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本編
第199話
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「生意気なんだよ。知ったような口を利きやがって……」
恐ろしく静かで落ち着いた声だ。
つんと痛む鼻腔を血液が這い、鼻の下が濡れる。ぬるいそれが閉じた唇の上をなぞっていくのを感じながら、チカルは黙ってシュンヤを見ていた。打たれた側の耳が激痛と耳鳴りでよく聞こえない。
「親父を失望させたくないだって?俺が?」
シュンヤは自分のことを指差して問いながら、薄く笑う。
「男として生まれた苦労も知らねえで、よくもそんなことを俺に言えたな」
地を這うような低い声でつぶやくと、両手でチカルの胸倉を掴んで立ち上がらせた。されるがままになっているチカルの顔を引き寄せ、炎のような目で覗き込む。
「俺よりもおまえの方が自分のことしか考えてねえだろ。俺が今までどんだけ我慢して優しく接してきてやったと思ってんだ?あ?」
食いしばった歯の隙間から、恨みのこもった言葉は続いた。
「優しくされていい気になって……さんざん甘えて寄りかかってきた奴が、対等な関係を求めてたなんてなあ……笑えるぜ」
締め上げる手に力が籠るたび、チカルの顔が歪んでいく。憎しみを注ぐようにその瞳を見つめながら、彼は嘲笑った。
「なあ、おまえの言う『対等』ってなんなのか教えてくれよ」
「――もうやめて、シュンヤ……」
「どうせ答えられないんだろ?対等な関係なんて築けるわけねえんだから、潔く諦めるんだな。おまえは俺のことを力で屈服させることも、権力で服従させることもできない。愛されるために大人しく媚び売ってりゃいいんだ」
口角から滴り落ち首元にまで流れてきた鼻血が、ブラウスの襟元を染める。息が触れるほど顔を近づけたシュンヤは、醜悪な薄ら笑いを浮かべささやいた。
「おまえは一生俺に勝てないんだよチカル。弱者は黙って強者に従え。そうすればこれまで通り守ってやるし……なに不自由ない暮らしをさせてやる」
「守ってくれなくて結構よ……」
首元を圧迫され、チカルが呻くように言う。
「あなたはどん底にいた私に手を差し伸べてくれた……でも、やっとわかったの……それはきっかけに過ぎなかったって。村を出ていくと決めたのも、差し出されたあなたの手を握ったのも、私の意思なんだって」
「俺の手を取らない選択肢もあったって言いたいのか?狂った婆さんと母親から逃れるために手助けしてやった恩義を忘れて、偉そうなこと抜かしてんじゃねえぞ。俺がいなきゃなんもできねえ、あの田舎からひとりで抜け出す勇気もなかったザコがよ……」
「そうやって、ずっと見下していたのね……気づかなかった私がバカだった。わかっていたらとっくの昔に縁を切っていたのに」
「――おまえと話してるとうんざりするぜ」
彼が深く息を吸う音がチカルの耳まで届く。
それは不吉な合図だった。岩のようなシュンヤの拳が頬を激しく打ち、彼女は再び床に倒れる。身を捩り起き上がろうとすると、無防備な背中を蹴りつけられた。続けざまに何度も打撃を加えられ、痛みのあまりに呼吸が浅くなる。
なさけ容赦ない暴力から逃れようと床を這うチカルの横腹を、シュンヤは渾身の力で蹴り上げる。そうして仰向けにすると、薄い腹を靴裏で勢いよく踏みつけた。
喉の奥から込み上げてきた呻き声と共に、チカルは激しく咳き込む。そのたびに唇を濡らしていた血が吹き上がり、彼女の顔に降り注いだ。
「痛いよなあ?かわいそうに……」
冷徹な瞳で見下ろすシュンヤの足裏に、じりじりと力が籠る。
「お腹はやめてっ」
血塗れの口で叫んだチカルは彼の足首を掴み、必死で身を捩った。その尋常でない抵抗の様子に、彼は眉を上げてからからと笑う。
「このくらいで情けない声出してんじゃねえよ。ヤスケじいちゃんが泣くぞ」
