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本編
第35話
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脱いだセーターは玄関のコートハンガーに干させてもらった。帰りまでにはあらかた乾くだろう。
もたつく袖口を何度か折り返しているチカルを背に、タビトが言う。
「高いところだし、俺が交換しますね」
驚いて顔を上げた彼女の言葉を待たず、すでに彼はビニール袋の中から電球を取り出している。
今度はチカルが脚立を押さえ、タビトを下から見守るかたちになった。
「あの……那南城さん」
新しい電球を取りつけながら、タビトが言う。
「さっきはありがとう」
その言葉にチカルは目を瞠った。
ゆっくりと脚立を降りたタビトは、真剣な眼差しを彼女に向ける。
「プレゼントは受け取ったけど、贈り主の気持ちは受け取ってなかったなって……。もらったら自分のものなんだからどう扱おうと勝手だっていう考えが心のどこかにあったと思う。でも……それは間違ってるよね」
人気の上昇に伴ってたくさんのプレゼントや手紙を受け取るようになり、最近はひとつひとつに相手の気持ちが籠っているという実感が薄くなっていたように思う。
初めてファンレターを受け取った時のあの喜びを、忘れてはいけなかった――彼は自戒の念を胸に秘め、言葉を続ける。
「ファンを傷つけちゃう前に気付けてよかった。だから、ありがとう」
言って、わずかに瞳を細めた。その表情を前にチカルはまぶしそうな顔になる。唇を噛んでわずかに俯くと、細い声でつぶやいた。
「――てっきりスタッフチェンジの話かと……生意気なことを言ってしまったので」
チェンジという言葉を耳にしてタビトはどきりとしたが、とっさに首を横に振る。
「生意気だなんてそんな」
「私……堅物なので、いつもご利用者様に窮屈な思いや不快な思いをさせてしまうんです。メッセージ欄にもつまらないことしか書けなくて」
チカルは言葉を切る。情けない気持ちが込み上げてきて思わず眉根を寄せた。
「堅物だと思われないようにと必死でしたが……下手なイラストなんかを描く前に、いまいちど自分の言動を省みるべきでした。――疎まれる原因は先ほどのような発言や態度だと思います。申し訳ございません」
その瞬間タビトは、作業報告書に描かれていたイラストのことを思い出した。
チカルによく似た猫……じゃなくてクマ。彼女があれを描いた意味、それはただの気まぐれではなかった。堅い話し口調や文面をずっと気にしていて、こちらの気持ちを少しでもなごませようと慣れないことをしてくれたのか――あまりにも彼女が健気で、胸が搾られているかのように苦しくなる。
彼らの間に落ちた一瞬の静寂のなかにスマホの着信音が響いた。それはチカルのトートバッグの中から聞こえる。
彼女はそれに反応したものの取ろうとはしない。
一度鳴りやみ、またすぐに鳴る。それが短い時間に何度も繰り返されているのを聞いて、タビトはチカルに電話を取るよう促す。
「出た方がよくないですか?急用かも……」
チカルは頷き、バッグのなかでしつこく鳴り続けているスマホを取り上げる。ちょうど着信が切れたが、相手の名を確認して驚いた。すべてシュンヤからだ。着信回数と未読メッセージの量に胸騒ぎを感じたチカルは、メッセージをまず開いた。
“おまえの母ちゃんが急に押しかけてきたぞ”。その文面を見るなり、チカルの顔色がさっと変わる。
異変に気付いたタビトが彼女の背中に声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさい……あの、――私……」
「那南城さん?」
タビトはチカルの顔を覗き込む。血の気がなくなっているのを見て、動きをとめた。
「なにかあったんですか」
「いえ、なんでもありません。大丈夫です」
明らかにおかしい。なにかに怯えているような顔だ。タビトは、今にも頽れてしまいそうなチカルの肩を支えると、ダイニングの椅子を引き座らせる。
