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傭兵(浮浪者)大集結

地獄絵図

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奏音を外に連れ出してルナは息を大きくスーハースーハーと深呼吸をする。

「あ~、空気美味しい!」

生き返ったかの様なイキイキとした表情をして元気になるルナ。しかし、ルナの本題はここからであった。

「ところで奏音!あのホームレス達はどこいったの?」

「あの浮浪者さん達はこれから川で水浴びですよ~。臭いから体を洗ってもらうのです。その後、皆さんにはお昼ごはんを召し上がってもらう予定です。」

みんなの為にご飯が作れると思って気分はルンルンの奏音だがルナの顔色は険しかった。

「まさか家に招き入れるわけ?あの人数は無理でしょ?それに臭いわ。」

「違いますよ~。セガの町の中心部で今回の戦いの説明をしながら宗之さんがお昼ごはん食べるつもりらしいです。私もこれから町の中心部に行ってお料理作るのでルナちゃんも来ませんか?」

奏音はニコニコした顔でルナの手を握る。

「大勢の方の為にお料理を作るのって楽しいですよ。」

ルナは料理を作ること事態が嫌であったが、大事な戦いの話を聞くのならば参加しなければならないと感じた。

「分かったわ。参加するわ。だけど美味しくないから、あまり期待はしないでね。」


すると奏音は「気にしないで~」という。

「浮浪者さん達は普段からまともな料理を口にしていないから最低限出来ていたら、なんでも美味しいと言いますから。」





しばらくして、ルナと奏音がセガの町の中心部に行くと既に沢山の浮浪者達がいた。

そして、浮浪者達の前では宗之と月光がいた。

「クッセェー!!!相棒!コイツら本当に川で水浴びしたのか!?異臭が漂ってやがるぜ!!」

余りの臭さに震える月光。自分で動くことの出来ない刀の月光が震えくらいヤバい臭いだ。

「一応な・・・。コイツら何年もそういう生活してきたから一回水浴びするだけじゃダメんだろうよ・・・。」

普段から冷静な宗之もこの臭いの前では冷静になれず、顔を歪めながら鼻をつまむ。

すると浮浪者達は「金ぇ~!!即日に10万ペラくれるんだろぉ~!金くれよぉ~!」と叫びだす。

「今回の戦いの説明が終わってからだ。それまで我慢しろ。」

しかし、宗之の言葉を聞いても浮浪者達は「金ぇ~!お金が欲ちいよぉ~!」などとのたまっていた。

その様子を遠くから見ていたルナは浮浪者達に恐怖する。

「何、アレ・・・まるで地獄絵図じゃない。あんな汚ならしい男達が金金言うなんて正直怖いわ・・・。」

浮浪者達の金の亡者っぷりを見て震えるルナの頭をポンっと軽く撫でる奏音。

「大丈夫ですよ~。汚ならしい浮浪者とは言え、人間ですから。いざ戦いが始まれば、金金言う暇なんて無くなります。人は死に直面すると金を捨ててしまう者が大半ですから。だから、そこまで金の亡者の人達に怖がる必要はありませんよ~」
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