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第13章 最終決戦・"龍神の体内"

右腕悪魔VS特殊側近&人狼側近&聖女

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 「…………………ッ」



 ラフェエルに抱えられながら、アルティアは下唇を噛んでいた。



 ……………クリスティドとエリアスを置いてきてしまった。リングを引き付けて、私たちは先を進む。


 クリスティドとエリアスはもちろん心配だ。


 でも。



 リングだって大好きだ。




 どちらが勝っても負けても好きな人を失ってしまう。こんな悲しい戦いがあるのだろうか。こんな、見捨てるような戦いなんてしたくない。



 私が戦えば………………「余計なことを考えるな」……………!



 私の思考を止めたのは、やっぱりラフェエルだった。ラフェエルは難しい顔をしながら言う。




 「これは_____そういう戦いだろうが」



 「でも、…………」



 「迷うな。私とお前が迷ったら、全員が迷う。それが死に繋がる。


 共に居たのならちゃんと信じろ」



 「………………………」




 大人の理屈は子供にはわからない。
 私はどうしても子供だった。どっちの死も嫌だと駄々を捏ねる子供。


 それでも、思ってしまうものはしかたないでしょう?




 「………………やはり、アルティア様は心がお綺麗だ」



 「………………!」





 また知ってる声。つい最近も聞いた、子供の頃から知っている声。


 とんがった耳、短い髪、メガネ、燕尾服………………ガーランドの側近のカイテルだ。



 「カイテル…………アンタも、アンタも私の道を阻むの…………?」




 「____ええ。私は、悪魔でガーランド様の右腕なので。歯向かうことをお許しください、アルティア様」



 「____ッ!」




 「ガロ!」




 一瞬で距離を詰め、鋭い爪を剥き出しにしたカイテルの手をガロが短剣で制した。その後ろからリーブがカイテルの首めがけて剣を添えた。




 「動かないでください。首を飛ばしますよ」



 「……………人間、邪魔をするならお前を食らってやるぞ」



 「やってごらんなさいよ、この聖女様にね! 



 聖魔法!聖なる檻!」




 「!」





 フランの魔法が展開される。カイテルは聖魔法の檻に閉じ込められた。それを見てから、フランは叫んだ。



 「今よ!アルティア先輩!早く行って!」



 「アンタ達まで!私が倒すから下がってなさい!」



 「ガロ、下がらない!」



 カキィン、と剣を擦りながらガロは軽やかに後ろへ飛んだ。アルティアの足元まで来ると、金と赤の瞳でアルティアを捉えた。




 「ガロ、ここで戦う!

 アルさま、先いく!」




 「そうです、アルティア様。我々の心をどうか汲み取ってください」



 「そーよっ!私の初めての友達なんだから、少しくらい甘えちゃって!


 アルティア先輩はガーランド様と戦うの!後ろは私が守るから!


 とっとと行かんかい!」




 「……………恩に着るぞ、お前たち。アルティア、行くぞ!」




 「……………死んだら、一生許さないからね!フランは口聞かないから!」



 「なんで私だけ辛口!?………これは負けられないね、っと!」




 私は檻の中で暴れるカイテルを抑えるフランに背を向けて走る。




 やっぱり置いていくのは心苦しい。


 でも。


 ____みんなが戦ってくれてるのに、私だけが弱音を吐いてられない。



 「ラフェー、レイヴ!行くよ!」



 「ああ」



 「気持ちの切り替えはえーなぁ、相変わらず」





 私達3人は、フラン、ガロ、リーブを置いて先に進んだ。








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