稀有ってホメてる?

紙吹雪

文字の大きさ
上 下
68 / 96
第1章 出会い

増えるもの減るもの #5

しおりを挟む
ジャックの称号の最後を見て欲しい。
クライのつがい
あーうん。(察し
魔獣のクライに人族の番が現れるとは思ってなかった。
恋愛対象タイプじゃない、と拒否られなくて良かった。

これは連れていかないとクライが使い物にならなくなる可能性がある。
ギルレイに更に一人追加を連絡し、苦笑しつつジャックもパーティに入れると皆に告げる。



『パーティ申請してくなら説明しておくが?』

「うん。頼む。俺、全くパーティの仕組み知らないんだ」

ルシノから教えて貰ったのは以下の通り。

1.パーティで依頼を受けるとき、誰がその依頼に参加するのかを依頼受付時に届け出る必要がある。
2.1の届け出がない場合、登録パーティメンバー全員での依頼と見なす。
3.依頼の報酬は1や2のメンバーで山分けとなる。
4.パーティの作成はメンバー全員の合意が必要だが脱退にはこの限りでない。
5.パーティ内でのトラブル及びパーティ間のトラブルについてやむを得ない場合に限りギルドが口を出すこともある。
6.1つのパーティの基本上限は6人。
7.その他不明な点があればその都度ギルドマスターに聞くこと。

『大まかな内容はこんなもんだな。細々とした決まりはギルドのルールを参考にしてくれ』

「わかった」

『ならパーティ申請したら今度こそ飯行くぞ』



お昼を食べに行ったらルシノが『大人数をお前が養うのは大変だろ?今回は奢られとけ』と男前な発言をしてくれたのでお言葉に甘えることにした。
するとそれを聞いた皆が『全く考えてなかった。ごめんリミル(君)』というので少し遠い目になった。
ジャックだけは『俺は一応稼いではいるからパーティのために1部だけど負担するよ』と言ってくれた。

宿代はギルレイやルシノのおかげで浮くがご飯代はいつまでも甘える訳には行かない。
そのため、ジャックにはクライの2人分とジャックの分、合わせて3人分を負担してもらい、アキリム、ニーナ、クロトとリミルの4人分をリミルが負担することにした。
3人が自分達の生活分を稼げるようになるまでは。



昼食が済み、1度ルシノの家に帰った。
流石に5人もクライの背中には乗れないのでリミルの転移でギルレイの家に帰ることにしたのだが、今のままだとリミル達の部屋に出ることになるため、ホームポイントを変更する必要があった。

「依頼の完了とかすることがあるから少し遅くなるかもだが皆ここで待っててくれ。この街に用事があるなら一応済ませといた方が良いかもな」

『僕は家族に報告してこようかな。暫く帰らないだろうし』

『俺も色々報告してこないとな…』

ジャックはそういってクライを見る。
番についてとパーティについてですね。

『観光したかったけど自分で稼いでからにする』

「俺も観光したかった。今度また来ような」



一人でギルレイの家に帰る。

ギルレイに会い事情は夜にでもゆっくりと言って増築の説明をしてもらいホームポイントの場所を部屋の中から庭に変更した。

ギルレイの家はダイニングが外に向かって拡張され、10人が広々座れるスペースになっていた。
その向こう側に新たなリビングがギルレイの家のリビングと向かい合う形で存在しており、リビングとリビングの間は小さな中庭になっている。
門から見て新リビングの奥ダイニングから見て新リビング左手に大きな浴室が造られている。何人かで使うことを前提としているらしく脱衣所も広い。
その新リビングと新浴室の隣を通る通路を挟む形で3つの客室があり、2階には6つの客室があった。

リビングと新リビングの間の中庭にホームポイントを設置し直し、一度ノフテス近くの森に転移した。
預けたままだった馬を引き取り、ギルレイの家の中庭に転移で帰宅。
その後ギルドに向かい依頼の品と馬を全て納品すると今度はリンドの森に向かう。

転移ポイントとして新たに前の拠点辺りを記憶すると庭園へ赴いた。



ココ最近、人との関わりが急激に増えてリミルは疲れていた。
一人で落ち着く時間が欲しかった。

「はぁ。疲れた。ここだけが唯一一人で落ち着ける場所だな…」

東屋パビリオンで暫くの間寛ぎ、考え事をした後、魔素の溜まっている物を優先に少し採取してからルシノの家に帰った。



「ただいま。皆は?」

『おかえり。戻ってきている。リミル、たまにでいい、遊びに来いよ?』

「うん。ありがとう、ルシノ」

皆は客間のある方の1階のリビングに集まっていた。
宿屋のラウンジや酒場を思い出す光景だ。

「ただいま。用事は済ませてきたから向こうに行ってもゆっくり出来る。ただ、ギルレイには色々報告しなきゃならないし紹介もあるからその時間だけは集まって貰う」

皆からの返事を聞いてルシノに「また」と再会を望む挨拶をするとギルレイの家の中庭に転移する。



前からあるリビングからギルレイが出てきて歓迎してくれる。
ギルレイは新たに作られた方の広々としたリビングに皆を案内すると各々好きなところに座るように促し、自己紹介をした。

『俺はこの街のギルドマスターをしているギルレイだ。リミルは俺にとっては家族…のように思っている大切な子どもだ。これからリミルと行動を共にする皆には知っていて欲しい』

皆に向かって言っているようなリミルに向かって言っているような自己紹介だった。
しかしそんなことは誰も気にする様子もなく受け入れており、皆確り頷いていた。


「全員の紹介は俺からするよ。まず皆が気になってるだろうからクロトの紹介から。彼は異世界から来た渡人族で未成人だ。そして俺が保護者になった。彼がこの世界に来て直ぐ世話になったのがそこにいる獣人族のニーナだ。彼女も未成人で家族を亡くしているため俺が保護者になった。2人のことをノフテスのハルバーに頼まれた。そこからルスタフに移動して2人の冒険者登録の際にそこにいる妖精族のアキリムに出会って試験場でそっちにいる魔人族のジャックと出会った」

種族や名前を言われた者はギルレイに頭を下げたりして挨拶していた。
詳しくはまた後で話すことになるだろうと思って軽くにしておいた。
皆何となく分かっていたのか、聞いて納得したのかは分からないがクロトの種族を聞いてもそこまで動揺はなかった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~

平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。 しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。 パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。

断罪されているのは私の妻なんですが?

すずまる
恋愛
 仕事の都合もあり王家のパーティーに遅れて会場入りすると何やら第一王子殿下が群衆の中の1人を指差し叫んでいた。 「貴様の様に地味なくせに身分とプライドだけは高い女は王太子である俺の婚約者に相応しくない!俺にはこのジャスミンの様に可憐で美しい女性こそが似合うのだ!しかも貴様はジャスミンの美貌に嫉妬して彼女を虐めていたと聞いている!貴様との婚約などこの場で破棄してくれるわ!」  ん?第一王子殿下に婚約者なんていたか?  そう思い指さされていた女性を見ると⋯⋯? *-=-*-=-*-=-*-=-* 本編は1話完結です‪(꒪ㅂ꒪)‬ …が、設定ゆるゆる過ぎたと反省したのでちょっと色付けを鋭意執筆中(; ̄∀ ̄)スミマセン

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

処理中です...