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謀攻篇 第三
謀攻篇その1・攻城戦はマジでオススメしないっす。
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いや、オレ思うんですけどね。
戦争で一番オイシイ勝ち方っていうのは、相手の国力を全然消耗させないで、まるっとゲットしちゃうことなんじゃなかろうか、って。
戦う前とか、戦い初めてもホントの序盤のウチに、相手の軍隊を無傷で降参させちゃうのがベストで、全滅させちゃったら意味が無いんじゃないかなーって。思いません?
旅団は全体をまるっと降参させちゃう方がよくて、コレ壊滅させちゃったらだめ。
百人ぐらいのチームも、そのまんま降伏させるのがよくて、撃破しちゃうのはマズイ。
五人ぐらいの人達が固まってきたら、五人全員をそっくり仲間にしちゃうのがよくて、この人達を蹴散らしちゃ巧くない。
はい、とても大切なコトなので、五回ぐらい似たようなことを繰り返して言いました、っと。
つまり、相手の国土や国民や軍隊や財産やなんやかんやが、戦争のせいでボロボロになっちゃってたら、せっかくこっちが勝ってそういうのを手に入れたそしても、お徳感が薄れちゃいませんか、ってことですよ。
たまにいるじゃないですか、百戦百勝とかいって、自慢しちゃう人。
俺なんかに言わせて頂ければ、百回戦って百回とも相手ボコりました、なんてのは、実はベスト・オブ・ベストじゃあないンですよ。ぶっちゃけ、そんなもの自慢になりゃしない。
じゃあ、どういうのがいいのか、って話になりますよね、当然。
一番善いのは、こっちが拳骨振り回すまでもなく、相手の人たちに「ゴメンナサイ」させちゃうこと。
だってそうでしょ? 自分もパンチしなくてイイから痛くないし、相手もボコられてないから痛くないですもんね。これなら損するところが一つも無いじゃあーりませんか。
ベストなのは、武力行使なんかしちゃう前に、向こうが企んでること先取りして防いじゃうこと。これも素敵なやり方でしょ?
そんで、そういう素晴らしい状態に持って行くってのが、王様と外交担当のお仕事ですね。外交は口舌の段階でもう戦争っすから。
ベターなのは、向こうが仲良くしてる人とこっちがもっと仲良くなっちゃって、向こうをボッチにさせちゃうこと。
援軍頼んでもだれも入ってくれない、って状況になったてのが判っちゃえば、フツーに頭の良い王様や大臣さんなら、大体はこっちの言うことを聞いてくれちゃいます。
それでもだめなら、もう仕様が無い。こっちから軍隊を動かして、相手チームを叩く。徹底的に。こっちから打って出て、相手チームが「ゴメンナサイ」って土下座するまで、ボコボコに攻撃する。
あ、でも打って出るって言ったって、いきなり相手の城に攻め込んじゃうのは、ハッキリ言ってお勧めできないなぁ。それって最後の最後の手段ですよ。本ッ当に他の方法が一個もないときに、仕方なくやるヤツ。
いや真面目な話、城攻めだけはやらない方が良いんです。いや、真面目で。ガチで。駄目、絶対。
何で駄目かっていうと、手間&暇&お金がガッツリ掛かっちゃうから。
いやいやいやいや、本当に面倒くさいんですよ、城攻めって。面倒な上に、あんまりお得な結果にはならないと来てます。
お城を落とすには、こっちも櫓組んだり、轒轀持ってきたり、工具とか機械とか用意したりしなきゃ行けないじゃないですか。そういうの、ちゃんと準備したら……そう大体三ヶ月ぐらいかかっちゃう計算ですよ。
そうやって準備が出来たら、地盤工事するんですけどね。相手のお城の近くまで行って、塹壕掘ったり、土塁盛ったりするでしょ? で、これも三ヶ月ぐらい必要になるわけですよ。
三ヶ月+三ヶ月で、合計六ヶ月ですよ、実際に戦闘に入る前に。
そうやって半年がかりで準備しないとダメなんだけど、偶に待ちきれない短気な現場の将軍さんがイラついちゃって、よく理解ってもないのに、
「兵は拙速を(以下略)!」
みたいな生半可なこと言い出しちゃったりするんですわ。
そいで、何の作戦もなく攻め込んで、兵隊さんたちに城壁よじ登らせよう、なんて無茶なことをやるんですよ。
そういうの、専門用語で「蟻附」ってんですよ。アリンコがお砂糖に群がるみたいなやつってことです。統率も何もない、割とカッコ悪い攻め方ですよ。
城方にとっては、
「確変大チャンス、キタコレ!」
ってやつで、バンバン狙い撃ちしちゃうでしょ。
石落としーの、矢の雨降らせーの、お湯ブチ撒けーの。
あ、酷いトコだと、お湯じゃなくっておかゆの熱いヤツ浴びせてきたりするんですよ、あいつら。
あれベトベト張り付いて剥がせないもんだから、大やけどの範囲がスゴク広くなっちゃうんですよ。冷めちゃってもベタ付く上にツルッツル滑るし。
あとは、汚い話ですけど……排泄物、可愛く言うとウンコとかオシッコね。アレをアツアツに湧かして撒きやがったりんですよ。熱いわ、臭いわ、病気になるわで、ホントに悲惨なことになるんですって、これが!
