私の理想の異世界チート

４３．狡い

「っっ？？！！！！！
はあぁぁぁぁぁぁ？？！！！」

ギロッ！っとエドを睨む。

「ちょっっ！ちょっと待ってミユっ！
あのっ！あのっ！
婚約者って言っても、番のミユが現れたから、城に着いたら速攻で婚約破棄するからっ！！」

いやいやっ！エドは、こう言ってるけど……
女の勘が言ってます！
この婚約者達って、ただの婚約者じゃないってっ！

この神野 望結３６年間生きてきて、伊達に男の浮気で苦しんできた訳じゃないっ！
きっと この３人の婚約者とは、エドは身体の関係がある……

目を据わらせて 口元は優しく微笑んで…
「エドラフェイルクさん。その３人の婚約者様とは、身体の関係がおあり？！ ﾆｯｺﾘ」

エドがビックリして、目を見開いてます。

「た…確かに…！
い…１度はお試ししたかも…しれないけれど…たぶん……」

『しどろもどろに言ってんじゃねーよっ！』

「ちゃんと答えて下さるかしら？

それとも、問答無用に家から追い出されたいのかしら？ ﾆｯｺﾘ」

「っ…３人共に１回は いたしたと思う……」

私の胸の中は、モヤモヤっとしたり ジュクジュクと痛み、大嵐が襲ってきたように荒れ狂う…

ソファーから立ち上がり、エドを押し退けようとしても、全然びくともしないので、傍らをすり抜けて、リビングのソファーから 猛ダッシュして、寝室に飛び込んで扉を勢いよく閉めて、水の魔法で最強に強固な結界魔法を寝室全体に張った。

ベットに俯せに飛び乗り、大声を出して泣いた…

『分かってるっ！私に出会う前の事だって分かってるっ！ これからは、私だけだってのも分かってるっ！けどっ！！』

頭では理解しているのに、心は嫉妬に荒れ狂う。

『エドの昔の女達に嫉妬したってどうしようもない事は分かってるっ！
でも、狡いじゃんかっ！

だってっ！だって…私の前の男に、エドが嫉妬したとしても、顔を見る事も会う事も絶対にないのにっ！

私だけ！私だけ…エドの過去なのに 今から直接 見て触れる事になる！ 

そんなの狡い！ 不公平だ……

私ばっかり苦しまないといけないの…？』


寝室の結界の外では、エドがどうにかして声を伝えようと、結界を外から叩いたり、大声を出して望結を呼んだりしていたが、一向に望結は姿を現さない。
結界が強くて 中の様子が分からなくて、望結が泣いて居るのか、怒って居るのかさえ分からない。


どのくらい時間が経っただろうか…
窓の外は、朝の木漏れ日から夕暮れの空へと色を変えている。

おもむろに 寝室の扉が、ガチャリっと内側に開く。

そこから望結が、帯剣して出て来て 何かを決意した表情をしている。

「ミ…ミユ…？！」

望結はエドを一瞥して、顔を背け ツカツカと家の玄関に向かい歩き出す。

エドは望結の態度にショックを受けたが、今は自分の事よりも望結をどうにかしなければと、すぐさま追いかけ 玄関で望結が靴を履く前に捕まえた。