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明けの明星と呼ばれる武器に関するざっくりとしたメモ【落書き付き】
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RPGや中世風異世界ファンタジー物でよく、
「刃物を持ってはいけない」
という信仰上の掟がある僧侶系の方がお使いになる武器といえば、メイス|(鎚矛)かフレイル|(連接棍棒)のような殴打系の柄物、ということになります。
で、そうなると見た目が強そうなこともあって描かれることが多いのが「モーニングスター」と呼ばれる武器でしょう。
さて、モーニングスターと聞いて、
こういう(ガ○ダムハンマーっぽい)形状の武器を想像する人が多いかと存じます。
しかし、どうもコレ、厳密にはモーニングスターとは呼ばないらしいのです。
こちらは分類するならフレイル|(連接棍棒)の発展系ということになります。
フレイルは、長い竿の先に金具や鎖で稼働する短い棒を取り付けて、振り回して叩くことで麦や豆なんかを脱穀する農具の殻竿|(唐竿とも)が原型です。
たとえ農具であっても、棒きれで叩けかれれば痛いですよね。それも、遠心力でぐるっと回ってくる棒ですから、とても痛いでしょう。
となれば、これで戦おうという思想が成されて当然です。
そして「穀類を叩く稼働する短い棒」の部分を硬い金属にしたり棘をつけたりして攻撃力を上げようという考えに至るのも、また必然です。
こうして農具が|(殺傷能力を強化された上で)武器に転用されたわけです、多分。
で。
実際に上掲イラストのような「棘付き鉄球」をぶん回す形態のもの使用されたかどうか……実は不明だというのです。
どうにも「強そうに見える飾り物」だった可能性もある、ということのようです。
(いや、実際「強い武器として用いられていた」という可能性もある……という両論併記で逃げを打つ)
さて、上掲のような|(ガ○ダムハンマーっぽい)形状のものがモーニングスターでないとするなら、本来のモーニングスタートはどんな物であったのか、というお話になります。
こんなんです。
棒の先に棘付きの鉄の塊を取り付けた物、です。
英語でモーニングスター(morning star)、ドイツ語でモルゲンシュテルン(Morgenstern)。
13~4世紀ごろのドイツで生まれたこの武器は、第一次世界大戦頃まで現役で働いていたといいます。
なにしろ、銃や大砲や爆弾のように攻撃時に大きな音がしませんから、塹壕戦で大活躍だったとのこと。
さて、こちらのモーニングスターは、棍棒の発展系であるメイス|(鎚矛)のさらなる発展系です。
先ほど「農具だって叩けば痛い」と申し上げましたが、タダの棒きれだって叩けば痛い訳です。
棒で叩くと痛い|(棍棒)→叩くとこを硬くしたり重くしたらもっと痛い|(メイス)→トゲトゲつけたらスゴイ痛い|(モーニングスター)
という進化の末に、この形の武器になったのでしょう。
さて、モーニングスターには「聖なる水を散布する物――ホーリーウォータースプリンクラー」という愛称|(?)があります。
これは、
「敵の相手の頭をぶん殴ると、【聖なる水|(つまり『血液』)】がまき散らされる」
というブラックなジョークなのでありました。
いやぁ、戦争って怖いですね……。
「刃物を持ってはいけない」
という信仰上の掟がある僧侶系の方がお使いになる武器といえば、メイス|(鎚矛)かフレイル|(連接棍棒)のような殴打系の柄物、ということになります。
で、そうなると見た目が強そうなこともあって描かれることが多いのが「モーニングスター」と呼ばれる武器でしょう。
さて、モーニングスターと聞いて、
こういう(ガ○ダムハンマーっぽい)形状の武器を想像する人が多いかと存じます。
しかし、どうもコレ、厳密にはモーニングスターとは呼ばないらしいのです。
こちらは分類するならフレイル|(連接棍棒)の発展系ということになります。
フレイルは、長い竿の先に金具や鎖で稼働する短い棒を取り付けて、振り回して叩くことで麦や豆なんかを脱穀する農具の殻竿|(唐竿とも)が原型です。
たとえ農具であっても、棒きれで叩けかれれば痛いですよね。それも、遠心力でぐるっと回ってくる棒ですから、とても痛いでしょう。
となれば、これで戦おうという思想が成されて当然です。
そして「穀類を叩く稼働する短い棒」の部分を硬い金属にしたり棘をつけたりして攻撃力を上げようという考えに至るのも、また必然です。
こうして農具が|(殺傷能力を強化された上で)武器に転用されたわけです、多分。
で。
実際に上掲イラストのような「棘付き鉄球」をぶん回す形態のもの使用されたかどうか……実は不明だというのです。
どうにも「強そうに見える飾り物」だった可能性もある、ということのようです。
(いや、実際「強い武器として用いられていた」という可能性もある……という両論併記で逃げを打つ)
さて、上掲のような|(ガ○ダムハンマーっぽい)形状のものがモーニングスターでないとするなら、本来のモーニングスタートはどんな物であったのか、というお話になります。
こんなんです。
棒の先に棘付きの鉄の塊を取り付けた物、です。
英語でモーニングスター(morning star)、ドイツ語でモルゲンシュテルン(Morgenstern)。
13~4世紀ごろのドイツで生まれたこの武器は、第一次世界大戦頃まで現役で働いていたといいます。
なにしろ、銃や大砲や爆弾のように攻撃時に大きな音がしませんから、塹壕戦で大活躍だったとのこと。
さて、こちらのモーニングスターは、棍棒の発展系であるメイス|(鎚矛)のさらなる発展系です。
先ほど「農具だって叩けば痛い」と申し上げましたが、タダの棒きれだって叩けば痛い訳です。
棒で叩くと痛い|(棍棒)→叩くとこを硬くしたり重くしたらもっと痛い|(メイス)→トゲトゲつけたらスゴイ痛い|(モーニングスター)
という進化の末に、この形の武器になったのでしょう。
さて、モーニングスターには「聖なる水を散布する物――ホーリーウォータースプリンクラー」という愛称|(?)があります。
これは、
「敵の相手の頭をぶん殴ると、【聖なる水|(つまり『血液』)】がまき散らされる」
というブラックなジョークなのでありました。
いやぁ、戦争って怖いですね……。
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