私の理想の異世界チート

８５．恨めしそう

ギガトロスさんは 人差し指を高級等ポーションに向け、これでもかと目を見開いて、口もパクパクさせている…

『ギガトロスさん。鑑定して、期限無しになったの見たのかな？

目玉が零れ落ちそうで、口もパクパクと魚みたいだなぁー』

「ふふっ あはははっ その通りだね。

はぁー  僕の番殿は、やっぱり規格外だねぇ♪」

「はあぁぁぁぁぁ。
あいつのせいで こんな良品を掴み損ねるなんてーーー！！

いつも人は見かけじゃ無いって、言ってるのによぉー

俺の面目丸潰れで、今後の取引にも繋げられる筈だった、上客を逃がしちまうなんてぇーーーーー」

ギガトロスさん 頭を掻きむしっている…

『怒りで口調がさっきとちがうよ…
こっちが素かな？？』


コンコンコンコンッ！
その時、タイミングが良いのか悪いのか…
ギガトロスさんの部屋の扉をノックする音がした。

「なんだっ！」

ドアの外から…
「メディナです。ガンストを連れて来ました。」

「はぁー
分かった。入れ！」

ガチャッ…
「失礼します。組合長に言われていた通り、ガンストを落ち着かせて連れて来ました。」

メディナさんは、頭を抱える組合長とメディナさんの後ろを睨むエドを見て、自分はこの場に居たくないと思ったのだろう…

「……それでは私は 受付の窓口へ帰らせて頂きます。」

ガンストを部屋の中に押しやると、すぐさま扉を閉めて去って行った。

部屋の中に押しやられたガンスト…

「……………す…すいませんでした…………」

「はぁー！
お前のせいで、上客を逃がしちまったよ！
だから 常々 人は見かけじゃ無いって言ってただろーがぁ！！」

犬獣人のガンストは、犬耳をペタンっと伏せ しっぽを股下にクルンッと巻き付けて 俯き 震えて居る。


「……エド。
ギガトロスさんとの話し合いは終わってるの？」

「ああ。終わって お茶にしようと思った時くらいに 下に降りたんだ。」

「じゃあ ここには もう用は無いよね？
街で買い物してみたいな♪」

「そうだね。用事も終わったし、デートしようか♪」

「うんっ！」


「では ギガトロス組合長、我々はこれで失礼するよ。」

机の上の高級等ポーションを、さっさかバックにしまいますよ！

ギガトロスさんが、恨めしそうに高級等ポーションを見つめて居たが、完全にスルーしましたよ！

『恨むなら その職員を恨んでねー』

エドと２人で ギガトロスさんの部屋を後にし 階下に降りると、宴会中の冒険者達が静まり こちらを見るので 私は…

「あっあの…お騒がせしました。
助けようとして下さった方 ありがとうございました。」
と謝罪と感謝を述べた。

すると 先程受付の男性から、助けようとしてくれた冒険者達は、笑いながら手を振ってくれた。

受付の窓口のお姉さんにも、ペコリっと頭を下げておいた。

お姉さんも椅子から立ち上がって頭を下げてくれた。