攻め手のほうからすれば 城壁クライミング中で右にも左にも上にも下にも逃げようがないってのに……。酷いことすると思いません? マジ極悪。
……え? それ俺がやられた経験談かって? それ、訊いちゃいますか? ノーコメントですけど。
それはともかく。
こういう案配の防御を取られると、兵隊の三十三%は殺されちゃいます。ええ、三人に一人は死ぬんですよ。
三人に一人死んだ上に、絶対に城を落とせないんです。
何故言い切れる勝って? そりゃ考えてもみて下さいよ。兵力が、つまりは攻撃力が三分の一減ってるんですよ? そんなやり方じゃ絶対に無理でしょ。ムチャですよ、その状態で戦争続けちゃうの。
こういう状態で死んじゃった三分の一の兵隊さんたち、これ、向こうの城兵に殺られちゃったってーよりは、味方の、つまりはムチャな作戦取っちゃった駄目な将軍に殺されちゃった感じ、しません? それマジ、浮かばれないですよねー。
だからほら、城攻めなんて基本損しかないじゃないですか。いきなり城攻めなんて戦い方は、絶対やっちゃダメっすよ。いやホントに。
これ、何が言いたいかってコトですけども。
戦争が上手な将軍って言うのは、ドンパチだけややって敵を倒したりして勝つんじゃないンす。
城だってこっちから攻撃仕掛けて「落城」させるんじゃないんですよ、これが。
敵の国を倒すのに、そんな無駄な時間をかけない。それが賢い将軍のやり方です。
兵力なんか使わずに、全部、まるっと、パパッと頂戴しちゃう方法で天辺取っちゃうんですよ。
そうすれば、兵隊さんは疲れないし、こっちの損はこれっぽっちもない。
そういう「謀攻の法」っていうやつ、つまり「頭使って作戦勝ち」を狙っていきましょーよ。
そこで、戦争する時の基本のキなんですけども……軽く「算数」しますよ。
自分のチームに敵のチームよりも十倍ぐらいの兵力が――兵隊の数とか、兵器の数とか、あとぶっちゃけ戦費とか、全部ひっくるめたパワーですね――それくらいパワフルに力の差があったらどうしたら良いでしょうか?
答えは、敵をぐるっと囲んじゃう。
敵さんチームのお城とか陣地とかを、兵隊さんも戦車も兵器もずらずら並べて、取り囲んじゃうんです。
敵さんチームから見たら、周り全部が強そうな敵ばっか、ってなるでしょ?
そりゃ戦意なんかガリガリ削れちゃいますよね? 撃って出ようなんて気にならないですよね? あっさり降参しちゃいますよね? でしょ? でしょ?
そうなれば、こっちは何の損失もなく、痛いこともなく、その上、敵さんの持ってる「全然減ってない兵力」も、ごっそりこっちのモノですよ。
イケてるでしょ?
十倍まで行かないけど五倍ぐらいは兵力差があるかなぁ、って時は、思い切りどーんと攻め込んじゃう。
あ、でもですね、コレも実際に斬った貼ったするために出陣しちゃうんじゃないんですよ。
怖がらせちゃうの。
だって、五倍も多い敵が向かってきたら、大体は、戦う前か、ちょっと戦ったぐらいで諦めて白旗上げちゃうじゃないですか……よっぽどの莫迦じゃ無い限りは。万一、よっぽどの莫迦だった場合は、五倍の兵力差ってヤツを見せつけて差し上げれば良いだけなんですけどね。
いやいや五倍も無いかな? 大体二倍ぐらいかなーって時。
そういうときは、手を出すんじゃなくて、手を回しちゃうんです。
つまり、向こうの仲間内とかお友達関係をチョキっと分断しちゃう。
本国とか別動部隊や何かとの連絡とか、同盟してる他の国との行き来とかを、妨害しちゃうんですよ。
そうすれば、仲間のまとまりがないわ、お友達も頼れないわ、って状態で、戦争する気にはならなくないですか?
兵数ではイーブンかな、なんてことだったら戦っちゃってもいいかな……。
あ、勿論、こっちから向こうのお城や陣地に攻め込むンじゃなくて、相手をこっちが有利に戦える場所まで引っ張り出して戦うんですよ。
で、戦うとなったら、そりゃもう目一杯頑張る、と。
よくよく考えたら、こっちの兵力のがちょい少ないぞ、ってときは、キッパリ逃げましょう。
だって向こうの方が強いってコトですからね。勝てないですもん。勝てない戦争をふっかけちゃ駄目です。
モチ、逃げた後でこっちの体勢を立て直して、も一遍、作戦を練り直しましょう、って事で。
もしも、コレ絶対向こうのが強いよねーってなっちゃってたとしたら、そんなときは戦おうなんてこれっぽっちも考えちゃダメっすよ。全力で回避。
何があっても戦争は避けちゃって、こっちの国力を減らさずに済む方法を考えましょうよ。
大体、兵員が少なくて弱っちいチームが、イキッて強がってみせたって無駄ですもん。
どう足掻いたって、頭数が多くて強いチームには敵わないでしょ。
もしそんな状態でこっちから戦争仕掛けちゃったとしたら、兵隊も将軍も、それからお国の王様も、捕まっちゃってお終い、ですもン。
戦争で一番オイシイ勝ち方っていうのは、相手の国力を全然消耗させないで、まるっとゲットしちゃうことなんじゃなかろうか、って。
戦う前とか、戦い初めてもホントの序盤のウチに、相手の軍隊を無傷で降参させちゃうのがベストで、全滅させちゃったら意味が無いんじゃないかなーって。思いません?
旅団は全体をまるっと降参させちゃう方がよくて、コレ壊滅させちゃったらだめ。
百人ぐらいのチームも、そのまんま降伏させるのがよくて、撃破しちゃうのはマズイ。
五人ぐらいの人達が固まってきたら、五人全員をそっくり仲間にしちゃうのがよくて、この人達を蹴散らしちゃ巧くない。
はい、とても大切なコトなので、五回ぐらい似たようなことを繰り返して言いました、っと。
つまり、相手の国土や国民や軍隊や財産やなんやかんやが、戦争のせいでボロボロになっちゃってたら、せっかくこっちが勝ってそういうのを手に入れたそしても、お徳感が薄れちゃいませんか、ってことですよ。
たまにいるじゃないですか、百戦百勝とかいって、自慢しちゃう人。
俺なんかに言わせて頂ければ、百回戦って百回とも相手ボコりました、なんてのは、実はベスト・オブ・ベストじゃあないンですよ。ぶっちゃけ、そんなもの自慢になりゃしない。
じゃあ、どういうのがいいのか、って話になりますよね、当然。
一番善いのは、こっちが拳骨振り回すまでもなく、相手の人たちに「ゴメンナサイ」させちゃうこと。
だってそうでしょ? 自分もパンチしなくてイイから痛くないし、相手もボコられてないから痛くないですもんね。これなら損するところが一つも無いじゃあーりませんか。
ベストなのは、武力行使なんかしちゃう前に、向こうが企んでること先取りして防いじゃうこと。これも素敵なやり方でしょ?
