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2・王都(ロゼ視点)
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数日後。
私は1人で王都に来ていた。
もちろん村と王都は離れていて、徒歩と乗合馬車で丸2日かかる。
一応両親に王都行きの許可を取ろうとしたけれど、許してもらえなかったので、自室に置手紙を残して家出同然に無断でやって来た。
でもこれはヒロインの座を取り戻すために必要なことなのよ。
初めて来た王都で何とか目的地を目指す。
目的地は王城―ではなく、中央教会。
ゲーム通りなら、中央教会に夕方ごろ行けば、『彼』がいるはずだ。
私が数日前訪れた、町の古びた教会とは比べ物にならない立派な教会。
中に入ると、広々とした礼拝堂に、木製の長椅子がずらっと並んでいる。
窓から夕陽が差し込みオレンジ色に染まった室内の最奥、祭壇の前で一人の青年が神に祈りを捧げていた。
「あの…」
小声で話しかけると、彼が振り返った。
雲のように白い髪と空色の瞳。
あどけなさが残る優しい顔立ち。
攻略キャラの1人、神官のリュソーだ。
「なんでしょう?」
首をかしげるリュソーにおずおずとした感じで尋ねる。
「私、今日初めてこの教会に来た者なのですが、私も祭壇の前で祈ってもいいでしょうか…?」
「もちろんです。教会で祈るのに、何の資格も条件も要りませんよ」
「ありがとうございます、では…」
明るく即答したリュソーの左側に立ち、胸の前で両手の指を組み、祈りの姿勢を取る。
リュソーに私の右手の甲が見えるように。
「ん…?…ちょっと!君!」
「きゃっ!」
狙い通り、私の手の甲のアザに気付いたリュソーが私の手を取り、私は驚いて声を上げたふりをした。
「あ、ごめんなさい、いきなり手を摑んで。でも、この手のアザ…」
「このアザが何なんですか?」
知ってるけどあえて聞く。
「この紋様のアザは、聖女の証なんだ…」
「私が聖女…?そんな…まさか…」
そう!私がこの国の聖女!この世界のヒロインよ!
私はそのまま教会から王城に連れていかれた。
しばらく城に留まり、魔力などの確認をされるらしい。
その間の宿泊用に、豪華な部屋に案内される。
事情説明を書いた手紙も、私の家に出してもらった。
今日はもう遅いので、全ては明日からだ。
明日から、なるべく早くラック王子を攻略しなきゃ。
そして偽聖女を追い出すわよ!
次の日。
神官のおじいさんたちに指示され、魔力を確認する水晶に私の力を注ぐと、水晶は柔らかく輝く白銀の光を発した。
神官達が「おぉ…」と喜びの声を上げどよめく。
「この光は聖女の証…」
でしょ?
「間違いない」
そうよ、私こそがこの国の聖女。
「ロゼ殿もスルス様と同じく、聖女の力を持っているのか」
…ちょっと待って。
だから、私が本物の聖女で、そのスルスっていうのは偽物なんだってば!
…ダメダメ私、今、何の証拠も無くそんな事言ったら、狼藉者としてお城を追い出されちゃう。
ちゃんと情報収集して、証拠をつかんでからにしないと。
「あの…」
私はか弱い美少女らしく、おずおずと声を出す。
「聖女って同時に2人いる事があるのでしょうか?私ずっと、聖女は一世代に1人だと思っていたのですが…」
フム、と神官が頷く。
「確かにロゼ殿の言う通り、聖女は一世代につき1人。聖女の死によって、次の新しい聖女が現れる、というのが通例です」
「聖女が高齢になり、死期が近付くと、次の聖女の手に紋様が浮かぶ、という、現在のロゼ殿と似た例は過去にありましたが…」
「しかしスルス様は年若く、体も至って健康。いやはや、なぜ2人目の聖女が現れたのか私達にも皆目見当がつきません」
「そう、ですか…」
リュソーに付き添われ、水晶の部屋から自分の部屋に戻る。
「ねえ、リュソーさん。スルス様ってどんな方なんですか?」
スルスが偽聖女であることを暴き、城から追い出し、私が聖女の座に就くため、彼からも情報収集しないと。
リュソーは可愛い顔をニコニコさせながら
「素晴らしい方ですよ」
と即答した。
スルスへの誉め言葉にイラっとするが、落ち着いて、私。
リュソーも騙されてるのよ。
ゲームでもリュソーは、神様と、その力を行使する聖女に心酔しているキャラだったじゃない。
リュソールートのバッドエンドは、ヒロインへの恋心と神への信仰心の板挟みになって、どちらか片方は選べなかった彼が行方不明になるエンド。
それくらい信仰心が強いキャラですもの。
本物の聖女だと信じていたら、評価も甘くなるわよ。
イライラを抑えて、もっと踏み込む。
「その、スルス様の性格とか、能力とか、外見とか…」
「性格は、僕達と同世代なのにとても落ち着いていて、聡明な方です。
能力は、結界や聖水の力で国を守り支えてくださっています。
外見は、ロゼ殿と同じくらいの背格好で、濃紺の豊かな髪をお持ちです」
「そうなんですね…あの、一度お会いして色々お話を聞かせてもらいたいのですが、お会いできるでしょうか?」
「勿論です。祈りの祠で聖女のお務めをしていることが多いのですが、近いうちに―」
「おーい!リュソー!」
話している私達の後ろから、誰かが大声でリュソーを呼んだ。
リュソーも私も後ろを振り返る。
…あの人は…!
