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第七章 天使転輪
第127話 相性
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一
「いったいどこまで行ったんですの?」
涼香はエントリームの後を追って森に入ったが一向に彼の姿が見えてこなかった。しばらく歩いていると森が開けてきて火山地帯があった。そしてそんな火山地帯にエントリームはいた。
「全く、レディを歩かせるなんて最悪ですわね」
「悪いね、女帝さん」
「その女帝さんっていうのやめてくださるかしら」
「おうけい。じゃあ俺から名乗らせてもらうぜ。俺はエントリーム。お嬢さんのお名前は?」
「あらあら、心得ているのね。私は夕凪涼香よろしくですわ」
「なぁ、涼香は氷を操るって聞いたんだけどよ。正直、俺とは相性最悪だぜ」
「早速、下の名前で呼ぶとは、やはり見た目通りの男ですわね。それで相性が最悪というのは?」
「あー、だって俺は炎を操るんだぜ。火と氷、どう考えても不利だろ、あんた」
「やってみないとわかりませんわよ」
「まぁたしかに、、やっぱり面白いなあんたは」
「あなたも面白い男ですわね。とても興味深いですわ」
「なんだ?ナンパか?」
「悪くはないですが、まずは殺し合いを楽しみましょうか」
「!?」
その瞬間、場の空気が一瞬で変わった。冷たく鋭い殺気をエントリームは感じた。
「恐ろしいね。そういや相性が悪いと言えばさっきの子かわいそうだぜ」
「ん?あら、何故ですの?」
「だってあっちは火と水だろ?めちゃくちゃ最悪じゃんか」
「ふっふっふ、たしかに最悪ですわね。でもそんな事は今はどうでもいいでしょう。さぁやりましょうか」
(もっとも、最悪なのは後で待っている、あれを止めなくてはならないという事ですが)
二
火憐は海にできるだけ近寄らずに水鏡からの水の攻撃を次から次へとかわしていた。
「なかなかタフですね。さすがは夕凪家ですか!」
「あー、もー鬱陶しいな水って!」
火憐は繰り返し水鏡を鎖で当てたり、殴ったりしていた。その度に再生する水鏡にイライラしていた。そして火憐のそのイライラが自身の隙を生むことになってしまう。
「君はすぐに感情的になるな。だから隙が生じる!」
「ぐっ!」
水鏡は火憐の隙をついて、大きさがバラバラの無数の水球体を作り出して火憐へと当てる。火憐は全てを避けきることができず数発命中して、たまらず膝をつく。
「はぁ、、はぁ、、やってくれたな!ん?」
気づくと火憐の目の前には小さな水球体があった。
「!?」
そして、その水球体が弾けて無数の水の針が火憐の体を串刺しにした。火憐は血まみれになり意識を失ってその場に倒れた。
「死体は綺麗なままが良かったんですが。まぁ仕方ありませんね」
火憐の元へと近づき水を操り、人が入れるくらいの水球体を作り出してその中へ火憐を入れた。
「かなりダメージは負ったはずですから、あとはこれに入れて窒息でもさせますか」
火憐は水牢に入れられて空中を浮遊しながら運ばれる。
「さて、エントリームの方はどうでしょうか。あの軽薄な男は火氷の女帝を舐めている節がありましたからね。今頃、痛い目にあっているかもしれま、、!?」
水鏡は急に後方から冷たい殺気を感じて振り返るが、しかしそこには誰もいなかった。いるのは今し方、水牢に入れた火憐だけであった。
「なんだ、気のせいか、、まさかな、、」
次の瞬間、再び殺気を感じて自ら作った水牢から離れて距離をとる。
(気のせいではない!?これは!)