愉快そうに言ってから、ふと笑みを収めて、踏みにじっているチカルの腹部に目をやる。そして、やけに鷹揚な物言いで尋ねた。
「そんなに腹をかばうなんてさ……もしかして妊娠でもしてんの?」
絶望に染まる両の瞳がシュンヤを映す。
彼女は蒼白のまま首を横に振った。否定するその様子を眺めて、彼は逞しい両腕を組むと残酷な笑みを顔いっぱいに咲かせる。
「ふーん……。それなら、続けようか……」
靴底に容赦ない圧が掛かる。彼女は彼の脚を必死にどかそうとするが、びくともしない。
「やめて……やめてっ……死んじゃう!」
「やっぱいるんじゃん」
吐き捨てるように言うと、足首に絡んでいた手をいとも簡単に振り払う。解放されたチカルは腹を守るように横向きに体を丸めた。込み上げてくる嗚咽に喉が痙攣し、呼吸もままならないなか懸命に言葉を継ぐ。
「……まだ、いると決まったわけじゃない……でも、もしいたら死んじゃうから、やめて」
苦しそうにあえぎながら切れ切れに言うチカルを見下ろす瞳が、爛々と光っている。彼は舌なめずりすると膝を折り、チカルの髪を掴んで顔を上げさせる。
「誰との子?」
「あなたとの子に決まってるじゃない」
痛みに呻くチカルの顔をじっくりと眺め、
「もし腹にいたらどうするつもりだ?若い男は嫌がるだろうな……子持ちの女なんて面倒で」
「私が育てる。ひとりで、ちゃんと育ててみせる」
「ひとりで育てるだって?笑わせるなよチカル……経済力も地位もない、なんも持ってないおまえになにができるってんだ?」
嘲るように言い放ち、髪を握り込んだ手にさらに力を込めて揺さぶりながら続ける。
「なあ、考え直せよ。旦那がいた方がなにかと好都合だろ。マジで妊娠してたら、俺の子だっていう主張を信じてやるからさ……」
「いやよ」かすれる声で言い、彼をきつく睨み据える。「ぜったいにいや」
「おまえのそういう強情なとこ、ほんとムカつく」
言うなり、チカルの頭をカーペットの床に叩きつける。強かに右の額を打ち付けた彼女は、苦痛に歪む顔を乱れた黒髪の中に隠した。
ゴミでも見るような視線を彼女に当てたまま、指に絡まっている髪を解いたシュンヤは立ち上がる。
「俺を拒むってなら、どうなっても責任持たねえぞ。きっと最悪な結果になるぜ」
「あなたと一緒にいるよりずっとましよ」
「――おまえ……っ」
シュンヤは怒りに震えながら、床に伏したままの彼女の腰に馬乗りになる。抵抗を許さないとき、彼はいつもこうして全身でチカルを抑え込む。体のつくり、力の強さ、なににおいても男の自分が勝っているということをわからせるかのように。
固く握りしめられた拳が高々と振り上げられるのを見て、チカルはとっさに腕で頭を守った。しかしシュンヤはその防御をものともせず痛みを与え続ける。側頭部や頬を殴打され、その衝撃のたび彼女の目の前に美しい星が飛び交った。憎悪を宿した拳は雨のように絶え間なく、ためらいもなく降ってきた。
いつまでも反撃してこないチカルを狂ったように痛めつけながら、シュンヤは引きつった笑みを浮かべる。
「他の誰かに奪われるくらいならこの手で殺してやる」
「殺したってあなたのものにはならないわよ……」
チカルがそう言った次の瞬間、突如として拳の雨が降り止んだ。
シュンヤは振り上げた腕を宙で止めたまま、血走った目を見開いて激しく震えている。
疲れ果てた人間がそうするように、彼女は全身の力を抜き、深く息をついた。
「あなたを許すわ」
穏やかなまなざしで彼を見上げ静かに言葉を続ける。
「許して、忘れるから……もう私に構わないで」
薄明りの中で揺れていた拳が床に落ちた。シュンヤは怒りとも失望ともとれる表情を浮かべる。
「――本当に、終わらせるつもりなのかよ……チカル……」
その問いかけにチカルが頷くのを見ると、彼は顔を下に向けゆっくりと左右に首を振った。
「失せろ」
震える声で短く口にし、ゆらりと立ち上がる。
