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第七章 天使転輪
第126話 南の海岸戦
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絶海の孤島の南に一隻の船が着岸していた。
島に降り立つは夕凪家最強姉妹、夕凪涼香と夕凪火憐、二人は島の様子を砂浜から観察する。
「どうやら、レーザーを打ってこないところを見るにメイはうまくやってくれたようですわね」
「さすがメイ。んで、姉さんこれはやられたね」
「ええ、まんまとやられましたわね。ここは絶海の孤島の様でそうではない様ですわね」
「異空間か幻覚か」
「おそらく異空間でしょうね。外観はそのままで、島へ足を踏み入れると発動するタイプの異能ですわね。この島のどこかに術者がいるのか、それとも外にいて、私たちを閉じ込めているのか、どちらにせよ四方からの奇襲は初手で失敗ですわね」
「仕方ない。進もう」
「いえ、その必要はないですわよ火憐」
「え?」
「ほら、来ましたわ。彼らに聞きましょうか」
火憐は言われて森の方を見ると中から二人の男が現れた。一人は長身で少しやさぐれで顎鬚の生えたハットを被った男、もう一人は袴を着ている細目の男。長身の男が涼香達に話しかける。
「おいおい、お姉さん達が俺らの相手か?」
「おい、エントリーム!あまり彼女達を舐めないほうがいいぞ。夕凪家最強姉妹なんだから、しかも片方は火氷の女帝だ」
「あらあら、その名で呼ばれるのは久しぶりですわね」
「へぇ、じゃあその女帝さんは俺がやらせてもらうぜ。水鏡はそっちのお嬢さんで」
「勝手なやつめ、、まぁいいだろう」
「おっけー、じゃあ女帝さん、ちょいと移動しようか」
そういうと森の中へと入って行った。
「面白い男ですわね。のってさしあげますわ。火憐、あの男はよろしくね」
「了解!」
涼香はエントリームの後を追って森へと入る。残された二人、火憐と水鏡は互いを見合う。
「夕凪火憐、鎖を扱い。耐熱の特殊体質で鎖を腕に巻き火を纏うという」
「おうおう、よく調べてるな。そういうお前は知らないや」
「しかし」
水鏡は火憐へと手を伸ばすと、その手から水が滴り落ちる。
「私の前ではそれは無駄だな」
「あぁ、そういうことね。最悪だわ、これは」
水鏡は手から出る水を槍の形に操作するとそれを火憐へと投げる。火憐はそれを素早く避けると鎖を取り出して水鏡を捕らえにかかるが、水鏡の体を捕らえることはできなかった。なんと水鏡の体は水になり消えたのだった。
「へぇ、なるほどね。水の異能か」
「えぇ、だから無駄なんですよ」
「!?」
火憐の足元の砂浜から全身水の姿の水鏡が人の形をして現れて火憐の喉へと水の刃を突き立てる。火憐は咄嗟に自分の首に鎖を巻き付けると水の刃を防ぎきる。そして後方へ下がり距離をとった。
「さすがですね。よく今のを防ぎましたね」
「正直危なかったけど、まぁここからだね」
火憐は鎖を両腕に巻き付けるとそれを擦り合わせ火を纏う。
「ほう、これは素晴らしい。本物ですね」
「舐めてるとやけどするよ」
火憐は水鏡へと駆け出す。そして水鏡へと火を纏う鎖の拳打を次から次に繰り出す。しかしその度に水鏡は水へと変化して攻撃をかわす。
「鬱陶しいな」
「当たらないですよ。いくらやってもね。それと大振りで隙だらけです!」
水鏡は隙を見て水の球体を作り出して火憐の腹にぶつける。
「ぐっ!」
もろにくらった火憐は後方にあった海へと吹っ飛ぶ。
「鎮火しましたね」
「クソッタレが」
火憐はすぐに立ち上がる。その瞬間、火憐の周りの海水が尖った針となって襲いかかってくる。それを鎖が巻かれている腕で全て防ぐ。
「こんなものか?水野郎」
「ふん、まさか」
次の瞬間、どこからともなく手が伸びてきて火憐の足を掴んだ。そのまま火憐は海の中へと引きずられてしまった。
(しまった!水に触れるのは不味かったか!)