火憐の入れていた水牢が消えた。正確には火憐の中に消えていく様に水鏡には見えていた。そして火憐はやわらかい砂浜へと落ちた。
「な、なんだ!?何が起こっている!まだ死んでいないのか!?ならば!」
水鏡は水の槍を無数に作り出し、そして火憐へと飛ばす。
「ばっ、ばかな!」
水鏡は目を疑った。その水槍は火憐には当たったが、火憐は無傷だった。それどころか飛ばした水槍が全て火憐に当たるとまるでスポンジの様に火憐の体へと吸収されていった。そして火憐はゆっくりと起きて立ち上がった。
「な、なぜ生きている!いや!それよりもさっきからそれはなんだ!?」
「はっはっは!慌てるなよ。うるさいやつだな」
火憐は不敵に笑って水鏡を見据えた。
「いったいどこまで行ったんですの?」
涼香はエントリームの後を追って森に入ったが一向に彼の姿が見えてこなかった。しばらく歩いていると森が開けてきて火山地帯があった。そしてそんな火山地帯にエントリームはいた。
「全く、レディを歩かせるなんて最悪ですわね」
「悪いね、女帝さん」
「その女帝さんっていうのやめてくださるかしら」
「おうけい。じゃあ俺から名乗らせてもらうぜ。俺はエントリーム。お嬢さんのお名前は?」
「あらあら、心得ているのね。私は夕凪涼香よろしくですわ」
「なぁ、涼香は氷を操るって聞いたんだけどよ。正直、俺とは相性最悪だぜ」
「早速、下の名前で呼ぶとは、やはり見た目通りの男ですわね。それで相性が最悪というのは?」
「あー、だって俺は炎を操るんだぜ。火と氷、どう考えても不利だろ、あんた」
「やってみないとわかりませんわよ」
「まぁたしかに、、やっぱり面白いなあんたは」
「あなたも面白い男ですわね。とても興味深いですわ」
「なんだ?ナンパか?」
「悪くはないですが、まずは殺し合いを楽しみましょうか」
「!?」
その瞬間、場の空気が一瞬で変わった。冷たく鋭い殺気をエントリームは感じた。
「恐ろしいね。そういや相性が悪いと言えばさっきの子かわいそうだぜ」
「ん?あら、何故ですの?」
「だってあっちは火と水だろ?めちゃくちゃ最悪じゃんか」
「ふっふっふ、たしかに最悪ですわね。でもそんな事は今はどうでもいいでしょう。さぁやりましょうか」
(もっとも、最悪なのは後で待っている、あれを止めなくてはならないという事ですが)
二
火憐は海にできるだけ近寄らずに水鏡からの水の攻撃を次から次へとかわしていた。
「なかなかタフですね。さすがは夕凪家ですか!」
「あー、もー鬱陶しいな水って!」
火憐は繰り返し水鏡を鎖で当てたり、殴ったりしていた。その度に再生する水鏡にイライラしていた。そして火憐のそのイライラが自身の隙を生むことになってしまう。
「君はすぐに感情的になるな。だから隙が生じる!」
「ぐっ!」
水鏡は火憐の隙をついて、大きさがバラバラの無数の水球体を作り出して火憐へと当てる。火憐は全てを避けきることができず数発命中して、たまらず膝をつく。
「はぁ、、はぁ、、やってくれたな!ん?」
気づくと火憐の目の前には小さな水球体があった。
「!?」
そして、その水球体が弾けて無数の水の針が火憐の体を串刺しにした。火憐は血まみれになり意識を失ってその場に倒れた。
「死体は綺麗なままが良かったんですが。まぁ仕方ありませんね」
火憐の元へと近づき水を操り、人が入れるくらいの水球体を作り出してその中へ火憐を入れた。
「かなりダメージは負ったはずですから、あとはこれに入れて窒息でもさせますか」
火憐は水牢に入れられて空中を浮遊しながら運ばれる。
「さて、エントリームの方はどうでしょうか。あの軽薄な男は火氷の女帝を舐めている節がありましたからね。今頃、痛い目にあっているかもしれま、、!?」
水鏡は急に後方から冷たい殺気を感じて振り返るが、しかしそこには誰もいなかった。いるのは今し方、水牢に入れた火憐だけであった。
「なんだ、気のせいか、、まさかな、、」
次の瞬間、再び殺気を感じて自ら作った水牢から離れて距離をとる。
(気のせいではない!?これは!)
火憐の入れていた水牢が消えた。正確には火憐の中に消えていく様に水鏡には見えていた。そして火憐はやわらかい砂浜へと落ちた。
「な、なんだ!?何が起こっている!まだ死んでいないのか!?ならば!」
水鏡は水の槍を無数に作り出し、そして火憐へと飛ばす。
「ばっ、ばかな!」
水鏡は目を疑った。その水槍は火憐には当たったが、火憐は無傷だった。それどころか飛ばした水槍が全て火憐に当たるとまるでスポンジの様に火憐の体へと吸収されていった。そして火憐はゆっくりと起きて立ち上がった。
「な、なぜ生きている!いや!それよりもさっきからそれはなんだ!?」
「はっはっは!慌てるなよ。うるさいやつだな」
火憐は不敵に笑って水鏡を見据えた。
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