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本編
第88話
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かんなぎ道場の事務所入口を開けると、久々に見る顔があった。
「チカルちゃん」
マミヤだ。コピー機の前に立っているその姿は、すこしやつれたように見える。
「お久しぶりです」
「ひさしぶり。――あー、……えーっとぉ……」
彼は後頭部を掻きながら視線をさ迷わせる。
「来づらかったんですって」
コハラが湯のみを片手にパソコン画面を見つめたまま言う。声の方をちらりと見遣った彼は気まずそうな顔で押し黙っていたが、やがて大きく息を吸い込むと、意を決したように体ごとチカルに向き直った。
「――ちょっと、時間いい?せんせーには許可取ってある」
自動販売機でそれぞれ飲み物を買い、ふたりは2階のミーティングルームへ向かった。ここには小さなバルコニーがあり、テーブルと椅子が置いてある。彼らはそこに座り、2月のやわらかい日差しを浴びながら猫のように目を細めた。
2月9日から今日まで約2週間ほどのあいだ――マミヤは一度も道場に顔を見せなかった。ナルカミもコハラも半ばあきらめたような様子であったが、彼が辞めるわけがないという確信がなぜかチカルにはあった。
「こないだはごめん。あと、長いあいだ無断欠勤してごめん」
マミヤの言葉に首を横に振る。
「お元気そうで安心しました」
「あの日のこと思い返してたら……チカルちゃんに会う勇気がどんどんなくなっちゃってさ」
「それでも来てくれた」彼女はそっと微笑む。「嬉しい。また会えて」
マミヤは遠くに投げていた視線をチカルに戻した。彼女のやわらかなまなざしを受けて、彼はそっと息をつく。その口元はわずかにほころんでいる。
「……ナルカミせんせーが、よく言うじゃん?『チカルさんには参ったよ』って。その意味が初めてわかった気がする」
チカルは怪訝な顔をして首を傾げる。彼はもういちど静かに息を吐いて、缶コーヒーを飲んだ。
「おやすみしているあいだは何を?」
「家にいると、カノジョが『働け!』ってうるせーから日雇いのバイトしてた。交通誘導とか土木作業とか」
マミヤは大学時代に恋人同士になった女と同棲している。
婚姻関係になる気はないと彼は言うが、彼女の方は結婚を望んでいるらしい。それを知ったコハラが、いつか結婚する可能性があるならば……と、正社員として雇う余裕のある道場を探してマミヤに紹介したが――アルバイトで気ままに働く方が性に合っているからと丁重に断られたという。
「日雇いの仕事は気が楽だし、もうここの仕事辞めちまおーかなって思ったんだけどさ……でもこのまま終わりにすんのはやっぱ違うなって」
「生徒さん、すごく寂しがっていましたよ。特にユヅキ君は、君が来ているかどうか毎回事務所を覗きに来て……」
「――ユヅキが?」
チカルは頷く。彼は傷ついたような目をして唇を噛んだ。
ユヅキは現在中学1年生。今年の春で第2学年に進級する。
彼は小学4年生のとき不登校になり、つい最近まで一切外に出ようとせず引きこもりの生活をしていた。社会との接点が一切ないことを心配した父親が、半ば強引にかんなぎ道場に連れてきたのが入門したきっかけだ。
少年は当初、道場の隅でうずくまったまま誰とも口をきこうとしなかった。そんな彼の心を開いたのがマミヤなのである。
「戻ってきてくれたと知ったらきっと喜ぶわ」
「あいつ……いっつも俺に盾突いてくるくせに。かわいーとこあるじゃん……」
「素直になれないだけで君のことを慕っているのよ」
彼は小さく鼻を鳴らして笑った。
「あーあ。この俺がここまでガキに懐かれる日がくるなんてな」
下は5歳、上は18歳――幅広い年齢の子どもたちが在籍するなか、マミヤは年齢性別問わず誰からも好かれていた。
畏敬の念を抱いているナルカミの目があるところでは非常に真面目で堅苦しい態度になる子どもたちも、マミヤの前では悪ガキと化す。特に中学生くらいの年齢の生徒たちは彼と一緒にいるのがよほど心地いいのか、教室が終わってもなにかとちょっかいを出して後ろをついて回り、なかなか帰ろうとしなかった。悪態こそつくものの、みな彼のことを兄のように思っているのだ。
「道場から離れてるあいだ、なんかずっとさみしかったんすよね。今までずっと職を転々としてきたし、人間関係に執着しねータイプだって思ってたのに。ナルカミせんせーに出会ってなかったら、自分の中にこういう一面があることに気付けなかっただろーな」
