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傭兵(浮浪者)大集結
アルゼ帝国のバンデンハーク大将軍
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宗之や奏音が戦闘の人員確保に奔走していた時、アルゼ帝国の六大将軍バンデンハークは寒い雪山をゆっくりと行軍していた。
アルゼ帝国の民から恐れられている巨漢の剛力無双の大将軍バンデンハークは馬上で今回の戦いに軍師として参加するカイ将軍と話していた。
「今回こそはこの戦いでセガの町を奪わにゃあならん。そしてカイよ。貴様ならセガの町をどうやって攻める?」
髭面でいかにも山賊っぽい風貌の大男それがバンデンハーク大将軍。そして、となりで馬に乗っている細身の若い男が貧民出身でアルゼ帝国の将軍になったカイ将軍である。
「私なら攻めませんね。寒くて兵の士気も下がっていますし、兵糧の補給や兵站とかもやりにくくなります。万が一補給が滞れば兵は四散しますよ。」
淡々と話すカイに対してバンデンハークが大剣を抜いた。
「ワシはどうセガを攻める?と聞いたんだがのぉ?貧民出身は言われたことをただ言うだけで良いんだが?」
偉そうにバンデンハークはカイを見下した目で見る。
カイも言いたいことが沢山あったが、それを今言う事に意味が無い。自分の命が惜しいからただ黙ってバンデンハークの言うことに従う。
「私がセガの町を攻めるのでしたら短期決戦ですね。補給や兵の士気を考えると早期決着をしないと我々は内部から崩れていきます。ですから私としては多少無理を押しても短期決戦にします。」
「じゃが、それで前の戦いでワシは破れたのじゃが?」
「その時は話しについては私が子供のときの事なので何とも言えませんが、聞くには今より兵が一万ほど少ないとお聞きました。ですので兵力で押しきることが出来なかったのではと思います。今回は私が作った大砲カイキャノンが有るので戦局も有利に運ぶ可能性があります。」
カイはいかにも勝てそうな感じに話しているが、実はかなり厳しいと思っている。セガの町とアルゼ帝国の境目にある「タマ川」。ここが戦場となるのだが、セガの軍は恐らくタマ川を必死に守るであろう。
その為アルゼ帝国は川を渡る戦いをする事になるのだが、寒い雪国で船に乗って戦うのは兵の士気が下がるし、川に落ちたら凍え死ぬから思い切り良く戦えない。
更にアルゼ帝国は世界最強のクセに海戦が苦手である。
今までもタマ川を渡れなくて負けていたのに今回も成功するとは到底思えない。例え前回より増えたとしてもだ。
「ところでカイよ。貴様が作ったカイキャノンはどこにあるんじゃ?見当たらんが?」
「カイキャノンのはとても重いです。そして雪山の為、いつもより運ぶスピードが落ちています。ですので戦いの場に現れるのは大分先です。」
カイが言うカイキャノンとはいわゆる大砲である。
ただ普通の大砲ではなく、破壊力と飛距離、そして確実性の高い世界最強の大砲それがカイキャノンである。
カイ将軍が普通の大砲を改良して出来上がった大砲だが、普通の大砲より重いので運ぶ速度も遅いのが難点である。
そしてこの大砲は戦局を左右する力もあり、カイキャノンのおかげでアルゼ帝国は戦いに勝ち続けているのである。
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