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第三章 幽愁暗恨
第36話 ヘルフェブル戦
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一
京での戦いが始まった同時刻、東のヘルフェブルの廃ビル群地帯に入った五人の男女がいた。
「本当に大丈夫なのか?そこの姉ちゃんは強そうだがそっちのメガネは弱そうだが」
「失礼ですね。ねぇ神無」
「どうでもいいだろ、それ」
「どうでも良く無いよ!全く神無は」
「先輩、今のは失礼ですよ」
「おいおい、真宵もそう思うだろう?」
「人は見た目で判断してはいけませんよ」
「まぁまぁ仲良くしなよ、皆んなでさ」
志貴は四人を宥める。黒髪のショートヘアの女は神無といい。スーツ姿でメガネの小柄な男はミツギという。二人は遊が面倒を見ている部下らしい。
「ミツギ君はともかく、神無の方は強いよ。遊にも劣らないんじゃないかな」
「え、志貴さんひどいですよ」
「悪い悪い、ミツギ君も、よくあの遊についていけてる分すごいよ」
「それ褒めてないですよ」
「さて、そろそろだね」
話しながら進んでいると分かれ道にたどり着いた。廃ビル群地帯は主に三の地区で分けられている。高層ビルが倒れ瓦礫が多いA地区、いまだにビルが綺麗なまま残っているB地区、そして工場などが多かったC地区に分けられている。
「さて、じゃあ僕はB に行くよ。あそこは隠れやすい場所だしウヨウヨいそうだしね。で、そうだな。真宵と槍士はC、Aには神無とミツギが行ってくれ。おそらく敵は廃ビル群に潜伏していて、ヘルフェブル郊外に進軍するつもりだろう。だから進軍する前に行って食い止める。一応市長に言って、ヘルフェブルの街には警官兵をたくさん配備しておいたから万が一街が襲われてもすぐにはおちないだろう。それと何かあればさっき渡した救難信号を飛ばしてくれ、極力無理はするなよ」
「了解っす!先生、っでこの敵っていうのは多いのか?」
「おそらく吸血鬼と六花の集いの連中だろう」
「また吸血鬼か」
「さて、では作戦開始っと!」
二
「どう思う?真宵」
「唐突ですね。何がですか?」
「今回の襲撃だよ。こないだの学園襲撃の黒幕と同じかなって」
「どうでしょうね。現段階では全くわからないですけど。繋がりはあるでしょうね。それより、もうじき着きますよ」
志貴達と別れてC地区の工場地帯に入った槍士と真宵。
「それにしてもビルの間に工場がこんなにあるなんてな」
「ここは昔、産業が盛んな地区だったそうですよ。港も近いので貿易もここで行なっていたみたいです。今の市長さんは貿易などをしなくても街は安定してるから無駄だって言ってるそうです。その金はどこから来るのやら」
「たしかに、今の市長は怪しいところだらけだよな」
そうこう話しているうちに一つの工場に辿りついた。
「ここが先生の言っていた敵の拠点ってやつか」
志貴言葉を思い出す。
(いいか、神田工場という所がC地区の拠点になっているそうだ。中にはおそらく武装した六花の集いの連中がいると確認されている。そこで派手にやるといい)
「派手にか」
「先輩、僕はそこらのビルの中から援護するからよろしくです」
「え!おい!俺一人かよ」
「一人じゃないですよ、援護しますから」
「まぁ、いいけど頼むぜ」
二手に分かれ、それぞれの役割を果たしにいく。
京での戦いが始まった同時刻、東のヘルフェブルの廃ビル群地帯に入った五人の男女がいた。
「本当に大丈夫なのか?そこの姉ちゃんは強そうだがそっちのメガネは弱そうだが」
「失礼ですね。ねぇ神無」
「どうでもいいだろ、それ」
「どうでも良く無いよ!全く神無は」
「先輩、今のは失礼ですよ」
「おいおい、真宵もそう思うだろう?」
「人は見た目で判断してはいけませんよ」
「まぁまぁ仲良くしなよ、皆んなでさ」
志貴は四人を宥める。黒髪のショートヘアの女は神無といい。スーツ姿でメガネの小柄な男はミツギという。二人は遊が面倒を見ている部下らしい。
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「え、志貴さんひどいですよ」
「悪い悪い、ミツギ君も、よくあの遊についていけてる分すごいよ」
「それ褒めてないですよ」
「さて、そろそろだね」
話しながら進んでいると分かれ道にたどり着いた。廃ビル群地帯は主に三の地区で分けられている。高層ビルが倒れ瓦礫が多いA地区、いまだにビルが綺麗なまま残っているB地区、そして工場などが多かったC地区に分けられている。
「さて、じゃあ僕はB に行くよ。あそこは隠れやすい場所だしウヨウヨいそうだしね。で、そうだな。真宵と槍士はC、Aには神無とミツギが行ってくれ。おそらく敵は廃ビル群に潜伏していて、ヘルフェブル郊外に進軍するつもりだろう。だから進軍する前に行って食い止める。一応市長に言って、ヘルフェブルの街には警官兵をたくさん配備しておいたから万が一街が襲われてもすぐにはおちないだろう。それと何かあればさっき渡した救難信号を飛ばしてくれ、極力無理はするなよ」
「了解っす!先生、っでこの敵っていうのは多いのか?」
「おそらく吸血鬼と六花の集いの連中だろう」
「また吸血鬼か」
「さて、では作戦開始っと!」
二
「どう思う?真宵」
「唐突ですね。何がですか?」
「今回の襲撃だよ。こないだの学園襲撃の黒幕と同じかなって」
「どうでしょうね。現段階では全くわからないですけど。繋がりはあるでしょうね。それより、もうじき着きますよ」
志貴達と別れてC地区の工場地帯に入った槍士と真宵。
「それにしてもビルの間に工場がこんなにあるなんてな」
「ここは昔、産業が盛んな地区だったそうですよ。港も近いので貿易もここで行なっていたみたいです。今の市長さんは貿易などをしなくても街は安定してるから無駄だって言ってるそうです。その金はどこから来るのやら」
「たしかに、今の市長は怪しいところだらけだよな」
そうこう話しているうちに一つの工場に辿りついた。
「ここが先生の言っていた敵の拠点ってやつか」
志貴言葉を思い出す。
(いいか、神田工場という所がC地区の拠点になっているそうだ。中にはおそらく武装した六花の集いの連中がいると確認されている。そこで派手にやるといい)
「派手にか」
「先輩、僕はそこらのビルの中から援護するからよろしくです」
「え!おい!俺一人かよ」
「一人じゃないですよ、援護しますから」
「まぁ、いいけど頼むぜ」
二手に分かれ、それぞれの役割を果たしにいく。
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