そんで、そういう素晴らしい状態に持って行くってのが、王様と外交担当のお仕事ですね。外交は口舌の段階でもう戦争っすから。
ベターなのは、向こうが仲良くしてる人とこっちがもっと仲良くなっちゃって、向こうをボッチにさせちゃうこと。
援軍頼んでもだれも入ってくれない、って状況になったてのが判っちゃえば、フツーに頭の良い王様や大臣さんなら、大体はこっちの言うことを聞いてくれちゃいます。
それでもだめなら、もう仕様が無い。こっちから軍隊を動かして、相手チームを叩く。徹底的に。こっちから打って出て、相手チームが「ゴメンナサイ」って土下座するまで、ボコボコに攻撃する。
あ、でも打って出るって言ったって、いきなり相手の城に攻め込んじゃうのは、ハッキリ言ってお勧めできないなぁ。それって最後の最後の手段ですよ。本ッ当に他の方法が一個もないときに、仕方なくやるヤツ。
いや真面目な話、城攻めだけはやらない方が良いんです。いや、真面目で。ガチで。駄目、絶対。
何で駄目かっていうと、手間&暇&お金がガッツリ掛かっちゃうから。
いやいやいやいや、本当に面倒くさいんですよ、城攻めって。面倒な上に、あんまりお得な結果にはならないと来てます。
お城を落とすには、こっちも櫓組んだり、轒轀持ってきたり、工具とか機械とか用意したりしなきゃ行けないじゃないですか。そういうの、ちゃんと準備したら……そう大体三ヶ月ぐらいかかっちゃう計算ですよ。
そうやって準備が出来たら、地盤工事するんですけどね。相手のお城の近くまで行って、塹壕掘ったり、土塁盛ったりするでしょ? で、これも三ヶ月ぐらい必要になるわけですよ。
三ヶ月+三ヶ月で、合計六ヶ月ですよ、実際に戦闘に入る前に。
そうやって半年がかりで準備しないとダメなんだけど、偶に待ちきれない短気な現場の将軍さんがイラついちゃって、よく理解ってもないのに、
「兵は拙速を(以下略)!」
みたいな生半可なこと言い出しちゃったりするんですわ。
そいで、何の作戦もなく攻め込んで、兵隊さんたちに城壁よじ登らせよう、なんて無茶なことをやるんですよ。
そういうの、専門用語で「蟻附」ってんですよ。アリンコがお砂糖に群がるみたいなやつってことです。統率も何もない、割とカッコ悪い攻め方ですよ。
城方にとっては、
「確変大チャンス、キタコレ!」
ってやつで、バンバン狙い撃ちしちゃうでしょ。
石落としーの、矢の雨降らせーの、お湯ブチ撒けーの。
あ、酷いトコだと、お湯じゃなくっておかゆの熱いヤツ浴びせてきたりするんですよ、あいつら。
あれベトベト張り付いて剥がせないもんだから、大やけどの範囲がスゴク広くなっちゃうんですよ。冷めちゃってもベタ付く上にツルッツル滑るし。
あとは、汚い話ですけど……排泄物、可愛く言うとウンコとかオシッコね。アレをアツアツに湧かして撒きやがったりんですよ。熱いわ、臭いわ、病気になるわで、ホントに悲惨なことになるんですって、これが!