タバコ吸っていいすか?と言うので頷くと、彼は細いメンソール煙草と携帯灰皿を取り出す。
「せんせーとはケンカもすっけど、会えてよかったって思ってるんすよ。……ま、第一印象は最悪だったんだけど」
「先輩から聞きました。いきなり殴ったんですって?」
「そ。……カネ目的でケンカふっかけたんすよね……イライラしてたときちょうど正面からせんせーが歩いてきて、目が合ったから」
ジッポで煙草の先に火を灯し、彼はチカルの方に流れないように顔を逸らして紫煙を吐く。
「弱そうだなって思った。ひょろひょろだし……顔面に一発かませば泣きながら財布渡してくるだろうって」
煙草のフィルターを噛んだマミヤは、構えた拳で鋭く空を切る。
「最初の一発はキレーにヒットしたんすよ。でもせんせーはなんの反応も見せなかった。怯えもしないし泣きもしない。次の一発も、せんせーは正面から受けて……地面にぶっ倒れた。ふらついて隙だらけのところに追い打ちをかけたはずなのに、一発目よりぜんぜん手応えがなかったのが不気味でさ……」
あの場で怯えていたのはナルカミではなく自分の方だったのだと、マミヤは今になって思う。
「立ち上がったところにキックを食らわせたけど、今度は倒れもしなかった。三発目のパンチで手首を取られて、そっからは一瞬。目の前がぐるん!って回転して地面にドーン!だよ。そんで、ねじ伏せられたまま身動きも取れなくなってさ」
すでに空になったコーヒー缶を指で弄びながら彼は、いつもよりも落ち着いた様子で声を紡ぐ。
「今でも不思議なんだけど……腕が曲がっちゃダメな方向にひん曲がってるのに全然痛くなかったんすよ。痛くねーのに動けねーわけ。必死に首をひねったらせんせーの鼻血が俺の顔に雨みたいに降ってきて――」
その瞬間を思い出したのか、指先で頬に触れる。
「せんせー、めっちゃ鼻血出てんのに平然とした顔してんの。そんで、なにモゴモゴしゃべってんのかと思ったらいきなり横向いて、ペッて折れた歯を吐き出してよ、血まみれのクチでにやにや笑ってんだ。ゾッとした」
それを聞いても、チカルは特に驚きもしない。昔からナルカミにはそういうところがある。体の痛みに強いのかはたまた鈍感なのか、稽古で腕の骨が折れたときも呑気に茶など飲んでいるような男だ。
「なんも言えなくなってたら――せんせーが、ケンカは楽しいか?ってとんでもなく明るく聞いてきてさ。挑発されたと思って、すっげー楽しい!って答えたら、じゃあどうしてあんな顔して殴ってきたの?って……」
「先輩らしい……」
「今なら俺も、らしいなーって思う。でもそんときは狂ってんのかと思った。あんな顔って何だよって……自分がどんなツラして殴ってるかなんて考えたこともなかったからさ。聞いても教えてくんないし、知りたきゃ道場に来いっていうから来た」
なんとも素直な男だ。こういうところが憎めない、とチカルは思う。
「道場に通い始めて最初の頃は、相手の行動を封じるその技にキョーミがあったんすよね。俺にとって格闘技は力を見せつけるため、相手を屈服させるためにあったから、ぜったいに修得したいって。これができるようになれば誰にも負けないって……でも、そういうのとはぜんぜん別の場所に、せんせーは立ってた」
苦い顔で煙を吸っては吐きながら、彼は言葉を続けた。
「そんであの日――チカルちゃんもせんせーと同じとこに立ってんだなって思ったんだ。同じ景色を見てねーのは俺だけ」
声が途切れ、しばらく彼は無言で煙草をくゆらせる。しばらくそうしていたがやがて、携帯灰皿の中で火を揉み消しながら言った。
「なんか、すっげー情けなくなったんすよ。今までにないくらい、自分のことがいやになった。あのとき言ったこと、やったこと、ぜんぶが……」
再び黙り込んで、まつげを伏せる。携帯灰皿の蓋をぱちんと閉じると手の中にきつく握り込んだ。
「チカルちゃん」
彼は低く、その名を呼ぶ。ゆっくり顔を上げてチカルを見た。
「ごめん」
真摯な謝罪を口にするマミヤの姿を見つめていた彼女は静かに問うた。
「あのとき、女だから勝てると思ったの?」
「んなわけねえじゃん」瞬時に否定した彼はきつく眉根を寄せる。「ナルカミせんせー以外の誰かに負ける自分が想像できなかっただけ……男だろうが女だろうが関係ねーよ」
「……」
「――チカルちゃん……?……あきれてんの?」
彼女は首を左右にゆっくりと振って微笑んだ。
燦燦と降り注ぐ日差しを受けて光る艶やかな瞳……そのまなざしに射貫かれ、マミヤは目を瞠る。