そのまま壁際まで下がると、血の気の引いた顔で続けた。
「いますぐに俺の前から消えてくれ」
恐ろしく静かで落ち着いた声だ。
つんと痛む鼻腔を血液が這い、鼻の下が濡れる。ぬるいそれが閉じた唇の上をなぞっていくのを感じながら、チカルは黙ってシュンヤを見ていた。打たれた側の耳が激痛と耳鳴りでよく聞こえない。
「親父を失望させたくないだって?俺が?」
シュンヤは自分のことを指差して問いながら、薄く笑う。
「男として生まれた苦労も知らねえで、よくもそんなことを俺に言えたな」
地を這うような低い声でつぶやくと、両手でチカルの胸倉を掴んで立ち上がらせた。されるがままになっているチカルの顔を引き寄せ、炎のような目で覗き込む。
「俺よりもおまえの方が自分のことしか考えてねえだろ。俺が今までどんだけ我慢して優しく接してきてやったと思ってんだ?あ?」
食いしばった歯の隙間から、恨みのこもった言葉は続いた。
「優しくされていい気になって……さんざん甘えて寄りかかってきた奴が、対等な関係を求めてたなんてなあ……笑えるぜ」
締め上げる手に力が籠るたび、チカルの顔が歪んでいく。憎しみを注ぐようにその瞳を見つめながら、彼は嘲笑った。
「なあ、おまえの言う『対等』ってなんなのか教えてくれよ」
「――もうやめて、シュンヤ……」
「どうせ答えられないんだろ?対等な関係なんて築けるわけねえんだから、潔く諦めるんだな。おまえは俺のことを力で屈服させることも、権力で服従させることもできない。愛されるために大人しく媚び売ってりゃいいんだ」
口角から滴り落ち首元にまで流れてきた鼻血が、ブラウスの襟元を染める。息が触れるほど顔を近づけたシュンヤは、醜悪な薄ら笑いを浮かべささやいた。
「おまえは一生俺に勝てないんだよチカル。弱者は黙って強者に従え。そうすればこれまで通り守ってやるし……なに不自由ない暮らしをさせてやる」
「守ってくれなくて結構よ……」
首元を圧迫され、チカルが呻くように言う。
「あなたはどん底にいた私に手を差し伸べてくれた……でも、やっとわかったの……それはきっかけに過ぎなかったって。村を出ていくと決めたのも、差し出されたあなたの手を握ったのも、私の意思なんだって」
「俺の手を取らない選択肢もあったって言いたいのか?狂った婆さんと母親から逃れるために手助けしてやった恩義を忘れて、偉そうなこと抜かしてんじゃねえぞ。俺がいなきゃなんもできねえ、あの田舎からひとりで抜け出す勇気もなかったザコがよ……」
「そうやって、ずっと見下していたのね……気づかなかった私がバカだった。わかっていたらとっくの昔に縁を切っていたのに」
「――おまえと話してるとうんざりするぜ」
彼が深く息を吸う音がチカルの耳まで届く。
それは不吉な合図だった。岩のようなシュンヤの拳が頬を激しく打ち、彼女は再び床に倒れる。身を捩り起き上がろうとすると、無防備な背中を蹴りつけられた。続けざまに何度も打撃を加えられ、痛みのあまりに呼吸が浅くなる。
なさけ容赦ない暴力から逃れようと床を這うチカルの横腹を、シュンヤは渾身の力で蹴り上げる。そうして仰向けにすると、薄い腹を靴裏で勢いよく踏みつけた。
喉の奥から込み上げてきた呻き声と共に、チカルは激しく咳き込む。そのたびに唇を濡らしていた血が吹き上がり、彼女の顔に降り注いだ。
「痛いよなあ?かわいそうに……」
冷徹な瞳で見下ろすシュンヤの足裏に、じりじりと力が籠る。
「お腹はやめてっ」
血塗れの口で叫んだチカルは彼の足首を掴み、必死で身を捩った。その尋常でない抵抗の様子に、彼は眉を上げてからからと笑う。
「このくらいで情けない声出してんじゃねえよ。ヤスケじいちゃんが泣くぞ」
愉快そうに言ってから、ふと笑みを収めて、踏みにじっているチカルの腹部に目をやる。そして、やけに鷹揚な物言いで尋ねた。
「そんなに腹をかばうなんてさ……もしかして妊娠でもしてんの?」
