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第4章 太陽の神と土の精霊と次期龍神
太陽の妖精神は禁忌を犯して神となる
しおりを挟む『ッ…はは、その歳で悪魔の使う言霊呪文を使うか…ッ、噂以上に優秀なようだ…………と』
太陽の妖精神はそう言いつつ簡単に立ち上がる。マリンは震えていたけど、太陽の妖精神は完全に無効化したようだ。面倒臭いな……………
「ねえ、黙って受けててくれない?私、アンタに聞きたいことが1つあるの。抵抗はしないで」
『はッ、それを素直に"はい、わかりました"なんて聞いてやると思ったか?
燃えやがれ!』
炎の渦がアルティアを包む。
然し、アルティアは燃え盛る炎の中、熱がる素振りすら見せずに、自分の両太ももを撫でた。太ももには_____短刀が2本ずつ革製のポーチに収められている。それを取り、浮かせる。充分炎で炙って空中に浮かせた。
そして。
「______行きなさい」
『ッ、ぐあっ!?』
短刀が消えた、と思ったらドス!と貫かれた両手足首。痛みよりも驚きが走った。人工物の転移魔法だと………………!?だが、こんなもの神に_____
「甘いね」
『ッグ!?』
グン、と身体が吹き飛び、近くの壁に叩きつけられた。両手足首に刺さった短刀が貫きながらも伸びた。それが壁をも貫き、磔にされた。
『な、ぜ……………人工物が、神を貫ける……………!?』
人が作り出した物は神に通じないはずだ。なのにこの短刀は外れない。呪いのように微動だにしない短刀に苦戦する太陽神・ドゥルグレに、アルティアは言う。
「人工物………………違うわ。それは私が人工物を"真似て"作った物。私の実家・アトランティスには珍しい鉱物が多くてね。
魔法で溶かして固めて、カイテル__私たちに従う悪魔にも少し"闇"の力を借りて作った物よ。呪具だと思ってもらって結構。
これで、"話し合い"が出来るわね、太陽の妖精神サマ?」
女はそう言って、笑った。
"太陽の妖精神"という言葉に、俺は激しい怒りを覚えた。
『俺はッ…………太陽神だ!!妖精神なんかと格が違うんだよ!!一緒にするんじゃねえっ!!』
「あら、違うの?………ラフェエル、どういうこと?」
「私も知らない。ただ…………森の妖精神の言っていた、"火の精霊を喰らって神になった"と言っていた」
森の妖精神__リーファか…………!
あの女ッ……………!
『無知な人間と小娘に教えてやるよ………………妖精神は精霊と2人で1つの存在だ………………だが!俺は違う!!
火の精霊・フレイムを喰らった事で本物の"神"となったのだ!!太陽は1つしかない、故に唯一神だ!
火の精霊などクソの役にも立たねえから喰らってやったんだよォ!俺は"禁忌"を行い完璧な存在になった!妖精神なんざより上位なんだよ!
テメェら龍神と同じ存在さァ!いつまでも至上神を名乗ってられると思うんじゃ………………ねえッ!
俺は!太陽神だッ!!』
「…………!」
太陽の妖精神___否、太陽神は声高らかに笑う。それと同時に、四肢を捕らえていた短刀は弾き飛んだ。
部屋がまた熱気に包まれる。女は人間_見た目からして契約者だろう_に結界を張ってから、俺を黄金色の瞳で睨んだ。
黄金色の瞳、黒髪____世界の主・龍神の証。
憎たらしい。その瞳が。
憎たらしい。___自分達は俺と"同じ事"をした癖に、未だに俺よりも上に君臨しているのが。
憎たらしい_____!
『カァアッ!!』
「アルティア!!」
太陽神は炎を纏って、女に飛びかかる。
然し女は、____侮蔑の目を称えて、手を前に出した。
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