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番外編 謁見

番外編1 謁見

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 これはギルド内パーティー戦直後の話である。

 俺等疾風の矢ハヤテは、ギルド内パーティー戦にて優勝した。
 その特典として大金の授与と王様との謁見兼食事会がある。
 そのため俺らは王城まで来ているのだが。

 緊張のせいかみなガチガチに固まっていた。
 「どうしよう、王様に失礼があったら処刑されちゃう……」
 「大丈夫だエミリー、きっと」
 「そういうシュウ君も緊張してるよね」
 「ユリアも」
 「メルだってそうだろ?」

 そう。全員緊張している。

 貴族組は過去に親に連れられ会うことはあっても主賓として王様との食事会をしたことはないためだ。貴族ではないユリアは特にひどく緊張しているだろう。

 しばらくすると燕尾服を着た初老の男性が部屋に入ってきた。
 「お待たせいたしました、疾風の矢の皆さま。お食事の準備ができましたのでご案内いたします」
 と丁寧なお辞儀の後に男性は言った。

 俺たちは男性の後に続いて食事会の会場についた。
 そこは広いテーブルがあり、白いクロスの上にはきれいな花ときれいに並べられた皿があった。
 壁側には4人のメイドがたっていた。

 「では、これからの説明を行いますのでおかけになってください」
 そう燕尾服は言うとメイドが一斉にこちらに来て席まで案内された。
 全員が座ったことを確認し、燕尾服が再び話し始める。

 「改めまして、優勝者の疾風の矢の皆さま、お越しいただきまして、誠にありがとうございます」
 言葉の後に一礼するとメイドたちも一礼し、「ありがとうございます」と言った。

 「此度のお食事会に関して、皆様はお客様として招いております。しかし、王に対しての失礼はあってはなりませぬ。これに当たって、何点か注意をお願いしたく存じます」

 そのあとマナー等々を教えられたわけだが、ノーラとユリア以外は貴族の出であるため、基本的に身に着いていたマナーであった。
 ノーラとユリアもそこそこものになった時点で王様が入ってきた。

 燕尾服に教わった通りに開会を済ませ、席に着いた。
 「パーティー「疾風の矢」、優勝おめでとう、今年はとても高い水準の試合を見ることができて朕は満足しておる。とてもよかった、ありがとう」
 王は40代くらいでとても若かった。
 王は強い。戦いが好きで、戦うのも戦いを見るのも好きであるという。

 また文武両道と名高く、王政や槍術にたけている。
 世には賢王と呼ばれ尊敬されてる立派な王だ。

 「これからの疾風の矢の成長と国の発展を願って、乾杯」
 グラスを高々に上げる王にあわせ俺達もグラスを持ち上げた。
 「「「乾杯」」」
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