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第三章 幽愁暗恨
第45話 超能力
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槍士と真宵が神無達と合流したその時間、B地区で志貴はある建物にいた。その建物はかつて、ヘルヘェブルを一望できたアミューズメントタワーと呼ばれていた。
「いやー、下の連中、弱すぎでしょ、一人未凪がいたけど瞬殺だったな。未凪は、仮にも夕凪家の分家なんだからもっと強くならなきゃ、ね君たち」
階段の影から武装した兵士が数人、志貴に襲いかかるが、志貴に近づく前に全員首が捩れ死に絶える。
志貴は屍を踏み進んでいくと扉を開けた。
「おや、こんなにまだいたのか」
扉の先には展望台だったがガラスは無く風通しがかなり良くなっていた。そして、そこには多数の武装した兵士が居た。
「そろそろ飽きてきたんだけどな」
兵士達は志貴に次から次へと襲いかかる。ライフルで撃つ者、ナイフで襲いかかる者、その全ての兵士達を志貴は片手を伸ばして空気中に何かを放ち、建物から吹っ飛ばした。
「おー、いっぱい落ちていってるな」
志貴は呑気に下を見下ろしていた。
ジャリッ
「ん?」
志貴は足音を聞き振り返ると目の前に血が飛んできた、正確にはナイフの形をした血が無数に志貴の目前に迫る。しかし志貴には当たらなかった、いや当たる前に弾けた。
「おいおい、挨拶も無しか」
「挨拶してほしいのか?夕凪志貴」
影から二人の男が現れた。一人は陰気で気だるそうな男で、もう一人が真っ赤なスーツを着た男だった。
「まじか、趣味のわりースーツだな」
「ほっとけ、それよりいいのか?足元」
「ん?」
志貴は言われて足元を見ると先ほど殺したはずの兵士が持っていた手榴弾を爆発させた。
ドッーーーン!!!
「危ないね、というかさ、次から次にやりすぎじゃない君たち」
志貴が先ほどいた所は崩壊してしまったが志貴は無傷で空中に立っていた。
「そりゃあ、怪物を相手にしてるんだ、ゆっくりしているとこっちがやられる」
「ライラ、あれが夕凪志貴か、、、浮いている」
今まで顔色ひとつ変えず立っていた陰険な男が口を開く。
「カバネ、あれが奴の異能、超能力だ」
「超能力?」
「あぁ、奴が呼ぶ超能力は未知数なんだ、空気を固めたり、浮いたり、浮かせたり、捻ったり、実際どこまでできるのかわからん」
「だから怪物なのか」
「いや、それだけじゃない、、」
会話の途中で何か目に見えない物が飛んで来るのを感じた二人はそれを避ける。
「おいおい、今のを避けるのか。それにしても本人の前で怪物って言うのは失礼だぞ」
「お前の能力は粗方わかっている。何回殺しあったと思ってるんだ?」
「それもそうか。それでなんで俺たちを狙うんだ?首謀者は誰だ?」
「宗谷だよ、俺たちは共謀しているんだ。夜月と宗谷とな!そして全員一致でお前たち夕凪家共とその傘下を皆殺しにすることを」
「宗谷だと、あいつは死んだはずだが」
「俺も驚いたさ、でも事実だ」
「なるほどな、兄さんは奴を殺し損ねたのか」
(夜月に未凪、それに宗谷か。それがもし本当なら最悪の展開だな)
「だから、今日こそお前の力の謎を明かして、そして殺す」
「ほう、ならせいぜい頑張るんだな未凪家当主さんよ!」
ライラはそこらに散っている血を集めると固めて無数の剣を作る。
「それにしてもお前、異能を使える様になったのか。俺達から盗んで」
「あぁ、血液を操る異能だ。そしてお前を殺すための力だ」
「さて、殺れるのかな?」
血の剣が志貴に向かって飛んでいく。
しかし志貴はその場から動かず血の剣は手前で弾ける。
「何度やっても同じだぞ。この俺の超能力で自身の周りにバリアを張っているからな」
「わかってるよ、だからこうするんだよ!」
ライラは血で志貴を取り囲み包む。
「ほうほう、俺を包んでどうするんだ?」
志貴はその場を動かず様子を見ていた。すると血の壁から針がいくつも伸びてきて、志貴に当たる前で散っては再び針になり向かってくる。
「こんなんで俺を封じたとでも」