絶望に染まる両の瞳がシュンヤを映す。
彼女は蒼白のまま首を横に振った。否定するその様子を眺めて、彼は逞しい両腕を組むと残酷な笑みを顔いっぱいに咲かせる。
「ふーん……。それなら、続けようか……」
靴底に容赦ない圧が掛かる。彼女は彼の脚を必死にどかそうとするが、びくともしない。
「やめて……やめてっ……死んじゃう!」
「やっぱいるんじゃん」
吐き捨てるように言うと、足首に絡んでいた手をいとも簡単に振り払う。解放されたチカルは腹を守るように横向きに体を丸めた。込み上げてくる嗚咽に喉が痙攣し、呼吸もままならないなか懸命に言葉を継ぐ。
「……まだ、いると決まったわけじゃない……でも、もしいたら死んじゃうから、やめて」
苦しそうにあえぎながら切れ切れに言うチカルを見下ろす瞳が、爛々と光っている。彼は舌なめずりすると膝を折り、チカルの髪を掴んで顔を上げさせる。
「誰との子?」
「あなたとの子に決まってるじゃない」
痛みに呻くチカルの顔をじっくりと眺め、
「もし腹にいたらどうするつもりだ?若い男は嫌がるだろうな……子持ちの女なんて面倒で」
「私が育てる。ひとりで、ちゃんと育ててみせる」
「ひとりで育てるだって?笑わせるなよチカル……経済力も地位もない、なんも持ってないおまえになにができるってんだ?」
嘲るように言い放ち、髪を握り込んだ手にさらに力を込めて揺さぶりながら続ける。
「なあ、考え直せよ。旦那がいた方がなにかと好都合だろ。マジで妊娠してたら、俺の子だっていう主張を信じてやるからさ……」
「いやよ」かすれる声で言い、彼をきつく睨み据える。「ぜったいにいや」
「おまえのそういう強情なとこ、ほんとムカつく」
言うなり、チカルの頭をカーペットの床に叩きつける。強かに右の額を打ち付けた彼女は、苦痛に歪む顔を乱れた黒髪の中に隠した。
ゴミでも見るような視線を彼女に当てたまま、指に絡まっている髪を解いたシュンヤは立ち上がる。
「俺を拒むってなら、どうなっても責任持たねえぞ。きっと最悪な結果になるぜ」
「あなたと一緒にいるよりずっとましよ」
「――おまえ……っ」
シュンヤは怒りに震えながら、床に伏したままの彼女の腰に馬乗りになる。抵抗を許さないとき、彼はいつもこうして全身でチカルを抑え込む。体のつくり、力の強さ、なににおいても男の自分が勝っているということをわからせるかのように。
固く握りしめられた拳が高々と振り上げられるのを見て、チカルはとっさに腕で頭を守った。しかしシュンヤはその防御をものともせず痛みを与え続ける。側頭部や頬を殴打され、その衝撃のたび彼女の目の前に美しい星が飛び交った。憎悪を宿した拳は雨のように絶え間なく、ためらいもなく降ってきた。
いつまでも反撃してこないチカルを狂ったように痛めつけながら、シュンヤは引きつった笑みを浮かべる。
「他の誰かに奪われるくらいならこの手で殺してやる」
「殺したってあなたのものにはならないわよ……」
チカルがそう言った次の瞬間、突如として拳の雨が降り止んだ。
シュンヤは振り上げた腕を宙で止めたまま、血走った目を見開いて激しく震えている。
疲れ果てた人間がそうするように、彼女は全身の力を抜き、深く息をついた。
「あなたを許すわ」
穏やかなまなざしで彼を見上げ静かに言葉を続ける。
「許して、忘れるから……もう私に構わないで」
薄明りの中で揺れていた拳が床に落ちた。シュンヤは怒りとも失望ともとれる表情を浮かべる。
「――本当に、終わらせるつもりなのかよ……チカル……」
その問いかけにチカルが頷くのを見ると、彼は顔を下に向けゆっくりと左右に首を振った。
「失せろ」
震える声で短く口にし、ゆらりと立ち上がる。
そのまま壁際まで下がると、血の気の引いた顔で続けた。
「いますぐに俺の前から消えてくれ」
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