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北の果ての町「セガ」
ド田舎の「セガ」
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薄暗い闇の中、馬で駆ける音がする。
宗之はロデオ王国の首都イケブクロで論功行賞が終わった後、5時間馬に乗って北へ向かっていった。
論功行賞が終わったのを午後3時ぐらいだった様な気がするから今は8時くらいだ。
全速力で馬を走らせたから、途中で何度か馬を交換して北の町へと来た。
そう、もうすぐ宗之の治める土地『セガ』が見えてくる。
「相棒、それにしても周りは山ばかりだな。王都は凄い都市だったけど、ここら辺は人が住んでいる様な感じしない程のド田舎だぜ」
「ああ、山ばかりだから人が来にくいんだろうな。北の町ってそんなもんだろ」
そんな話をしていたら目的の場所が見えてきた。
「この町で唯一大きな建物・・・アレか。」
それは決して異世界とは思えない建物であった。
「んだありゃ?神社?この世界にも神社ってあるのな。」
「どの世界でも神仏を崇め奉る事はするんだろう。俺は神仏は信じちゃいないがね」
神社に到着すると宗之は馬の頭を撫でてやる。
「ご苦労、無理させてごめんな」
「相棒、馬に対して優しいな。俺にも優しくしておくれよ」
「普段から優しくしているはずだが・・・」
「そうには思えないぞ。馬に頭撫でていて俺には撫でてくれねぇじゃん!俺も頭撫でられてーよ!」
「お前刀だからどこが頭か分からないんだが・・・。」
「それぐらいも分からねーのかよ!相棒なら知っといてくれよ!刃の先端、それが俺の頭だ!」
こんな風にやり取りしている時、宗之は何か気配を感じた。
月光がギャーギャー騒いだせいで、近隣の住民にうるさいと思われたか?
「おい、そこにいるのは誰だ」
宗之が振り向くとそこには一人の女性がいた。
「あっ・・・ごめんなさい。騒がしいから様子を見に来たんですが・・・」
その女性は巫女の格好をしている。異世界にも巫女っていうのがあるのか。いや、神社があるくらいなら巫女もいるよな。
「悪い、この馬鹿な刀がうるさくてな。今、刃をへし折って黙らせる。」
「ギャー!辞めてぇっー!相棒辞めてぇっー!そんな事したら俺死んじゃうっー!」
すると巫女さんは不思議そうな顔をする。
「あれ?その刀喋るんですか?」
「うん、あぁ。珍しいだろ?」
「はい、初めて見ました。って・・・アレ?そういえば今日聞いた情報では喋る刀を持っている人が来るって聞いたんだけど、もしかしてあなたですか?」
「そうだ。とりあえず教えて貰ったのは、この神社に行けとだけだ。」
「そうですかー。北の果て『セガ』へようこそ!新領主さんですからもてなしますよー!」
巫女さんに早速、もてなされた宗之と月光。
神社の中では無く、神社の隣にある家で料理は振る舞われた。
「うむ、肉に野菜としっかりと栄養が取れる食材を使っているな。」
「城で見た肉の方が旨そうに見えたけどなー。」
「アレは油が多過ぎて胃もたれする。俺はこれくらいが良い。」
すると巫女さんは味噌汁も出した。
「さっ、どうぞー。王都の料理に比べるとショボいですけどお味噌汁ですー。」
その味噌汁を飲むと宗之は戦国時代にいたことを少し思い出す。
味も薄い戦国時代を思い出させる質素な味噌汁。そう、この世界の料理の味の濃さで忘れていたが、宗之の生きてきた世界は味が薄い料理ばかりであった。
そう思うと、この世界の料理は味的にかなり開発されているんだと感じた。
「ところで、まだ自己紹介がまだでしたよね?私は奏音(かのん)です。こう見えてもロデオ王国史上最強の将軍と言われるマイコラスの末裔です♪」
「「はい?」」
宗之と月光は頭が「?」になった。