彼が再び唇を開きかけたそのとき、ミーティングルームのドアが勢いよく開いた。
「チカルちゃん」
マミヤだ。コピー機の前に立っているその姿は、すこしやつれたように見える。
「お久しぶりです」
「ひさしぶり。――あー、……えーっとぉ……」
彼は後頭部を掻きながら視線をさ迷わせる。
「来づらかったんですって」
コハラが湯のみを片手にパソコン画面を見つめたまま言う。声の方をちらりと見遣った彼は気まずそうな顔で押し黙っていたが、やがて大きく息を吸い込むと、意を決したように体ごとチカルに向き直った。
「――ちょっと、時間いい?せんせーには許可取ってある」
自動販売機でそれぞれ飲み物を買い、ふたりは2階のミーティングルームへ向かった。ここには小さなバルコニーがあり、テーブルと椅子が置いてある。彼らはそこに座り、2月のやわらかい日差しを浴びながら猫のように目を細めた。
2月9日から今日まで約2週間ほどのあいだ――マミヤは一度も道場に顔を見せなかった。ナルカミもコハラも半ばあきらめたような様子であったが、彼が辞めるわけがないという確信がなぜかチカルにはあった。
「こないだはごめん。あと、長いあいだ無断欠勤してごめん」
マミヤの言葉に首を横に振る。
「お元気そうで安心しました」
「あの日のこと思い返してたら……チカルちゃんに会う勇気がどんどんなくなっちゃってさ」
「それでも来てくれた」彼女はそっと微笑む。「嬉しい。また会えて」
マミヤは遠くに投げていた視線をチカルに戻した。彼女のやわらかなまなざしを受けて、彼はそっと息をつく。その口元はわずかにほころんでいる。
「……ナルカミせんせーが、よく言うじゃん?『チカルさんには参ったよ』って。その意味が初めてわかった気がする」
チカルは怪訝な顔をして首を傾げる。彼はもういちど静かに息を吐いて、缶コーヒーを飲んだ。
「おやすみしているあいだは何を?」
「家にいると、カノジョが『働け!』ってうるせーから日雇いのバイトしてた。交通誘導とか土木作業とか」
マミヤは大学時代に恋人同士になった女と同棲している。
婚姻関係になる気はないと彼は言うが、彼女の方は結婚を望んでいるらしい。それを知ったコハラが、いつか結婚する可能性があるならば……と、正社員として雇う余裕のある道場を探してマミヤに紹介したが――アルバイトで気ままに働く方が性に合っているからと丁重に断られたという。
「日雇いの仕事は気が楽だし、もうここの仕事辞めちまおーかなって思ったんだけどさ……でもこのまま終わりにすんのはやっぱ違うなって」
「生徒さん、すごく寂しがっていましたよ。特にユヅキ君は、君が来ているかどうか毎回事務所を覗きに来て……」
「――ユヅキが?」
チカルは頷く。彼は傷ついたような目をして唇を噛んだ。
ユヅキは現在中学1年生。今年の春で第2学年に進級する。
彼は小学4年生のとき不登校になり、つい最近まで一切外に出ようとせず引きこもりの生活をしていた。社会との接点が一切ないことを心配した父親が、半ば強引にかんなぎ道場に連れてきたのが入門したきっかけだ。
少年は当初、道場の隅でうずくまったまま誰とも口をきこうとしなかった。そんな彼の心を開いたのがマミヤなのである。
「戻ってきてくれたと知ったらきっと喜ぶわ」
「あいつ……いっつも俺に盾突いてくるくせに。かわいーとこあるじゃん……」
「素直になれないだけで君のことを慕っているのよ」
彼は小さく鼻を鳴らして笑った。
「あーあ。この俺がここまでガキに懐かれる日がくるなんてな」
下は5歳、上は18歳――幅広い年齢の子どもたちが在籍するなか、マミヤは年齢性別問わず誰からも好かれていた。
畏敬の念を抱いているナルカミの目があるところでは非常に真面目で堅苦しい態度になる子どもたちも、マミヤの前では悪ガキと化す。特に中学生くらいの年齢の生徒たちは彼と一緒にいるのがよほど心地いいのか、教室が終わってもなにかとちょっかいを出して後ろをついて回り、なかなか帰ろうとしなかった。悪態こそつくものの、みな彼のことを兄のように思っているのだ。
「道場から離れてるあいだ、なんかずっとさみしかったんすよね。今までずっと職を転々としてきたし、人間関係に執着しねータイプだって思ってたのに。ナルカミせんせーに出会ってなかったら、自分の中にこういう一面があることに気付けなかっただろーな」
タバコ吸っていいすか?と言うので頷くと、彼は細いメンソール煙草と携帯灰皿を取り出す。
「せんせーとはケンカもすっけど、会えてよかったって思ってるんすよ。……ま、第一印象は最悪だったんだけど」
