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第五章 忘却再生
第68話 ヘイオーという国
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「おい、アジトはまだか?」
「すまない、もうちょいだ」
二人は森の中をかれこれ二時間以上歩いていた。常人ならすぐに迷ってしまうであろう森を二人は進んでいく、糸音は実家の望める森に似ているなとそんなことを思っていた。
「ここだ」
開けた場所につくとそこには小さい小屋が森のなかにポツンと立っていた。
「なんだ、えらく小さいアジトだな」
「目立つのはダメだろ、だからこじんまりとしたほうがいいんだ、この小屋から革命が始まるんだ」
「まぁ何でもいいけど」
二人は小屋に入り、糸音は手頃な椅子を引っ張ってきて座る。ルクスリアはお茶を沸かし始めた。えらく家庭的なアジトだと思った。
「他の二人は?」
「あぁ、今は任務に出てもらっている、一人はもうじき帰ってくると思う」
「そうか」
糸音は目を瞑り、静かに待った。ルクスリアはというと、茶を飲みながら新聞を見ていた。本当にどこにでもある家庭の様な風景だった。そして数時間後、扉からノックが聞こえて外から一人の少女が入ってくる、歳は糸音と同じくらいの少女だった。
「ただいま、ルクスリア、って誰?」
「あぁ、紹介しよう、我らが同志になった夕凪糸音だ、歳は詩織と同じだ」
「糸音、、、、ふぅん、夕凪か、、、よろしく私は波風詩織、主に偵察とかやってる」
「あぁ、よろしく」
糸音は立ち上がり詩織と握手を交わす、その瞬間糸音は立ちくらみがして膝をつく、徐々に頭痛もひどくなってその場に倒れる。
「お、おい!大丈夫か?何かしたのか?詩織」
「いや、別に、とりあえずベッドに運ぼう」
何食わぬ顔で詩織は糸音を、担いで二階にあるベッドへと運んだ。
数分後、糸音は目を覚ました。
「なんだ、寝てたのか」
「大丈夫か?急に倒れたから」
ベッドの傍らで変わらぬ様子で新聞を読んでいたルクスリア、その横の椅子に座って本を読んでいる詩織がいた。
「起きたか、さてじゃあ現状を報告させてもらってもいいかな?ルクスリア」
「あぁ頼む」
糸音達は詩織が持ってきた情報を聞くこととなった。
「なるほど、奴が動きだしたんだな」
「あぁ、進行が早い。西のブライト地区と東のミラーレス地区との戦争は苛烈を極め、特に戦場となった西の地区は酷い有様だった。勝敗は東の圧勝だった。東の次の標的がこの南の地区だ。もうじき押し寄せてくるだろう、おそらく私の見立てでは来週にでも」
「止めねばならんな、もうじき奴も帰ってくる。新たな戦力もできた、この戦争を終わらせなければ」
「戦争か」
糸音はルクスリアからこの国の詳しい内情を聞いた。この国は大きく四人の悪の勢力に分けられているらしい東のライククイーン、西のクレインバルド、北のジャックザリッパー、南のカルカサンドラ、全員が名のある悪党共らしい、この国は今、悪が支配する弱肉強食なる国なのだ。もちろん考え方の違う悪党達が四人も同じ国にいれば戦争が起こるのは必然、隣国はこの国には一切関与しない、関われば何があるかわからないからだ。この国の一般人はみな争いなどが比較的少ない地区に移動しながら隠れ住んでいるらしい。最初からこんな国ではなかったが、ある時、四人の悪党が王族を討ち取り国を乗っ取った、そして意見の食い違いにより四人は国を四つに割ったそうだ、それが今の四人らしい。そして先日ついに拮抗していた四勢力の一つの西が動きだして、東に向かったがあえなく劣勢になり東と西は合併となった、というのが今の現状だ。
「くだらん戦争だな」
糸音は興味なさげに呆れた。
「本当にそうさ、悪党が支配する国だって、馬鹿げてる、この国の正義は死んだんだ。だけど我々四人がこの国を変えるんだ、確かな正義の名の下に」
「あついねー、ルクスリアは、まぁそこが良いんだけど。まぁ報告は済んだし私は疲れたからもう寝るよー」
「あぁ、おやすみ詩織」
詩織はベッドに潜って寝息を立て始めた。
「今日は寝ようか、糸音、明日から頼むぞ」