彼は動揺を隠し、すっかり青褪めている横顔に言った。
「今日はもう帰った方が――」
「一緒に暮らしているパートナーから連絡があったんです」彼の言葉を遮って、か細い声で続けた。「母が田舎から突然押しかけてきたと」
チカルは一点を見つめたまま、強張った顔で両手を握りしめる。唇が歪んだ。気丈に笑おうとしていたのかもしれないが、うまくできていない。彼女の動揺が痛いほど伝わってきた。
「母はいつもとんでもないことをするので……びっくりしてしまって。だから――」
「今日はもう大丈夫ですから、帰宅してください」
ただごとではないと察したタビトが提案する。
「でも、」チカルは言って時計を見た。15時にもなっていない。「洗濯も掃除もまだ……」
「いいから……。そんな状態で続けさせるわけにいかないよ」
その言葉に頷くも、チカルは身を強張らせたまま、立ち上がれないようだった。
彼はチカルの正面に膝をつき、俯き気味の顔を覗き込んだ。母親が上京してきたことを喜ぶどころか、酷いショックを受けたかのような表情で黙り込んでいる。会いたいと思っているようにはとても見えない。
膝の上で白くなるほど握りしめられた彼女の手を見つめつつ、タビトは言葉を選びながら言った。
「あの……もし、会いたくないとかなら――お母さんが田舎に帰るまでここにいてください。……無理しないで」
彼女が自分の傍に残ることを、彼は望んだ。それどころか今や、帰らせてはならない気すらしている。祈るような気持ちで答えを待っていると、やがて彼女はつぶやいた。
「――すみません」
チカルが頷くように……わずかに頭を垂れたとき、再度スマホが鳴る。
メッセージを確認したチカルが息を詰めたのがわかった。顔を上げた彼女は、すがるような眼差しをタビトに向けた。それは一瞬のことだった。外された視線は床に落ちる。
「……やっぱり、帰らなきゃ……」
その言葉にタビトはぴくりと身を震わせる。「すみません」という曖昧な返答が指していたのは、ここにいたいという思いだったのだ。それに気付いた瞬間、引き留めたい気持ちが苦しいほどに込み上げる。
吸い込んだ息が震えた。行くな、彼はそう言おうとしたが声にならず唇を噛む。
「ごめんなさい」
彼女はそう言い残して椅子から立ち上がると玄関へと続く廊下を走り抜け、エプロンの上から上着を羽織る。
「作業報告書のファイルは次回持ってきます」
“次回”という言葉を聞いたタビトが今日で最後になることを告げるかどうか迷っているうちに、彼女はつま先に靴を引っ掛けると表に飛び出して行ってしまった。
そのあまりの素早さにあっけに取られ、ただ見送るしかなかったタビトは自動的に施錠された扉を見つめ肩を落とす。
結局、引き留めるどころか今までのお礼すら言い損ねてしまった。作業ファイルは持ち帰られてしまったし、彼女の服もコートハンガーに干されたままだ。宙に浮いた感情は着地点を失い、彼は途方に暮れた。
(これで終わりか)
次回、と口にしたチカルを思う。あの微笑も、最後の切羽詰まった横顔も、しっかりと記憶に焼き付いている。でも、もう終わりだ。自分から関係を終わらせた。
貸したパーカーやこの部屋に残された彼女のセーターは会社経由でそれぞれの手元に戻るだろうし、作業報告書のファイルは次の担当に引き渡されるだろう。もう二度と会うことはない。そう何度も繰り返すほど、棘がささったような胸の痛みがじわりじわりと存在感を増す。
無視できないほどの痛みに変わっていくのを実感しながら、彼は彫像のごとく微動だにせず立ち竦んだ。
別れの言葉は、ふさわしくないように思える。彼女がまたこの扉を開けて、あの不愛想な顔で自分をまっすぐに見つめてくる日が来るような気がしてならない。これが胸の奥底にある願望なのだとしたら、決別を選んだことはあまりにも愚かな行為だ。
タビトは際限なく湧いてくるあらゆる思いを振り切るように首を横に振り、冷たくなった指を固く握りしめる。
「さよなら」
