」
「ほんと、ダサいからやめた方がいいぞ。」
「自分で自分に突っ込んで悲しくならないのかしら。」
「めっちゃ悲しいです。」
めっちゃ虚しくなった。てか、こいついきなり辛辣じゃね?辛いぴえん。
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