「あぁ、おやすみルクスリア」
糸音はベッドに再び横になると目を閉じる。
「すまない、もうちょいだ」
二人は森の中をかれこれ二時間以上歩いていた。常人ならすぐに迷ってしまうであろう森を二人は進んでいく、糸音は実家の望める森に似ているなとそんなことを思っていた。
「ここだ」
開けた場所につくとそこには小さい小屋が森のなかにポツンと立っていた。
「なんだ、えらく小さいアジトだな」
「目立つのはダメだろ、だからこじんまりとしたほうがいいんだ、この小屋から革命が始まるんだ」
「まぁ何でもいいけど」
二人は小屋に入り、糸音は手頃な椅子を引っ張ってきて座る。ルクスリアはお茶を沸かし始めた。えらく家庭的なアジトだと思った。
「他の二人は?」
「あぁ、今は任務に出てもらっている、一人はもうじき帰ってくると思う」
「そうか」
糸音は目を瞑り、静かに待った。ルクスリアはというと、茶を飲みながら新聞を見ていた。本当にどこにでもある家庭の様な風景だった。そして数時間後、扉からノックが聞こえて外から一人の少女が入ってくる、歳は糸音と同じくらいの少女だった。
「ただいま、ルクスリア、って誰?」
「あぁ、紹介しよう、我らが同志になった夕凪糸音だ、歳は詩織と同じだ」
「糸音、、、、ふぅん、夕凪か、、、よろしく私は波風詩織、主に偵察とかやってる」
「あぁ、よろしく」
糸音は立ち上がり詩織と握手を交わす、その瞬間糸音は立ちくらみがして膝をつく、徐々に頭痛もひどくなってその場に倒れる。
「お、おい!大丈夫か?何かしたのか?詩織」
「いや、別に、とりあえずベッドに運ぼう」
何食わぬ顔で詩織は糸音を、担いで二階にあるベッドへと運んだ。
数分後、糸音は目を覚ました。
「なんだ、寝てたのか」
「大丈夫か?急に倒れたから」
ベッドの傍らで変わらぬ様子で新聞を読んでいたルクスリア、その横の椅子に座って本を読んでいる詩織がいた。
「起きたか、さてじゃあ現状を報告させてもらってもいいかな?ルクスリア」
「あぁ頼む」
糸音達は詩織が持ってきた情報を聞くこととなった。
「なるほど、奴が動きだしたんだな」
「あぁ、進行が早い。西のブライト地区と東のミラーレス地区との戦争は苛烈を極め、特に戦場となった西の地区は酷い有様だった。勝敗は東の圧勝だった。東の次の標的がこの南の地区だ。もうじき押し寄せてくるだろう、おそらく私の見立てでは来週にでも」
「止めねばならんな、もうじき奴も帰ってくる。新たな戦力もできた、この戦争を終わらせなければ」
「戦争か」
糸音はルクスリアからこの国の詳しい内情を聞いた。この国は大きく四人の悪の勢力に分けられているらしい東のライククイーン、西のクレインバルド、北のジャックザリッパー、南のカルカサンドラ、全員が名のある悪党共らしい、この国は今、悪が支配する弱肉強食なる国なのだ。もちろん考え方の違う悪党達が四人も同じ国にいれば戦争が起こるのは必然、隣国はこの国には一切関与しない、関われば何があるかわからないからだ。この国の一般人はみな争いなどが比較的少ない地区に移動しながら隠れ住んでいるらしい。最初からこんな国ではなかったが、ある時、四人の悪党が王族を討ち取り国を乗っ取った、そして意見の食い違いにより四人は国を四つに割ったそうだ、それが今の四人らしい。そして先日ついに拮抗していた四勢力の一つの西が動きだして、東に向かったがあえなく劣勢になり東と西は合併となった、というのが今の現状だ。
「くだらん戦争だな」
糸音は興味なさげに呆れた。
「本当にそうさ、悪党が支配する国だって、馬鹿げてる、この国の正義は死んだんだ。だけど我々四人がこの国を変えるんだ、確かな正義の名の下に」
「あついねー、ルクスリアは、まぁそこが良いんだけど。まぁ報告は済んだし私は疲れたからもう寝るよー」
「あぁ、おやすみ詩織」
詩織はベッドに潜って寝息を立て始めた。
「今日は寝ようか、糸音、明日から頼むぞ」
「あぁ、おやすみルクスリア」
糸音はベッドに再び横になると目を閉じる。
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