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第1章 出会い
クロト #2
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イマイチ言っていることは分からなかったがどうやら自分で決めた容姿のアバターという身体に成り代わった?らしい。
元の身体や元の世界での自分がどうなったかは分からないようだ。
『ここに来た時はまだゲームの中だと思ってたんだけどやけに感覚がリアルだし、文字も知らないものだし、ニーナは可愛いし優しいし…それでステータスを確認したら渡人族とかいう種族になってて…』
途中女の子の方を見てデレっとしつつ、ここが現実だと理解出来たと話してくれた。
帰り方も分からないし帰る気もないらしい。
クロトは家族が居ないらしい。
なぜいないのか理由は互いに言わなかったが居ないというだけで少し親近感が沸き、多少は打ち解けた。
「これからのこと不安だろうけどギルドからの依頼で俺たちが一緒に行動することになったから。今後どうしたいかは自分で決めれば良いけど慣れるまでは大変だろ?」
『…ニーナはずっとこの村に?』
クロトは少し考える素振りをした後女の子に話を振った。
それまでちょこちょこ合いの手を入れつつ聞き役に徹していたニーナは突然質問されて戸惑ったものの、ずっとこの村にいると答えた。
『なら俺もこの村に…』
<いや、それは無理だろう>
それまでずっと黙って隣に伏せていたクライがムクっと起き上がって言い切った。
その様子に二人とも心底驚いていたがニーナはクロトの言葉に対する驚きもあった。
『クライは喋れるのか!てゆかデカいし綺麗な毛並みだし角?触角?も尻尾もスゲーカッケー。イカすぜ』
クライはクロトに褒められて満更でもないようだ。
胸を張って顎を上げ、ふふんっとドヤ顔だ。
<当然だ。そしてこれは耳朶だ。角や触角ではない>
『そうか…それは悪かった。それでなんでこの村に残るのは無理なんだ?』
リミルやクライは耳朶としているがおそらく角の1種だと思われる。
だがクロトは素直に受け入れ謝罪した。
<お前は俺たちと行動を共にしなければならない。だが俺達は依頼でここに来ているだけでイレアの街に帰らなくてはならない。残るのは無理だろう>
『そんなぁ~。ニーナと離れるしかないのか…』
クロトはガックリと肩を落とし顔も机に突っ伏してしまった。
<連れていったらどうだ?イレアに>
「ニーナが行きたいかどうかだろ?」
全員でニーナを見るとニーナは『え?あたし?』と言って戸惑っていた。
ニーナは村から出るという考えをもとより持っていなかったため、街への憧れはあるものの不安の方が大きいみたいだった。
「連れてくにしてもクロトが街に慣れてから連れ出した方が良いんじゃないか?種族レベルを上げて早くホームポイントを増やせば簡単に会いに来れるようになるんだし」
そう言うとクロトはホームポイントに食いついた。今まで居なかった種族なので確認しながらにはなるがたぶん同じだろうと話し、レベル上げの手伝いをすることになった。
どうせイレアに戻ったらラッセル達のレベル上げに付き合うのだから問題ない。
『ニーナ、俺、強くなってこの世界にも慣れたら迎えに来るから!』
ニーナはクロトの言葉に戸惑っていたが頬を染めて満更でもない様子だ。
「簡単な連絡手段があればなー」
なかなか会えないならせめていつでも連絡が取れれば良いのにと考えてしまう。それがつい口をついて出てしまっていた。
『え、チャットとかねーの?後は通信の魔法とか…』
「…え?通信の魔法………チャットって言うのはなんだ?」
文字を送りあって連絡を取る手段だと教えられた。リミルはそこで考え込んでしまった。
クロトは元の世界の知識なのか音の振動がどうの、電波がどうのと言っているが結局は魔法でどうにかならないのかなぁと唸っていた。
リミルははたと気づく。
魔道具が作れるなら魔法も作れるのでは?と。
思いついた途端にピコンッと音が鳴った。
自身のステータスを確認すると新たに2つ増えていた。
まずは探偵。
これは村での1件の時に鳴ったので推理したのが切っ掛けだろう。
それと今増えた呪文探求者。
これは魔法を作ると考えた途端に出た。
ならばクロトにも増えたかと思いきやクロトのステータスは変わりなかった。
他にも条件があるのかもしれない。
それはともかく、早速簡単な魔法を創って見ることにした。
まずは今しがた教えて貰った"チャット"というものを作るために詳細を決めていく。
・本人にしか見えないようにしたい。
・届いた時に合図が欲しい。
・相手が誰なのかわかる方がいい。
・保留も出来るほうがいい。
・履歴を呼び出せる(見直せる)方がいい。
・終わりの合図も欲しい。
この条件で試作してみることにした。
「《試作》」
一応完成はしたので目の前にいるクロトに向かって使う。
「クロトに《チャット》」
『うお!…ガチでチャットみたいだ』
リミルは試作したと簡単に送り返事を送って貰うと、1度終了し再度クロトから使ってもらった。
するとピコピコと音がなり眼前に【クロトからチャットです】というメッセージが現れた。
暫く放置すると文字は消えるが読もうと思うと現れる。
しかし、戦闘中などであればこの数秒でも気を取られるのは不味い。
それに完全に視界から消えてしまうと忘れてしまいそうだと思った。
すぐに修正し作り直す。
今度は視界の左下にメッセージが現れ、相手の名前だけが残り続ける。
