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第七章 天使転輪
第190話 来訪者(五)
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上空ではまるで戦争でも起こっているかの様な有様だった。空気と光が破裂を繰り返し、爆音が鳴り響き、ぶつかり合うたびに突風が吹き荒ぶ。とても二人だけの戦争とは思えない有様だった。
「やっぱりこういうのは飽きが来るのが早い」
「たしかに、同感だ」
「ってことで、ここいらで引いてくれませんかね?」
「それはできぬ相談だな。むしろ、貴様の方が諦めて俺と来い」
「だから、嫌だって」
「断固拒否か。まぁいいさ、残念だがそろそろ終わりそうだ」
「何言ってんだ?さっきから両方ノーダメージだ・・ぜ」
ヒュッン!
少量だった。僅か少量の光が志貴の頬を掠めた。
(壁を 貫通した?どういう事だ・・・まさか)
「いつも思う事がある。楽しいと思っていることほど永遠とは程遠いところにある」
男はさも残念そうに志貴を見ていた。
ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュッ!ヒュッ!
次から次へと光の線は志貴が作り出した空気の壁を貫通してきて体を掠める。
「なるほどね。頭いいじゃん。まさか、反射を計算して無数の光を一点に集中させ威力をあげる。こっちから見れば君がどれだけの数の光を打っているから見えなかったよ」
「流石の貴様も、これだけの光を目で追うことなど不可能だったな。無数の光はやがて一点に集中して、そして、やがてたどり着く」
ヒュッン!!
志貴の左肩に光が貫通する。
「はっは、やられたね」
「驚いたな。壁の内側なら俺は光を自在に操れるんだが。俺が操ったすぐ後に反応して避けるとはな」
「まじで、危なかったよ・・でも、流石に痛いね、こりゃ」
志貴は左腕を動かそうとしたが全く力が入らなかった。
(なるほど。たしかにあれだけの光線を受ければ神経ごとやられるってわけか)
そこからは一気に状況が一変した。放たれる光は志貴が展開した空気の層を次から次へと貫通し、志貴の体へと襲いかかる。
「じゃあ、逃げますか」
志貴は持ち前の脚力で空中を駆け回る。その後を追い無数の光が志貴へ襲いかかる。
「また鬼ごっこだな」
(どういうことだ・・雲が出ているにも関わらず、この速さ・・力を隠していたということか)
「はっは、笑えない冗談だ」
「さぁ、次は何を見せてくれるんだ、人間」
空中では光の線が高速に動いていた。その様子を地上から不安げな表情で見守る糸音。
「兄さん・・」
そんな不安げな糸音の背後から場違いなほど陽気な声が飛んでくる。
「あっ!糸音ちゃんじゃん!生きてたのか!良かったぜ!」
「その声は・・相変わらずだな槍士」
「はっは、まぁ俺は明るいのが取り柄だからな!っでそこに横になっているのが真宵か?大丈夫なのか?」
「うん。今は気絶しているだけだ」
「そうか。てか、何があったんだ?見るからに交戦状態だけど」
空中を見上げている槍士に糸音は大まかな状況を説明する。
「まじか!また、あの男か・・」
「なんだ、会った事があるのか?」
「あぁ、先の任務で神無ちゃんを攫ったやつだ!全く歯が立たなかった・・というよりも手も足も出なかった」
「やっぱり、やばいやつだったんだな。対峙した時、物凄く嫌な感じがしたんだ。真宵もアイツにやられた」
「しかし、よく生きていたもんだぜ二人共」
「それは、兄さんが間一髪のところで来てくれたからだよ」
「さすが先生だな。しかし、あんな化け物と互角にやり合うなんて先生はやっぱしやべぇな」
「互角か・・」
糸音には空中で起こっていることが見えていた。自分でもわからなかったが何故か二人の動きを目で追えていた。だからこそわかる。今、劣勢になっている志貴の姿が。
「やっぱりこういうのは飽きが来るのが早い」
「たしかに、同感だ」
「ってことで、ここいらで引いてくれませんかね?」
「それはできぬ相談だな。むしろ、貴様の方が諦めて俺と来い」
「だから、嫌だって」
「断固拒否か。まぁいいさ、残念だがそろそろ終わりそうだ」
「何言ってんだ?さっきから両方ノーダメージだ・・ぜ」
ヒュッン!
少量だった。僅か少量の光が志貴の頬を掠めた。
(壁を 貫通した?どういう事だ・・・まさか)
「いつも思う事がある。楽しいと思っていることほど永遠とは程遠いところにある」
男はさも残念そうに志貴を見ていた。
ヒュンッ!ヒュンッ!ヒュッ!ヒュッ!
次から次へと光の線は志貴が作り出した空気の壁を貫通してきて体を掠める。
「なるほどね。頭いいじゃん。まさか、反射を計算して無数の光を一点に集中させ威力をあげる。こっちから見れば君がどれだけの数の光を打っているから見えなかったよ」
「流石の貴様も、これだけの光を目で追うことなど不可能だったな。無数の光はやがて一点に集中して、そして、やがてたどり着く」
ヒュッン!!
志貴の左肩に光が貫通する。
「はっは、やられたね」
「驚いたな。壁の内側なら俺は光を自在に操れるんだが。俺が操ったすぐ後に反応して避けるとはな」
「まじで、危なかったよ・・でも、流石に痛いね、こりゃ」
志貴は左腕を動かそうとしたが全く力が入らなかった。
(なるほど。たしかにあれだけの光線を受ければ神経ごとやられるってわけか)
そこからは一気に状況が一変した。放たれる光は志貴が展開した空気の層を次から次へと貫通し、志貴の体へと襲いかかる。
「じゃあ、逃げますか」
志貴は持ち前の脚力で空中を駆け回る。その後を追い無数の光が志貴へ襲いかかる。
「また鬼ごっこだな」
(どういうことだ・・雲が出ているにも関わらず、この速さ・・力を隠していたということか)
「はっは、笑えない冗談だ」
「さぁ、次は何を見せてくれるんだ、人間」
空中では光の線が高速に動いていた。その様子を地上から不安げな表情で見守る糸音。
「兄さん・・」
そんな不安げな糸音の背後から場違いなほど陽気な声が飛んでくる。
「あっ!糸音ちゃんじゃん!生きてたのか!良かったぜ!」
「その声は・・相変わらずだな槍士」
「はっは、まぁ俺は明るいのが取り柄だからな!っでそこに横になっているのが真宵か?大丈夫なのか?」
「うん。今は気絶しているだけだ」
「そうか。てか、何があったんだ?見るからに交戦状態だけど」
空中を見上げている槍士に糸音は大まかな状況を説明する。
「まじか!また、あの男か・・」
「なんだ、会った事があるのか?」
「あぁ、先の任務で神無ちゃんを攫ったやつだ!全く歯が立たなかった・・というよりも手も足も出なかった」
「やっぱり、やばいやつだったんだな。対峙した時、物凄く嫌な感じがしたんだ。真宵もアイツにやられた」
「しかし、よく生きていたもんだぜ二人共」
「それは、兄さんが間一髪のところで来てくれたからだよ」
「さすが先生だな。しかし、あんな化け物と互角にやり合うなんて先生はやっぱしやべぇな」
「互角か・・」
糸音には空中で起こっていることが見えていた。自分でもわからなかったが何故か二人の動きを目で追えていた。だからこそわかる。今、劣勢になっている志貴の姿が。
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