「先輩から聞きました。いきなり殴ったんですって?」
「そ。……カネ目的でケンカふっかけたんすよね……イライラしてたときちょうど正面からせんせーが歩いてきて、目が合ったから」
ジッポで煙草の先に火を灯し、彼はチカルの方に流れないように顔を逸らして紫煙を吐く。
「弱そうだなって思った。ひょろひょろだし……顔面に一発かませば泣きながら財布渡してくるだろうって」
煙草のフィルターを噛んだマミヤは、構えた拳で鋭く空を切る。
「最初の一発はキレーにヒットしたんすよ。でもせんせーはなんの反応も見せなかった。怯えもしないし泣きもしない。次の一発も、せんせーは正面から受けて……地面にぶっ倒れた。ふらついて隙だらけのところに追い打ちをかけたはずなのに、一発目よりぜんぜん手応えがなかったのが不気味でさ……」
あの場で怯えていたのはナルカミではなく自分の方だったのだと、マミヤは今になって思う。
「立ち上がったところにキックを食らわせたけど、今度は倒れもしなかった。三発目のパンチで手首を取られて、そっからは一瞬。目の前がぐるん!って回転して地面にドーン!だよ。そんで、ねじ伏せられたまま身動きも取れなくなってさ」
すでに空になったコーヒー缶を指で弄びながら彼は、いつもよりも落ち着いた様子で声を紡ぐ。
「今でも不思議なんだけど……腕が曲がっちゃダメな方向にひん曲がってるのに全然痛くなかったんすよ。痛くねーのに動けねーわけ。必死に首をひねったらせんせーの鼻血が俺の顔に雨みたいに降ってきて――」
その瞬間を思い出したのか、指先で頬に触れる。
「せんせー、めっちゃ鼻血出てんのに平然とした顔してんの。そんで、なにモゴモゴしゃべってんのかと思ったらいきなり横向いて、ペッて折れた歯を吐き出してよ、血まみれのクチでにやにや笑ってんだ。ゾッとした」
それを聞いても、チカルは特に驚きもしない。昔からナルカミにはそういうところがある。体の痛みに強いのかはたまた鈍感なのか、稽古で腕の骨が折れたときも呑気に茶など飲んでいるような男だ。
「なんも言えなくなってたら――せんせーが、ケンカは楽しいか?ってとんでもなく明るく聞いてきてさ。挑発されたと思って、すっげー楽しい!って答えたら、じゃあどうしてあんな顔して殴ってきたの?って……」
「先輩らしい……」
「今なら俺も、らしいなーって思う。でもそんときは狂ってんのかと思った。あんな顔って何だよって……自分がどんなツラして殴ってるかなんて考えたこともなかったからさ。聞いても教えてくんないし、知りたきゃ道場に来いっていうから来た」
なんとも素直な男だ。こういうところが憎めない、とチカルは思う。
「道場に通い始めて最初の頃は、相手の行動を封じるその技にキョーミがあったんすよね。俺にとって格闘技は力を見せつけるため、相手を屈服させるためにあったから、ぜったいに修得したいって。これができるようになれば誰にも負けないって……でも、そういうのとはぜんぜん別の場所に、せんせーは立ってた」
苦い顔で煙を吸っては吐きながら、彼は言葉を続けた。
「そんであの日――チカルちゃんもせんせーと同じとこに立ってんだなって思ったんだ。同じ景色を見てねーのは俺だけ」
声が途切れ、しばらく彼は無言で煙草をくゆらせる。しばらくそうしていたがやがて、携帯灰皿の中で火を揉み消しながら言った。
「なんか、すっげー情けなくなったんすよ。今までにないくらい、自分のことがいやになった。あのとき言ったこと、やったこと、ぜんぶが……」
再び黙り込んで、まつげを伏せる。携帯灰皿の蓋をぱちんと閉じると手の中にきつく握り込んだ。
「チカルちゃん」
彼は低く、その名を呼ぶ。ゆっくり顔を上げてチカルを見た。
「ごめん」
真摯な謝罪を口にするマミヤの姿を見つめていた彼女は静かに問うた。
「あのとき、女だから勝てると思ったの?」
「んなわけねえじゃん」瞬時に否定した彼はきつく眉根を寄せる。「ナルカミせんせー以外の誰かに負ける自分が想像できなかっただけ……男だろうが女だろうが関係ねーよ」
「……」
「――チカルちゃん……?……あきれてんの?」
彼女は首を左右にゆっくりと振って微笑んだ。
燦燦と降り注ぐ日差しを受けて光る艶やかな瞳……そのまなざしに射貫かれ、マミヤは目を瞠る。
彼が再び唇を開きかけたそのとき、ミーティングルームのドアが勢いよく開いた。
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