雨だれがおちるようにぽつりとつぶやいたとき、洗濯終了の音が鳴り響く。いつのまにか俯いていた顔をそちらに向け、廊下の隅に置き去りにされたランドリーバスケットを手にした。
もたつく袖口を何度か折り返しているチカルを背に、タビトが言う。
「高いところだし、俺が交換しますね」
驚いて顔を上げた彼女の言葉を待たず、すでに彼はビニール袋の中から電球を取り出している。
今度はチカルが脚立を押さえ、タビトを下から見守るかたちになった。
「あの……那南城さん」
新しい電球を取りつけながら、タビトが言う。
「さっきはありがとう」
その言葉にチカルは目を瞠った。
ゆっくりと脚立を降りたタビトは、真剣な眼差しを彼女に向ける。
「プレゼントは受け取ったけど、贈り主の気持ちは受け取ってなかったなって……。もらったら自分のものなんだからどう扱おうと勝手だっていう考えが心のどこかにあったと思う。でも……それは間違ってるよね」
人気の上昇に伴ってたくさんのプレゼントや手紙を受け取るようになり、最近はひとつひとつに相手の気持ちが籠っているという実感が薄くなっていたように思う。
初めてファンレターを受け取った時のあの喜びを、忘れてはいけなかった――彼は自戒の念を胸に秘め、言葉を続ける。
「ファンを傷つけちゃう前に気付けてよかった。だから、ありがとう」
言って、わずかに瞳を細めた。その表情を前にチカルはまぶしそうな顔になる。唇を噛んでわずかに俯くと、細い声でつぶやいた。
「――てっきりスタッフチェンジの話かと……生意気なことを言ってしまったので」
チェンジという言葉を耳にしてタビトはどきりとしたが、とっさに首を横に振る。
「生意気だなんてそんな」
「私……堅物なので、いつもご利用者様に窮屈な思いや不快な思いをさせてしまうんです。メッセージ欄にもつまらないことしか書けなくて」
チカルは言葉を切る。情けない気持ちが込み上げてきて思わず眉根を寄せた。
「堅物だと思われないようにと必死でしたが……下手なイラストなんかを描く前に、いまいちど自分の言動を省みるべきでした。――疎まれる原因は先ほどのような発言や態度だと思います。申し訳ございません」
その瞬間タビトは、作業報告書に描かれていたイラストのことを思い出した。
チカルによく似た猫……じゃなくてクマ。彼女があれを描いた意味、それはただの気まぐれではなかった。堅い話し口調や文面をずっと気にしていて、こちらの気持ちを少しでもなごませようと慣れないことをしてくれたのか――あまりにも彼女が健気で、胸が搾られているかのように苦しくなる。
彼らの間に落ちた一瞬の静寂のなかにスマホの着信音が響いた。それはチカルのトートバッグの中から聞こえる。
彼女はそれに反応したものの取ろうとはしない。
一度鳴りやみ、またすぐに鳴る。それが短い時間に何度も繰り返されているのを聞いて、タビトはチカルに電話を取るよう促す。
「出た方がよくないですか?急用かも……」
チカルは頷き、バッグのなかでしつこく鳴り続けているスマホを取り上げる。ちょうど着信が切れたが、相手の名を確認して驚いた。すべてシュンヤからだ。着信回数と未読メッセージの量に胸騒ぎを感じたチカルは、メッセージをまず開いた。
“おまえの母ちゃんが急に押しかけてきたぞ”。その文面を見るなり、チカルの顔色がさっと変わる。
異変に気付いたタビトが彼女の背中に声を掛けた。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさい……あの、――私……」
「那南城さん?」
タビトはチカルの顔を覗き込む。血の気がなくなっているのを見て、動きをとめた。
「なにかあったんですか」
「いえ、なんでもありません。大丈夫です」
明らかにおかしい。なにかに怯えているような顔だ。タビトは、今にも頽れてしまいそうなチカルの肩を支えると、ダイニングの椅子を引き座らせる。
彼は動揺を隠し、すっかり青褪めている横顔に言った。
「今日はもう帰った方が――」
「一緒に暮らしているパートナーから連絡があったんです」彼の言葉を遮って、か細い声で続けた。「母が田舎から突然押しかけてきたと」
