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第七章 天使転輪
第193話 天使天輪(二)
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一
「お前のその技、相変わらず厄介だな」
「そうか?お前の千里眼も厄介だろうが、遊」
「千里眼の万能じゃあない、それに真空にされたんじゃ、息ができない。なんであろうと終わりだよ。まぁ、たしかに先読みして事象を変えることはできる。それが唯一のお前への勝ち筋だな、それでも千里眼を使う前にやられてしまえば無理だ。仲間内ならシャオのループリーパーなら対抗はできるか」
「確かにな。あいつのは対処のしようがない。ところで全然話が変わるんだけどさ、先日、もっと面白い技を思いついたんだよ」
「はぁ、またお前はろくでもないこと思いついたのか?」
「でも、これはここぞって時にしか使えないからねー」
「はっは、なんだ?そんなにやばいのか?」
「あぁ、やばいね!試したいけど試せないから、困ったよ危険過ぎてね」
「なんだそりゃ、じゃあ、ダメじゃないか」
「ダメってことはないさ。イメージは大事だよ。理屈で頭が理解していたら、いざやろうと思った時なんだってできるさ」
「んで?どんな技なんだ?」
「遊はさぁ、真空がどんな状態かわかるか?」
「バカにしてんのか?そんなもん空気がない状態だろうが」
「だよねー、そんでさ真空には何もない、何もないところから何かを生み出すには莫大なエネルギーが必要だ。それが万に一つとして成功したとしよう、じゃあどうなると思う」
遊は何かに気づいて、驚きの顔をする。
「おい・・・まさか」
「宇宙ってね、作れるんだよ」
「はっはっはっはっはっ!!!!!そいつぁ、馬鹿げた話だ!そんなことしたらどれほどの被害が出るか!そりゃあ使えんな!」
「そうだろ?まぁ、いつかは使いたいがな」
二
「今がその時かな・・・」
誰からどう見ても劣勢のはずの志貴はウラノスの力には動じていなかった。むしろ、笑っていた。
「何を企んでるかは知らんが無駄なことだ。この俺を殺せるはずないのだからな」
「はっはっはっは!!!!さぁそれはどうだろうね!殺せはしないかも知れないけど消せはするんじゃないかな!」
高らかに笑い上げると志貴は手を広げる。
「真無宇宙空壊帯!!」
広範囲にある辺りの空気は一瞬にして消え失せる。
(意味のないとこだ、空気を無くしたとて俺は死なん。そんなことに今更なんの意味がある)
ウラノスが顕現させた、無数の眩い羽は志貴へと降り注ぐ。
(真無宇宙空壊帯)
(!?)
ウラノスは見た。真空の中、何もないはずの無の空間から現れた無。目には見えないはず。だがしかし、ウラノスは感じていた
そこにあるエネルギーと呼ぶべきなのかわからない何かを。
(なんだ・・)
(真空の中にもう一つベクトルの違う真空を発生させる。すると二つの力はどうなるのか)
まさに一瞬だった、音は無く、ただそれは爆ぜた。その衝撃はウラノスの無数の羽を飲み込み、空間は瓦解した。真空の領域外までその力は及ぶ。糸音達は地上からそれを見ていた。彼女らは奇跡を目撃したのだった。青い空は暗闇に包まれる。いや、それはもはやただの暗闇では無く、宇宙と呼ばれる空間そのものであった。一連の流れを簡単にまとめると志貴はビックバンを起こしたのであった。
「こいつぁ、すごいや・・自分でやってみたが見惚れちゃうね。んで、奴はどこかな」
志貴は辺りを見渡すとウラノスは志貴が生み出した、宇宙領域の中で浮いていた。ただし体の半分を失いっていた。再生はしているもののゆっくりだった。
(まさか、これほどとは・・しかし、やはりそれでも俺を仕留め切れぬか。人間の限界はあるのだな)
「はぁ、まだ生きてるのか。でも、まだ終わらないよ。二つの力は互いに爆ぜてビックバンを起こした。二つの離れ合った力は次に別の力を生む、それは引き寄せる力だよ。天使でもブラックホールぐらい聞いたことあるだろ」
次の瞬間、凄まじい勢いでおそらく力の中心であるその場所へと吸い込まれていく。地上にあるありとあらゆるモノ、空中にある物質、乱雑にただただ、力の根源へと吸い込まれる。それは真空でさえも飲み込む。
「馬鹿な!人の身であまつさえ宇宙を作り出し、これほどの力を扱えるなど!!」
「舐めてかかるからだよ!天使様!ブラックホールの先は未知だ!どうなるか楽しみだな!さぁ、一緒に行こうぜ天使様!」