火憐は数分間、水の中に捕えられた。
「どんな人間でも水の中では息はできない。思ったよりも呆気ないですね」
数分後、水鏡は水の手を操作して火憐を海水から掴み上げると自分の近くまで寄せる。
「あなたの死体は高値で売れそうですから。回収しときましょう」
そう言って顔を近づけると火憐が目を開けた。
「ばーか」
「!?」
火憐は鎖を振り回し、水の手や水鏡を弾き飛ばした。
しかし水鏡は再び水となり消えて、すぐに現れた。
「ばかな。普通の人間がこれほど息を止めれるはずがない。何をした?」
「だから、ばーかなんだよ。私らは普通じゃないんだよ」
「そうでしたね。では、第二ラウンドですか」
島に降り立つは夕凪家最強姉妹、夕凪涼香と夕凪火憐、二人は島の様子を砂浜から観察する。
「どうやら、レーザーを打ってこないところを見るにメイはうまくやってくれたようですわね」
「さすがメイ。んで、姉さんこれはやられたね」
「ええ、まんまとやられましたわね。ここは絶海の孤島の様でそうではない様ですわね」
「異空間か幻覚か」
「おそらく異空間でしょうね。外観はそのままで、島へ足を踏み入れると発動するタイプの異能ですわね。この島のどこかに術者がいるのか、それとも外にいて、私たちを閉じ込めているのか、どちらにせよ四方からの奇襲は初手で失敗ですわね」
「仕方ない。進もう」
「いえ、その必要はないですわよ火憐」
「え?」
「ほら、来ましたわ。彼らに聞きましょうか」
火憐は言われて森の方を見ると中から二人の男が現れた。一人は長身で少しやさぐれで顎鬚の生えたハットを被った男、もう一人は袴を着ている細目の男。長身の男が涼香達に話しかける。
「おいおい、お姉さん達が俺らの相手か?」
「おい、エントリーム!あまり彼女達を舐めないほうがいいぞ。夕凪家最強姉妹なんだから、しかも片方は火氷の女帝だ」
「あらあら、その名で呼ばれるのは久しぶりですわね」
「へぇ、じゃあその女帝さんは俺がやらせてもらうぜ。水鏡はそっちのお嬢さんで」
「勝手なやつめ、、まぁいいだろう」
「おっけー、じゃあ女帝さん、ちょいと移動しようか」
そういうと森の中へと入って行った。
「面白い男ですわね。のってさしあげますわ。火憐、あの男はよろしくね」
「了解!」
涼香はエントリームの後を追って森へと入る。残された二人、火憐と水鏡は互いを見合う。
「夕凪火憐、鎖を扱い。耐熱の特殊体質で鎖を腕に巻き火を纏うという」
「おうおう、よく調べてるな。そういうお前は知らないや」
「しかし」
水鏡は火憐へと手を伸ばすと、その手から水が滴り落ちる。
「私の前ではそれは無駄だな」
「あぁ、そういうことね。最悪だわ、これは」
水鏡は手から出る水を槍の形に操作するとそれを火憐へと投げる。火憐はそれを素早く避けると鎖を取り出して水鏡を捕らえにかかるが、水鏡の体を捕らえることはできなかった。なんと水鏡の体は水になり消えたのだった。
「へぇ、なるほどね。水の異能か」
「えぇ、だから無駄なんですよ」
「!?」
火憐の足元の砂浜から全身水の姿の水鏡が人の形をして現れて火憐の喉へと水の刃を突き立てる。火憐は咄嗟に自分の首に鎖を巻き付けると水の刃を防ぎきる。そして後方へ下がり距離をとった。
「さすがですね。よく今のを防ぎましたね」
「正直危なかったけど、まぁここからだね」
火憐は鎖を両腕に巻き付けるとそれを擦り合わせ火を纏う。
「ほう、これは素晴らしい。本物ですね」
「舐めてるとやけどするよ」
火憐は水鏡へと駆け出す。そして水鏡へと火を纏う鎖の拳打を次から次に繰り出す。しかしその度に水鏡は水へと変化して攻撃をかわす。
「鬱陶しいな」
「当たらないですよ。いくらやってもね。それと大振りで隙だらけです!」
水鏡は隙を見て水の球体を作り出して火憐の腹にぶつける。
「ぐっ!」
もろにくらった火憐は後方にあった海へと吹っ飛ぶ。
「鎮火しましたね」
「クソッタレが」
火憐はすぐに立ち上がる。その瞬間、火憐の周りの海水が尖った針となって襲いかかってくる。それを鎖が巻かれている腕で全て防ぐ。
「こんなものか?水野郎」
「ふん、まさか」
次の瞬間、どこからともなく手が伸びてきて火憐の足を掴んだ。そのまま火憐は海の中へと引きずられてしまった。
(しまった!水に触れるのは不味かったか!)
火憐は数分間、水の中に捕えられた。
「どんな人間でも水の中では息はできない。思ったよりも呆気ないですね」
数分後、水鏡は水の手を操作して火憐を海水から掴み上げると自分の近くまで寄せる。
「あなたの死体は高値で売れそうですから。回収しときましょう」
そう言って顔を近づけると火憐が目を開けた。
「ばーか」
「!?」
火憐は鎖を振り回し、水の手や水鏡を弾き飛ばした。
しかし水鏡は再び水となり消えて、すぐに現れた。
「ばかな。普通の人間がこれほど息を止めれるはずがない。何をした?」
「だから、ばーかなんだよ。私らは普通じゃないんだよ」
「そうでしたね。では、第二ラウンドですか」
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