ピコピコとなるのは驚いてしまうのでどうしたものかと思っているとクロトが『通知音はあるのと無いのを自分で自由に選べるようにしておけば?』と言うのでオンオフ機能も付けた。
元の身体や元の世界での自分がどうなったかは分からないようだ。
『ここに来た時はまだゲームの中だと思ってたんだけどやけに感覚がリアルだし、文字も知らないものだし、ニーナは可愛いし優しいし…それでステータスを確認したら渡人族とかいう種族になってて…』
途中女の子の方を見てデレっとしつつ、ここが現実だと理解出来たと話してくれた。
帰り方も分からないし帰る気もないらしい。
クロトは家族が居ないらしい。
なぜいないのか理由は互いに言わなかったが居ないというだけで少し親近感が沸き、多少は打ち解けた。
「これからのこと不安だろうけどギルドからの依頼で俺たちが一緒に行動することになったから。今後どうしたいかは自分で決めれば良いけど慣れるまでは大変だろ?」
『…ニーナはずっとこの村に?』
クロトは少し考える素振りをした後女の子に話を振った。
それまでちょこちょこ合いの手を入れつつ聞き役に徹していたニーナは突然質問されて戸惑ったものの、ずっとこの村にいると答えた。
『なら俺もこの村に…』
<いや、それは無理だろう>
それまでずっと黙って隣に伏せていたクライがムクっと起き上がって言い切った。
その様子に二人とも心底驚いていたがニーナはクロトの言葉に対する驚きもあった。
『クライは喋れるのか!てゆかデカいし綺麗な毛並みだし角?触角?も尻尾もスゲーカッケー。イカすぜ』
クライはクロトに褒められて満更でもないようだ。
胸を張って顎を上げ、ふふんっとドヤ顔だ。
<当然だ。そしてこれは耳朶だ。角や触角ではない>
『そうか…それは悪かった。それでなんでこの村に残るのは無理なんだ?』
リミルやクライは耳朶としているがおそらく角の1種だと思われる。
だがクロトは素直に受け入れ謝罪した。
<お前は俺たちと行動を共にしなければならない。だが俺達は依頼でここに来ているだけでイレアの街に帰らなくてはならない。残るのは無理だろう>
『そんなぁ~。ニーナと離れるしかないのか…』
クロトはガックリと肩を落とし顔も机に突っ伏してしまった。
<連れていったらどうだ?イレアに>
「ニーナが行きたいかどうかだろ?」
全員でニーナを見るとニーナは『え?あたし?』と言って戸惑っていた。
ニーナは村から出るという考えをもとより持っていなかったため、街への憧れはあるものの不安の方が大きいみたいだった。
「連れてくにしてもクロトが街に慣れてから連れ出した方が良いんじゃないか?種族レベルを上げて早くホームポイントを増やせば簡単に会いに来れるようになるんだし」
そう言うとクロトはホームポイントに食いついた。今まで居なかった種族なので確認しながらにはなるがたぶん同じだろうと話し、レベル上げの手伝いをすることになった。
どうせイレアに戻ったらラッセル達のレベル上げに付き合うのだから問題ない。
『ニーナ、俺、強くなってこの世界にも慣れたら迎えに来るから!』
ニーナはクロトの言葉に戸惑っていたが頬を染めて満更でもない様子だ。
「簡単な連絡手段があればなー」
なかなか会えないならせめていつでも連絡が取れれば良いのにと考えてしまう。それがつい口をついて出てしまっていた。
『え、チャットとかねーの?後は通信の魔法とか…』
「…え?通信の魔法………チャットって言うのはなんだ?」
文字を送りあって連絡を取る手段だと教えられた。リミルはそこで考え込んでしまった。
クロトは元の世界の知識なのか音の振動がどうの、電波がどうのと言っているが結局は魔法でどうにかならないのかなぁと唸っていた。
リミルははたと気づく。
魔道具が作れるなら魔法も作れるのでは?と。
思いついた途端にピコンッと音が鳴った。
自身のステータスを確認すると新たに2つ増えていた。
まずは探偵。
これは村での1件の時に鳴ったので推理したのが切っ掛けだろう。
それと今増えた呪文探求者。
これは魔法を作ると考えた途端に出た。
ならばクロトにも増えたかと思いきやクロトのステータスは変わりなかった。
他にも条件があるのかもしれない。
それはともかく、早速簡単な魔法を創って見ることにした。
まずは今しがた教えて貰った"チャット"というものを作るために詳細を決めていく。
・本人にしか見えないようにしたい。
・届いた時に合図が欲しい。
・相手が誰なのかわかる方がいい。
・保留も出来るほうがいい。
・履歴を呼び出せる(見直せる)方がいい。
・終わりの合図も欲しい。
この条件で試作してみることにした。
「《試作》」
一応完成はしたので目の前にいるクロトに向かって使う。
「クロトに《チャット》」
『うお!…ガチでチャットみたいだ』
リミルは試作したと簡単に送り返事を送って貰うと、1度終了し再度クロトから使ってもらった。
するとピコピコと音がなり眼前に【クロトからチャットです】というメッセージが現れた。
暫く放置すると文字は消えるが読もうと思うと現れる。
しかし、戦闘中などであればこの数秒でも気を取られるのは不味い。
それに完全に視界から消えてしまうと忘れてしまいそうだと思った。
すぐに修正し作り直す。
今度は視界の左下にメッセージが現れ、相手の名前だけが残り続ける。
ピコピコとなるのは驚いてしまうのでどうしたものかと思っているとクロトが『通知音はあるのと無いのを自分で自由に選べるようにしておけば?』と言うのでオンオフ機能も付けた。
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