いきなり史上最強の将軍だの、マイコラスの末裔だの言われても分からない。
「あれ?その表情からして、もしかしてマイコラスを知らないんですか?あの女神がこの世界に呼び出したと言われる伝説の大将軍マイコラスを」
すると別の女の声が聞こえた。
「その人は知らないわよ。」
宗之はロデオ王国の首都イケブクロで論功行賞が終わった後、5時間馬に乗って北へ向かっていった。
論功行賞が終わったのを午後3時ぐらいだった様な気がするから今は8時くらいだ。
全速力で馬を走らせたから、途中で何度か馬を交換して北の町へと来た。
そう、もうすぐ宗之の治める土地『セガ』が見えてくる。
「相棒、それにしても周りは山ばかりだな。王都は凄い都市だったけど、ここら辺は人が住んでいる様な感じしない程のド田舎だぜ」
「ああ、山ばかりだから人が来にくいんだろうな。北の町ってそんなもんだろ」
そんな話をしていたら目的の場所が見えてきた。
「この町で唯一大きな建物・・・アレか。」
それは決して異世界とは思えない建物であった。
「んだありゃ?神社?この世界にも神社ってあるのな。」
「どの世界でも神仏を崇め奉る事はするんだろう。俺は神仏は信じちゃいないがね」
神社に到着すると宗之は馬の頭を撫でてやる。
「ご苦労、無理させてごめんな」
「相棒、馬に対して優しいな。俺にも優しくしておくれよ」
「普段から優しくしているはずだが・・・」
「そうには思えないぞ。馬に頭撫でていて俺には撫でてくれねぇじゃん!俺も頭撫でられてーよ!」
「お前刀だからどこが頭か分からないんだが・・・。」
「それぐらいも分からねーのかよ!相棒なら知っといてくれよ!刃の先端、それが俺の頭だ!」
こんな風にやり取りしている時、宗之は何か気配を感じた。
月光がギャーギャー騒いだせいで、近隣の住民にうるさいと思われたか?
「おい、そこにいるのは誰だ」
宗之が振り向くとそこには一人の女性がいた。
「あっ・・・ごめんなさい。騒がしいから様子を見に来たんですが・・・」
その女性は巫女の格好をしている。異世界にも巫女っていうのがあるのか。いや、神社があるくらいなら巫女もいるよな。
「悪い、この馬鹿な刀がうるさくてな。今、刃をへし折って黙らせる。」
「ギャー!辞めてぇっー!相棒辞めてぇっー!そんな事したら俺死んじゃうっー!」
すると巫女さんは不思議そうな顔をする。
「あれ?その刀喋るんですか?」
「うん、あぁ。珍しいだろ?」
「はい、初めて見ました。って・・・アレ?そういえば今日聞いた情報では喋る刀を持っている人が来るって聞いたんだけど、もしかしてあなたですか?」
「そうだ。とりあえず教えて貰ったのは、この神社に行けとだけだ。」
「そうですかー。北の果て『セガ』へようこそ!新領主さんですからもてなしますよー!」
巫女さんに早速、もてなされた宗之と月光。
神社の中では無く、神社の隣にある家で料理は振る舞われた。
「うむ、肉に野菜としっかりと栄養が取れる食材を使っているな。」
「城で見た肉の方が旨そうに見えたけどなー。」
「アレは油が多過ぎて胃もたれする。俺はこれくらいが良い。」
すると巫女さんは味噌汁も出した。
「さっ、どうぞー。王都の料理に比べるとショボいですけどお味噌汁ですー。」
その味噌汁を飲むと宗之は戦国時代にいたことを少し思い出す。
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「あれ?その表情からして、もしかしてマイコラスを知らないんですか?あの女神がこの世界に呼び出したと言われる伝説の大将軍マイコラスを」
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「その人は知らないわよ。」
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