「おや、ラック王子」
そう、リュソーの言う通り。
このゲームの攻略キャラの1人、ラック王子。
鮮やかな青い髪と瞳、快活そうな笑顔。
ゲームのスチル通りの外見だ。
ん…?
ラック王子の後ろにもう1人。
暗い紺色のモサモサした髪の女の子がいる。
もしかして。
「あの、リュソーさん、あの方達はもしかして」
「えぇ、この国の第一王子ラック王子と、聖女スルス様です」
「…まぁ、もうお会いできるなんて」
2人はこちらにやって来た。
「もう1人、聖女が現れたと聞いてな。俺達も1度顔を見てみたかったのだ」
ラック王子は眩しいほどの満面の笑みを見せる。
ゲーム通り、明るく真っ直ぐな性格のようだ。
正直、明るいけど考え無しでちょっとおバカなこの王子は再推しキャラではなかった。
でもいいわ。
なんてったって王子様だし。
それに、ゲームではシナリオが進むにつれて王族としての自覚や思慮が芽生えるキャラだった。
私がゲーム通りに導いてあげるわ。
そして私は聖女として、王太子妃としてこの世界のヒロインになるの。
きっとそう難しくはないわね。
なんてったって、私はヒロインらしい透明感のある美少女だ。
それに比べて…。
私はラック王子の後ろにいる偽聖女スルスを改めて観察する。
不健康そうな青白い肌。
伸ばしっぱなしにしているような長いぼさぼさの暗い紺色の髪。
長い前髪から覗く目は、何か大きな不安や悩みでもあるかのようにどんよりしている。
…あぁ、本物の聖女が現れたから、聖女の座を取り返されるのが怖いのね。
私がラック王子の立場なら、こんな暗い女より、可憐な私を選ぶ。
すぐに私の全てを取り返してやるわ!
私は1人で王都に来ていた。
もちろん村と王都は離れていて、徒歩と乗合馬車で丸2日かかる。
一応両親に王都行きの許可を取ろうとしたけれど、許してもらえなかったので、自室に置手紙を残して家出同然に無断でやって来た。
でもこれはヒロインの座を取り戻すために必要なことなのよ。
初めて来た王都で何とか目的地を目指す。
目的地は王城―ではなく、中央教会。
ゲーム通りなら、中央教会に夕方ごろ行けば、『彼』がいるはずだ。
私が数日前訪れた、町の古びた教会とは比べ物にならない立派な教会。
中に入ると、広々とした礼拝堂に、木製の長椅子がずらっと並んでいる。
窓から夕陽が差し込みオレンジ色に染まった室内の最奥、祭壇の前で一人の青年が神に祈りを捧げていた。
「あの…」
小声で話しかけると、彼が振り返った。
雲のように白い髪と空色の瞳。
あどけなさが残る優しい顔立ち。
攻略キャラの1人、神官のリュソーだ。
「なんでしょう?」
首をかしげるリュソーにおずおずとした感じで尋ねる。
「私、今日初めてこの教会に来た者なのですが、私も祭壇の前で祈ってもいいでしょうか…?」
「もちろんです。教会で祈るのに、何の資格も条件も要りませんよ」
「ありがとうございます、では…」
明るく即答したリュソーの左側に立ち、胸の前で両手の指を組み、祈りの姿勢を取る。
リュソーに私の右手の甲が見えるように。
「ん…?…ちょっと!君!」
「きゃっ!」
狙い通り、私の手の甲のアザに気付いたリュソーが私の手を取り、私は驚いて声を上げたふりをした。
「あ、ごめんなさい、いきなり手を摑んで。でも、この手のアザ…」
「このアザが何なんですか?」
知ってるけどあえて聞く。
「この紋様のアザは、聖女の証なんだ…」
「私が聖女…?そんな…まさか…」
そう!私がこの国の聖女!この世界のヒロインよ!
私はそのまま教会から王城に連れていかれた。
しばらく城に留まり、魔力などの確認をされるらしい。
その間の宿泊用に、豪華な部屋に案内される。
事情説明を書いた手紙も、私の家に出してもらった。
今日はもう遅いので、全ては明日からだ。
明日から、なるべく早くラック王子を攻略しなきゃ。
そして偽聖女を追い出すわよ!