志貴が手を伸ばして血をかき分けて血のドームから出てくる。
「おや?」
そこにはさっきの二人はいなかった。
(逃げたか?いや、何かを企んでいるな)
「乗ってやるよ」
「いやー、下の連中、弱すぎでしょ、一人未凪がいたけど瞬殺だったな。未凪は、仮にも夕凪家の分家なんだからもっと強くならなきゃ、ね君たち」
階段の影から武装した兵士が数人、志貴に襲いかかるが、志貴に近づく前に全員首が捩れ死に絶える。
志貴は屍を踏み進んでいくと扉を開けた。
「おや、こんなにまだいたのか」
扉の先には展望台だったがガラスは無く風通しがかなり良くなっていた。そして、そこには多数の武装した兵士が居た。
「そろそろ飽きてきたんだけどな」
兵士達は志貴に次から次へと襲いかかる。ライフルで撃つ者、ナイフで襲いかかる者、その全ての兵士達を志貴は片手を伸ばして空気中に何かを放ち、建物から吹っ飛ばした。
「おー、いっぱい落ちていってるな」
志貴は呑気に下を見下ろしていた。
ジャリッ
「ん?」
志貴は足音を聞き振り返ると目の前に血が飛んできた、正確にはナイフの形をした血が無数に志貴の目前に迫る。しかし志貴には当たらなかった、いや当たる前に弾けた。
「おいおい、挨拶も無しか」
「挨拶してほしいのか?夕凪志貴」
影から二人の男が現れた。一人は陰気で気だるそうな男で、もう一人が真っ赤なスーツを着た男だった。
「まじか、趣味のわりースーツだな」
「ほっとけ、それよりいいのか?足元」
「ん?」
志貴は言われて足元を見ると先ほど殺したはずの兵士が持っていた手榴弾を爆発させた。
ドッーーーン!!!
「危ないね、というかさ、次から次にやりすぎじゃない君たち」
志貴が先ほどいた所は崩壊してしまったが志貴は無傷で空中に立っていた。
「そりゃあ、怪物を相手にしてるんだ、ゆっくりしているとこっちがやられる」
「ライラ、あれが夕凪志貴か、、、浮いている」
今まで顔色ひとつ変えず立っていた陰険な男が口を開く。
「カバネ、あれが奴の異能、超能力だ」
「超能力?」
「あぁ、奴が呼ぶ超能力は未知数なんだ、空気を固めたり、浮いたり、浮かせたり、捻ったり、実際どこまでできるのかわからん」
「だから怪物なのか」
「いや、それだけじゃない、、」
会話の途中で何か目に見えない物が飛んで来るのを感じた二人はそれを避ける。
「おいおい、今のを避けるのか。それにしても本人の前で怪物って言うのは失礼だぞ」
「お前の能力は粗方わかっている。何回殺しあったと思ってるんだ?」
「それもそうか。それでなんで俺たちを狙うんだ?首謀者は誰だ?」
「宗谷だよ、俺たちは共謀しているんだ。夜月と宗谷とな!そして全員一致でお前たち夕凪家共とその傘下を皆殺しにすることを」
「宗谷だと、あいつは死んだはずだが」
「俺も驚いたさ、でも事実だ」
「なるほどな、兄さんは奴を殺し損ねたのか」
(夜月に未凪、それに宗谷か。それがもし本当なら最悪の展開だな)
「だから、今日こそお前の力の謎を明かして、そして殺す」
「ほう、ならせいぜい頑張るんだな未凪家当主さんよ!」
ライラはそこらに散っている血を集めると固めて無数の剣を作る。
「それにしてもお前、異能を使える様になったのか。俺達から盗んで」
「あぁ、血液を操る異能だ。そしてお前を殺すための力だ」
「さて、殺れるのかな?」
血の剣が志貴に向かって飛んでいく。
しかし志貴はその場から動かず血の剣は手前で弾ける。
「何度やっても同じだぞ。この俺の超能力で自身の周りにバリアを張っているからな」
「わかってるよ、だからこうするんだよ!」
ライラは血で志貴を取り囲み包む。
「ほうほう、俺を包んでどうするんだ?」
志貴はその場を動かず様子を見ていた。すると血の壁から針がいくつも伸びてきて、志貴に当たる前で散っては再び針になり向かってくる。
「こんなんで俺を封じたとでも」
志貴が手を伸ばして血をかき分けて血のドームから出てくる。
「おや?」
そこにはさっきの二人はいなかった。
(逃げたか?いや、何かを企んでいるな)
「乗ってやるよ」
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