123 / 270
第6章 変化と成長と新たな旅
※R18展開の描写はアウトです
しおりを挟む「は、は、…………ラフェー、待って、…… 」
アルティアは息を荒らげながら、涙目でラフェエルを見る。
ラフェエルは冷たい目で、私を見つめる。 その瞳には、怒りの色が見え隠れしている。
「……………待たない。
もう、私は____いく」
「あっ、ラフェー______」
アルティアはそう言って、手を伸ばした______
「ふべっ!」
ドシャ、と私は顔面から地面に落ちた。
え?文脈おかしいって? やだぁなんだとおもったの? 私の物語はR18モノじゃありません。
じゃあ何をやっているのかと言うと_____
私はちらり、上を見た。
そこには………………生意気な顔をした目つきの悪い黒馬。ブルル、と嘲笑うように鳴いた。 ムカツク。
「はあ………………アル、お前はどれだけ落馬すれば気が済むんだ?」
ラフェエルはそう言いながら、白馬に乗って私に近づいてきた。その顔には呆れた、って書かれてるように私には見えた。
答え : 乗馬です。
……………1から説明しましょう。
セイレーン皇国を後にした私達は、セイレーン皇国皇国よりもっと北_最北端らしい_にある"アイスバーン"という国に向かうことになっている。
でも、アイスバーンへの道程は治安が悪いらしい。今までのように馬車で移動していた恰好の的になる、というか目立つ。それでも私と共に旅をする人間達はエリアスを除いてみんな強いから問題はないのだが、距離を考えてここから先は馬での移動という流れになった。
でも私は乗馬の才能が無いらしい。
ラフェエルが準備してくれた私の黒馬・ライディーン号は全く言うことを聞いてくれない上に何かとすぐ地面とキッスさせようとするのだ。
「うぅ……………やっぱり私、自分で馬を作るよ………もっと言うことを聞く子を………」
「ダメだ、なんでもすぐ魔法に頼るな。
仮にも私の婚約者である以上普通の馬くらい乗れぬなど許さん」
と、こう突っぱねるラフェエルさん。ライディーンに似た馬を作ってもすぐバレるからそれも不可能だし詰んでいるのだ。
「アルティア様、お手を」
「あ、うん、ありがとう」
そんな私に手を差し伸べてくれたのはクリスティドだった。それはもう爽やかな笑顔で口を開いた。
「乗馬は数をこなしていけば徐々に慣れますよ、なので焦らないでくださいね」
「本当に慣れるのかな?少なくともこの生意気な顔の馬を好きになることは無いと思うんだけど」
「その気持ちが馬に伝わってしまっているのかも知れません。まずは仲良くなってみては?」
そういうものなのか。
私はクリスティドから離れてライディーンに触れる。 …………が。
『ブルルン!』
「きゃっ!」
思いっきり首を逸らされた。は?喧嘩売ってんのこのクソ馬?
「馬肉にするぞコラ!」
『ブルルン!』
ライディーンと睨み合っていると、甲高い笑い声が聞こえた。見なくてもわかる、聖女・フランだ。
「あはは~!!先輩馬に乗れないんです………ふぎゃっ!!」
そう言い終わる前にフランも落ちる。それを空中から見ていたダーインスレイヴはけたけた笑う。
「聖女はアルティアを笑えないからな~?同じくらい落ちてるぞ、似たもの同士は違うねえ」
「一緒にしないでよ!フランと比べたら私の方が乗れてるわ!」
「そんなことないですし!先輩が落ちてる回数の方が多いじゃないですか!」
「はぁ~?」
「私だってこればかりは譲りません!」
「あ、あの、アルティア様、フラン様、どうか喧嘩はよしてくださいまし…………」
言い争う聖女と龍神をおどおどしながら止めるエリアス。騒がしい女性陣を見ながらリーブは言った。
「今日も皆様、元気ですね」
「………………頭が痛いな」
ラフェエルは頭を抱えた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【完結】召喚されましたが、失敗だったようです。恋愛も縁遠く、一人で生きて行こうと思います。
まるねこ
恋愛
突然の自己紹介でごめんなさい!
私の名前は牧野 楓。24歳。
聖女召喚されました。が、魔力無し判定で捨てられる事に。自分の世界に帰る事もできない。冒険者として生き抜いていきます!
古典的ファンタジー要素強めです。主人公の恋愛は後半予定。
なろう小説にも投稿中。
Copyright©︎2020-まるねこ
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは小説の世界だ。
乙女ゲームの悪役令嬢が主役で、悪役にならず幸せを掴む、そんな内容の話で私はその主人公の姉。しかもゲーム内で妹が悪役令嬢になってしまう原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私は所謂モブ。
この世界のルールから逸脱しないように無難に生きていこうと決意するも、なぜか第一王子に執着されている。
そういえば、元々姉の婚約者を奪っていたとか設定されていたような…?
幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~
桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。
そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。
頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります!
エメルロ一族には重大な秘密があり……。
そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる