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北の果ての町「セガ」
雪山寒すぎぃっ・・・!
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次に連れてこられたのは北の果てのセガでも一番北にある山である。物凄い吹雪が降っている。
ここでは金やその他の鉱物が取れるセガの資金源でもある重要な場所だ。
「ううう・・・寒いぜ相棒。寒くておかしくなりそうだぜ」
「そう、ここの鉱山で働く人は日当は高いけど気が狂うほど寒い環境で働いているから、よく風邪引く人や重大な病気になる人が多いです。ここの鉱山は短期間で働くぐらいがオススメですよ」
奏音の言うとおり、ここは物凄く寒いし、こんな山で長期間働いていたら本当に病気になるだろうな。
あと、さっきから思っていたのだが・・・ここの山は歩きにくい。道路整備がちゃんと行われていないのだろう。
物凄く歩きにくい上に雪で更に歩きにくい。こんなボコボコした山道だとコケて怪我する人もいるだろう。
「もうすぐしたら実際に仕事をしている場所に着きますから、歩きにくいかも知れないけど少し我慢してくださいねっー」
この吹雪の中で元気な奏音に感服する。
宗之は雪があまり降らないところで生まれ育ったから雪には弱い。雪山を歩くのなんて苦手どころではない。
「チッ・・・。女の子が元気に歩いてんだ。男の俺がタラタラ歩いてたんじゃあ格好が付かないよなぁっ・・・!」
「お、珍しく相棒が熱くなっている!頑張れ相棒!立ち止まったら寒さで死ぬぞ!」
普段クールな宗之もここでクールなままだと寒さで倒れてしまう死んでしまうと考えた。だから、無理をしてでも心を熱くした。
そうすると、自然と足も進むようになったのである。
宗之はなんとか気合いを入れて奏音に付いて必死にしばらく歩くと洞窟があった。
灯りも付けてあるし、恐らくここが鉱山で働く場所のなのだろう。
「この洞窟を少し歩けば鉱物を実際に取っている場所に付きますから頑張って付いてきてくださいね!」
「・・・おう」
この女の体力は無限大なのか?戦場で幾多の敵を葬り、幾多の仲間を救ってきた宗之がヘロヘロになっているのに奏音は全く疲れを感じていない様に見える。
そして、それからしばらく歩くと「カーンカーン」といった音が聞こえてきた。
「見えて来ました。あそこでツルハシを持って仕事しています。これが鉱山での仕事ですね。」
「こんな寒い中で働いてんのかよ・・・。はは、体力だけはありそうだな。」
寒さと疲れでその場に座り込む宗之。
「奏音、しばらく休憩しながら仕事の見学をしようぜ。流石に俺は疲れた」
「あれ?百戦錬磨の名将なのにもう疲れたんですか?」
「うるせぇな・・・。俺は雪国育ちじゃねぇからな。雪山を歩くのは疲れるんだよ」
「しょうがないなぁ。じゃあしばらく休憩しましょうか。お握りとか軽い食事なら作って来てますから一緒に食べましょう」
「カーンカーン」とツルハシで叩く音がうるさい中で宗之達は食事を取る。
「寒い。」
それは宗之の口から出た素直な言葉であった。
「仕方ないですよ~。だってここ雪山の洞窟ですから。はい、お口あ~んしてくださ~い」
「あん?口開けりゃあ良いのか?」
言われた通り口をあけると奏音は宗之の口の中にお握りを入れた。
「あ、相棒!こんな可愛い子にあーんされるとか羨ましい過ぎるぜ!相棒、感想は!?可愛い子ちゃんからあーんしてもらえた感想は!?」
あまりの羨ましさに月光が騒ぎ出すが、その相棒は大きなお握りを丸ごと口に入れられて喋ることが出来ない状態だ。
「私達の領主様なんだから、これぐらいはしてあげても良いかなって」
楽しそうに言う奏音であるが、宗之からしたらいい迷惑である。
「ちょっ、水寄越せ。喉が詰まる・・・」