チカルは一点を見つめたまま、強張った顔で両手を握りしめる。唇が歪んだ。気丈に笑おうとしていたのかもしれないが、うまくできていない。彼女の動揺が痛いほど伝わってきた。
「母はいつもとんでもないことをするので……びっくりしてしまって。だから――」
「今日はもう大丈夫ですから、帰宅してください」
ただごとではないと察したタビトが提案する。
「でも、」チカルは言って時計を見た。15時にもなっていない。「洗濯も掃除もまだ……」
「いいから……。そんな状態で続けさせるわけにいかないよ」
その言葉に頷くも、チカルは身を強張らせたまま、立ち上がれないようだった。
彼はチカルの正面に膝をつき、俯き気味の顔を覗き込んだ。母親が上京してきたことを喜ぶどころか、酷いショックを受けたかのような表情で黙り込んでいる。会いたいと思っているようにはとても見えない。
膝の上で白くなるほど握りしめられた彼女の手を見つめつつ、タビトは言葉を選びながら言った。
「あの……もし、会いたくないとかなら――お母さんが田舎に帰るまでここにいてください。……無理しないで」
彼女が自分の傍に残ることを、彼は望んだ。それどころか今や、帰らせてはならない気すらしている。祈るような気持ちで答えを待っていると、やがて彼女はつぶやいた。
「――すみません」
チカルが頷くように……わずかに頭を垂れたとき、再度スマホが鳴る。
メッセージを確認したチカルが息を詰めたのがわかった。顔を上げた彼女は、すがるような眼差しをタビトに向けた。それは一瞬のことだった。外された視線は床に落ちる。
「……やっぱり、帰らなきゃ……」
その言葉にタビトはぴくりと身を震わせる。「すみません」という曖昧な返答が指していたのは、ここにいたいという思いだったのだ。それに気付いた瞬間、引き留めたい気持ちが苦しいほどに込み上げる。
吸い込んだ息が震えた。行くな、彼はそう言おうとしたが声にならず唇を噛む。
「ごめんなさい」
彼女はそう言い残して椅子から立ち上がると玄関へと続く廊下を走り抜け、エプロンの上から上着を羽織る。
「作業報告書のファイルは次回持ってきます」
“次回”という言葉を聞いたタビトが今日で最後になることを告げるかどうか迷っているうちに、彼女はつま先に靴を引っ掛けると表に飛び出して行ってしまった。
そのあまりの素早さにあっけに取られ、ただ見送るしかなかったタビトは自動的に施錠された扉を見つめ肩を落とす。
結局、引き留めるどころか今までのお礼すら言い損ねてしまった。作業ファイルは持ち帰られてしまったし、彼女の服もコートハンガーに干されたままだ。宙に浮いた感情は着地点を失い、彼は途方に暮れた。
(これで終わりか)
次回、と口にしたチカルを思う。あの微笑も、最後の切羽詰まった横顔も、しっかりと記憶に焼き付いている。でも、もう終わりだ。自分から関係を終わらせた。
貸したパーカーやこの部屋に残された彼女のセーターは会社経由でそれぞれの手元に戻るだろうし、作業報告書のファイルは次の担当に引き渡されるだろう。もう二度と会うことはない。そう何度も繰り返すほど、棘がささったような胸の痛みがじわりじわりと存在感を増す。
無視できないほどの痛みに変わっていくのを実感しながら、彼は彫像のごとく微動だにせず立ち竦んだ。
別れの言葉は、ふさわしくないように思える。彼女がまたこの扉を開けて、あの不愛想な顔で自分をまっすぐに見つめてくる日が来るような気がしてならない。これが胸の奥底にある願望なのだとしたら、決別を選んだことはあまりにも愚かな行為だ。
タビトは際限なく湧いてくるあらゆる思いを振り切るように首を横に振り、冷たくなった指を固く握りしめる。
「さよなら」
雨だれがおちるようにぽつりとつぶやいたとき、洗濯終了の音が鳴り響く。いつのまにか俯いていた顔をそちらに向け、廊下の隅に置き去りにされたランドリーバスケットを手にした。
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