二人は一瞬のうちにブラックホールへと吸い込まれ、地上には大穴だけが残った。まるでそこには何もなかったかのように全てが消えた。
「お前のその技、相変わらず厄介だな」
「そうか?お前の千里眼も厄介だろうが、遊」
「千里眼の万能じゃあない、それに真空にされたんじゃ、息ができない。なんであろうと終わりだよ。まぁ、たしかに先読みして事象を変えることはできる。それが唯一のお前への勝ち筋だな、それでも千里眼を使う前にやられてしまえば無理だ。仲間内ならシャオのループリーパーなら対抗はできるか」
「確かにな。あいつのは対処のしようがない。ところで全然話が変わるんだけどさ、先日、もっと面白い技を思いついたんだよ」
「はぁ、またお前はろくでもないこと思いついたのか?」
「でも、これはここぞって時にしか使えないからねー」
「はっは、なんだ?そんなにやばいのか?」
「あぁ、やばいね!試したいけど試せないから、困ったよ危険過ぎてね」
「なんだそりゃ、じゃあ、ダメじゃないか」
「ダメってことはないさ。イメージは大事だよ。理屈で頭が理解していたら、いざやろうと思った時なんだってできるさ」
「んで?どんな技なんだ?」
「遊はさぁ、真空がどんな状態かわかるか?」
「バカにしてんのか?そんなもん空気がない状態だろうが」
「だよねー、そんでさ真空には何もない、何もないところから何かを生み出すには莫大なエネルギーが必要だ。それが万に一つとして成功したとしよう、じゃあどうなると思う」
遊は何かに気づいて、驚きの顔をする。
「おい・・・まさか」
「宇宙ってね、作れるんだよ」
「はっはっはっはっはっ!!!!!そいつぁ、馬鹿げた話だ!そんなことしたらどれほどの被害が出るか!そりゃあ使えんな!」
「そうだろ?まぁ、いつかは使いたいがな」
二
「今がその時かな・・・」
誰からどう見ても劣勢のはずの志貴はウラノスの力には動じていなかった。むしろ、笑っていた。
「何を企んでるかは知らんが無駄なことだ。この俺を殺せるはずないのだからな」
「はっはっはっは!!!!さぁそれはどうだろうね!殺せはしないかも知れないけど消せはするんじゃないかな!」
高らかに笑い上げると志貴は手を広げる。
「真無宇宙空壊帯!!」
広範囲にある辺りの空気は一瞬にして消え失せる。
(意味のないとこだ、空気を無くしたとて俺は死なん。そんなことに今更なんの意味がある)
ウラノスが顕現させた、無数の眩い羽は志貴へと降り注ぐ。
(真無宇宙空壊帯)
(!?)
ウラノスは見た。真空の中、何もないはずの無の空間から現れた無。目には見えないはず。だがしかし、ウラノスは感じていた
そこにあるエネルギーと呼ぶべきなのかわからない何かを。
(なんだ・・)
(真空の中にもう一つベクトルの違う真空を発生させる。すると二つの力はどうなるのか)
まさに一瞬だった、音は無く、ただそれは爆ぜた。その衝撃はウラノスの無数の羽を飲み込み、空間は瓦解した。真空の領域外までその力は及ぶ。糸音達は地上からそれを見ていた。彼女らは奇跡を目撃したのだった。青い空は暗闇に包まれる。いや、それはもはやただの暗闇では無く、宇宙と呼ばれる空間そのものであった。一連の流れを簡単にまとめると志貴はビックバンを起こしたのであった。
「こいつぁ、すごいや・・自分でやってみたが見惚れちゃうね。んで、奴はどこかな」
志貴は辺りを見渡すとウラノスは志貴が生み出した、宇宙領域の中で浮いていた。ただし体の半分を失いっていた。再生はしているもののゆっくりだった。
(まさか、これほどとは・・しかし、やはりそれでも俺を仕留め切れぬか。人間の限界はあるのだな)
「はぁ、まだ生きてるのか。でも、まだ終わらないよ。二つの力は互いに爆ぜてビックバンを起こした。二つの離れ合った力は次に別の力を生む、それは引き寄せる力だよ。天使でもブラックホールぐらい聞いたことあるだろ」
次の瞬間、凄まじい勢いでおそらく力の中心であるその場所へと吸い込まれていく。地上にあるありとあらゆるモノ、空中にある物質、乱雑にただただ、力の根源へと吸い込まれる。それは真空でさえも飲み込む。
「馬鹿な!人の身であまつさえ宇宙を作り出し、これほどの力を扱えるなど!!」
「舐めてかかるからだよ!天使様!ブラックホールの先は未知だ!どうなるか楽しみだな!さぁ、一緒に行こうぜ天使様!」
二人は一瞬のうちにブラックホールへと吸い込まれ、地上には大穴だけが残った。まるでそこには何もなかったかのように全てが消えた。
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