天使ノ探求者

はなり

文字の大きさ
上 下
63 / 199
第四章 捲土重来

第62話 最後の一人

しおりを挟む
シーバが階段から上がるとそこには若者達に話を聞いていた糸見が居た。
 
「お、シーバ!何があった!」
 
「おう、ボス。フィは今一時的に死んでいる」
 
「フィの毒だな。それで本当に何があった」
 
「フィと俺でシファという男と交戦になり、手強かったが殺れた。だがフィがルールを破る羽目になってしまってな、それで先に毒で一時的に死んで、急場は凌げた」
 
「なるほどな、こっちも一人殺った。その毒の効力はたしか20分だったか」
 
「あぁ、解毒はここにある。だが、今使うと生き返ったとしてもルール上破ったことは消えず本当に死んでしまうだろうな。おそらくもう5分は経っているはずだ」
 
「なら、後15分以内に残りの一人を殺すしかないな」
 
「それと、ここの地下で行われていた事もわかったぜ」
 
「仕事が早いな、それは全て終わってから聞こう。シーバ下がっていろ」
 
糸見が振り返ると階段から足音が聞こえてくる。その足音は気味の悪いくらいに綺麗に聞こえてくる。静かな殺気がこの階層に降りてくる。そして階段から一人の真っ黒の服に身を纏った男が降りてきた。
 
「手間が省けた、最後の一人がお出ましだ」
 
「おめでとう、糸見様。ようやくあなたと私の殺し合いができる、私はモーティブ」
 
「モーティブ、お前が最後でいいんだな」
 
「そうですね、私で最後になってしまいましたね、流石です。さて話は終わりにして早く殺りましょうか。時間がないんでしょう」
 
「あぁ、話しが早くて助かる」
 
「武器を使え糸見」
 
「な、なんだと?」
 
「安心しろ、ルールを変更してやった」
 
「信じられんな、ならお前が先に見せてみろ」
 
「ふっふ、そうだなこれは失敬。では」
 
モーティブはくないを取り出して糸見に投げつける。糸見は避け、モーティブを確認すると何ともなかった。
 
「どうやら、本当の様だ。しかし何のためだ?」
 
「そりゃ、あなたと本気で殺り合う為ですよ」
 
「すごく真っ直ぐな戦闘狂で助かった。遠慮なくいかせてもらう。シーバ、その二人を頼んだぞ、手を出すなよ」
 
「あぁ、わかった」
 
いつの間にかフロアには人が居なくなっていた。ここはもう二人の世界になっていた。
糸見は自身の得物、針剣を取り出すと構える。
 
(残り約12分、速攻で決める)
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...