攻め手のほうからすれば 城壁クライミング中で右にも左にも上にも下にも逃げようがないってのに……。酷いことすると思いません? マジ極悪。
……え? それ俺がやられた経験談かって? それ、訊いちゃいますか? ノーコメントですけど。
それはともかく。
こういう案配の防御を取られると、兵隊の三十三%は殺されちゃいます。ええ、三人に一人は死ぬんですよ。
三人に一人死んだ上に、絶対に城を落とせないんです。
何故言い切れる勝って? そりゃ考えてもみて下さいよ。兵力が、つまりは攻撃力が三分の一減ってるんですよ? そんなやり方じゃ絶対に無理でしょ。ムチャですよ、その状態で戦争続けちゃうの。
こういう状態で死んじゃった三分の一の兵隊さんたち、これ、向こうの城兵に殺られちゃったってーよりは、味方の、つまりはムチャな作戦取っちゃった駄目な将軍に殺されちゃった感じ、しません? それマジ、浮かばれないですよねー。
だからほら、城攻めなんて基本損しかないじゃないですか。いきなり城攻めなんて戦い方は、絶対やっちゃダメっすよ。いやホントに。
これ、何が言いたいかってコトですけども。
戦争が上手な将軍って言うのは、ドンパチだけややって敵を倒したりして勝つんじゃないンす。
城だってこっちから攻撃仕掛けて「落城」させるんじゃないんですよ、これが。
敵の国を倒すのに、そんな無駄な時間をかけない。それが賢い将軍のやり方です。
兵力なんか使わずに、全部、まるっと、パパッと頂戴しちゃう方法で天辺取っちゃうんですよ。
そうすれば、兵隊さんは疲れないし、こっちの損はこれっぽっちもない。
そういう「謀攻の法」っていうやつ、つまり「頭使って作戦勝ち」を狙っていきましょーよ。
そこで、戦争する時の基本のキなんですけども……軽く「算数」しますよ。
自分のチームに敵のチームよりも十倍ぐらいの兵力が――兵隊の数とか、兵器の数とか、あとぶっちゃけ戦費とか、全部ひっくるめたパワーですね――それくらいパワフルに力の差があったらどうしたら良いでしょうか?
答えは、敵をぐるっと囲んじゃう。
敵さんチームのお城とか陣地とかを、兵隊さんも戦車も兵器もずらずら並べて、取り囲んじゃうんです。
敵さんチームから見たら、周り全部が強そうな敵ばっか、ってなるでしょ?
そりゃ戦意なんかガリガリ削れちゃいますよね? 撃って出ようなんて気にならないですよね? あっさり降参しちゃいますよね? でしょ? でしょ?
そうなれば、こっちは何の損失もなく、痛いこともなく、その上、敵さんの持ってる「全然減ってない兵力」も、ごっそりこっちのモノですよ。
イケてるでしょ?
十倍まで行かないけど五倍ぐらいは兵力差があるかなぁ、って時は、思い切りどーんと攻め込んじゃう。
あ、でもですね、コレも実際に斬った貼ったするために出陣しちゃうんじゃないんですよ。
怖がらせちゃうの。
だって、五倍も多い敵が向かってきたら、大体は、戦う前か、ちょっと戦ったぐらいで諦めて白旗上げちゃうじゃないですか……よっぽどの莫迦じゃ無い限りは。万一、よっぽどの莫迦だった場合は、五倍の兵力差ってヤツを見せつけて差し上げれば良いだけなんですけどね。
いやいや五倍も無いかな? 大体二倍ぐらいかなーって時。
そういうときは、手を出すんじゃなくて、手を回しちゃうんです。
つまり、向こうの仲間内とかお友達関係をチョキっと分断しちゃう。
本国とか別動部隊や何かとの連絡とか、同盟してる他の国との行き来とかを、妨害しちゃうんですよ。
そうすれば、仲間のまとまりがないわ、お友達も頼れないわ、って状態で、戦争する気にはならなくないですか?
兵数ではイーブンかな、なんてことだったら戦っちゃってもいいかな……。
あ、勿論、こっちから向こうのお城や陣地に攻め込むンじゃなくて、相手をこっちが有利に戦える場所まで引っ張り出して戦うんですよ。
で、戦うとなったら、そりゃもう目一杯頑張る、と。
よくよく考えたら、こっちの兵力のがちょい少ないぞ、ってときは、キッパリ逃げましょう。
だって向こうの方が強いってコトですからね。勝てないですもん。勝てない戦争をふっかけちゃ駄目です。
モチ、逃げた後でこっちの体勢を立て直して、も一遍、作戦を練り直しましょう、って事で。
もしも、コレ絶対向こうのが強いよねーってなっちゃってたとしたら、そんなときは戦おうなんてこれっぽっちも考えちゃダメっすよ。全力で回避。
何があっても戦争は避けちゃって、こっちの国力を減らさずに済む方法を考えましょうよ。
大体、兵員が少なくて弱っちいチームが、イキッて強がってみせたって無駄ですもん。
どう足掻いたって、頭数が多くて強いチームには敵わないでしょ。
もしそんな状態でこっちから戦争仕掛けちゃったとしたら、兵隊も将軍も、それからお国の王様も、捕まっちゃってお終い、ですもン。
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