次の日。
神官のおじいさんたちに指示され、魔力を確認する水晶に私の力を注ぐと、水晶は柔らかく輝く白銀の光を発した。
神官達が「おぉ…」と喜びの声を上げどよめく。
「この光は聖女の証…」
でしょ?
「間違いない」
そうよ、私こそがこの国の聖女。
「ロゼ殿もスルス様と同じく、聖女の力を持っているのか」
…ちょっと待って。
だから、私が本物の聖女で、そのスルスっていうのは偽物なんだってば!
…ダメダメ私、今、何の証拠も無くそんな事言ったら、狼藉者としてお城を追い出されちゃう。
ちゃんと情報収集して、証拠をつかんでからにしないと。
「あの…」
私はか弱い美少女らしく、おずおずと声を出す。
「聖女って同時に2人いる事があるのでしょうか?私ずっと、聖女は一世代に1人だと思っていたのですが…」
フム、と神官が頷く。
「確かにロゼ殿の言う通り、聖女は一世代につき1人。聖女の死によって、次の新しい聖女が現れる、というのが通例です」
「聖女が高齢になり、死期が近付くと、次の聖女の手に紋様が浮かぶ、という、現在のロゼ殿と似た例は過去にありましたが…」
「しかしスルス様は年若く、体も至って健康。いやはや、なぜ2人目の聖女が現れたのか私達にも皆目見当がつきません」
「そう、ですか…」
リュソーに付き添われ、水晶の部屋から自分の部屋に戻る。
「ねえ、リュソーさん。スルス様ってどんな方なんですか?」
スルスが偽聖女であることを暴き、城から追い出し、私が聖女の座に就くため、彼からも情報収集しないと。
リュソーは可愛い顔をニコニコさせながら
「素晴らしい方ですよ」
と即答した。
スルスへの誉め言葉にイラっとするが、落ち着いて、私。
リュソーも騙されてるのよ。
ゲームでもリュソーは、神様と、その力を行使する聖女に心酔しているキャラだったじゃない。
リュソールートのバッドエンドは、ヒロインへの恋心と神への信仰心の板挟みになって、どちらか片方は選べなかった彼が行方不明になるエンド。
それくらい信仰心が強いキャラですもの。
本物の聖女だと信じていたら、評価も甘くなるわよ。
イライラを抑えて、もっと踏み込む。
「その、スルス様の性格とか、能力とか、外見とか…」
「性格は、僕達と同世代なのにとても落ち着いていて、聡明な方です。
能力は、結界や聖水の力で国を守り支えてくださっています。
外見は、ロゼ殿と同じくらいの背格好で、濃紺の豊かな髪をお持ちです」
「そうなんですね…あの、一度お会いして色々お話を聞かせてもらいたいのですが、お会いできるでしょうか?」
「勿論です。祈りの祠で聖女のお務めをしていることが多いのですが、近いうちに―」
「おーい!リュソー!」
話している私達の後ろから、誰かが大声でリュソーを呼んだ。
リュソーも私も後ろを振り返る。
…あの人は…!
「おや、ラック王子」
そう、リュソーの言う通り。
このゲームの攻略キャラの1人、ラック王子。
鮮やかな青い髪と瞳、快活そうな笑顔。
ゲームのスチル通りの外見だ。
ん…?
ラック王子の後ろにもう1人。
暗い紺色のモサモサした髪の女の子がいる。
もしかして。
「あの、リュソーさん、あの方達はもしかして」
「えぇ、この国の第一王子ラック王子と、聖女スルス様です」
「…まぁ、もうお会いできるなんて」
2人はこちらにやって来た。
「もう1人、聖女が現れたと聞いてな。俺達も1度顔を見てみたかったのだ」
ラック王子は眩しいほどの満面の笑みを見せる。
ゲーム通り、明るく真っ直ぐな性格のようだ。
正直、明るいけど考え無しでちょっとおバカなこの王子は再推しキャラではなかった。
でもいいわ。
なんてったって王子様だし。
それに、ゲームではシナリオが進むにつれて王族としての自覚や思慮が芽生えるキャラだった。
私がゲーム通りに導いてあげるわ。
そして私は聖女として、王太子妃としてこの世界のヒロインになるの。
きっとそう難しくはないわね。
なんてったって、私はヒロインらしい透明感のある美少女だ。
それに比べて…。
私はラック王子の後ろにいる偽聖女スルスを改めて観察する。
不健康そうな青白い肌。
伸ばしっぱなしにしているような長いぼさぼさの暗い紺色の髪。
長い前髪から覗く目は、何か大きな不安や悩みでもあるかのようにどんよりしている。
…あぁ、本物の聖女が現れたから、聖女の座を取り返されるのが怖いのね。
私がラック王子の立場なら、こんな暗い女より、可憐な私を選ぶ。
すぐに私の全てを取り返してやるわ!
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