「もう、しょうがないなぁ」
奏音が宗之に水を渡した、その時である。
「あっれぇ!?奏音ちゃんじゃないかぁ!!」
ここでは金やその他の鉱物が取れるセガの資金源でもある重要な場所だ。
「ううう・・・寒いぜ相棒。寒くておかしくなりそうだぜ」
「そう、ここの鉱山で働く人は日当は高いけど気が狂うほど寒い環境で働いているから、よく風邪引く人や重大な病気になる人が多いです。ここの鉱山は短期間で働くぐらいがオススメですよ」
奏音の言うとおり、ここは物凄く寒いし、こんな山で長期間働いていたら本当に病気になるだろうな。
あと、さっきから思っていたのだが・・・ここの山は歩きにくい。道路整備がちゃんと行われていないのだろう。
物凄く歩きにくい上に雪で更に歩きにくい。こんなボコボコした山道だとコケて怪我する人もいるだろう。
「もうすぐしたら実際に仕事をしている場所に着きますから、歩きにくいかも知れないけど少し我慢してくださいねっー」
この吹雪の中で元気な奏音に感服する。
宗之は雪があまり降らないところで生まれ育ったから雪には弱い。雪山を歩くのなんて苦手どころではない。
「チッ・・・。女の子が元気に歩いてんだ。男の俺がタラタラ歩いてたんじゃあ格好が付かないよなぁっ・・・!」
「お、珍しく相棒が熱くなっている!頑張れ相棒!立ち止まったら寒さで死ぬぞ!」
普段クールな宗之もここでクールなままだと寒さで倒れてしまう死んでしまうと考えた。だから、無理をしてでも心を熱くした。
そうすると、自然と足も進むようになったのである。
宗之はなんとか気合いを入れて奏音に付いて必死にしばらく歩くと洞窟があった。
灯りも付けてあるし、恐らくここが鉱山で働く場所のなのだろう。
「この洞窟を少し歩けば鉱物を実際に取っている場所に付きますから頑張って付いてきてくださいね!」
「・・・おう」
この女の体力は無限大なのか?戦場で幾多の敵を葬り、幾多の仲間を救ってきた宗之がヘロヘロになっているのに奏音は全く疲れを感じていない様に見える。
そして、それからしばらく歩くと「カーンカーン」といった音が聞こえてきた。
「見えて来ました。あそこでツルハシを持って仕事しています。これが鉱山での仕事ですね。」
「こんな寒い中で働いてんのかよ・・・。はは、体力だけはありそうだな。」
寒さと疲れでその場に座り込む宗之。
「奏音、しばらく休憩しながら仕事の見学をしようぜ。流石に俺は疲れた」
「あれ?百戦錬磨の名将なのにもう疲れたんですか?」
「うるせぇな・・・。俺は雪国育ちじゃねぇからな。雪山を歩くのは疲れるんだよ」
「しょうがないなぁ。じゃあしばらく休憩しましょうか。お握りとか軽い食事なら作って来てますから一緒に食べましょう」
「カーンカーン」とツルハシで叩く音がうるさい中で宗之達は食事を取る。
「寒い。」
それは宗之の口から出た素直な言葉であった。
「仕方ないですよ~。だってここ雪山の洞窟ですから。はい、お口あ~んしてくださ~い」
「あん?口開けりゃあ良いのか?」
言われた通り口をあけると奏音は宗之の口の中にお握りを入れた。
「あ、相棒!こんな可愛い子にあーんされるとか羨ましい過ぎるぜ!相棒、感想は!?可愛い子ちゃんからあーんしてもらえた感想は!?」
あまりの羨ましさに月光が騒ぎ出すが、その相棒は大きなお握りを丸ごと口に入れられて喋ることが出来ない状態だ。
「私達の領主様なんだから、これぐらいはしてあげても良いかなって」
楽しそうに言う奏音であるが、宗之からしたらいい迷惑である。
「ちょっ、水寄越せ。喉が詰まる・・・」
「もう、しょうがないなぁ」
奏音が宗之に水を渡した、その時である。
「あっれぇ!?奏音ちゃんじゃないかぁ!!」
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