上 下
26 / 70
王の間での激闘

悪党ゲレーロ

しおりを挟む
地下道でセペダを倒した宗之達は遂に王の間の一歩手前まで来た。

しかし、王の間に近づけば近づくほど死臭の臭いがキツくなってくる。

「相棒、この臭いヤバすぎるぞ!」

「ああ、俺にも分かる。死の匂いがキツいな。この匂いは一体何なんだ?」

「この死臭は恐らく人の死体の臭いだな。そして死臭がこれほどキツいってことはかなりの人間が殺されている。」

「王の間で拷問でもしているっていうことか?姫、アンタはどう思う?」

サトミ女王は少し考える。

すると少し心当たりがあった。

ゲレーロは表向きは善人に見えるが、裏では奴隷をいたぶって殺して遊ぶという噂を聞いたことがある。

「いえ・・・アレはただの噂のはず。」

サトミ女王は少し動揺する。信頼していたはずのゲレーロがクーデターを起こしたことにも動揺していたが、まさか奴隷を拷問にかけることも本当にしていたというのだろうか。

「どうやら、姫さんにも少しは心当たりがあるっぽいな。相棒、気をつけて乗り込むぜ!」

「・・・そうだな。」

そう答えた宗之は扉を開けて、この先にある修羅の道へと行った。






そして扉を開けた宗之達は絶句した。

そこは沢山の人の死体と、その死体を貪るゴリラの様な化物がいた。

「ほう・・・?早いな。あのセペダをこうも早く倒すとは恐れ入った。」

王の間の奥にある玉座に偉そうに座るゲレーロが見下した様な顔で宗之を見る。

「あンたがゲレーロって奴か。嫌な人相してんな」

宗之はゲレーロの顔を見て生理的に受け付けない『何か』を感じた。その顔から気持ち悪いぐらいの腹黒さ、不誠実さを感じとった。

「虫けらが何をほざくか・・・。ンっ・・・?」

ゲレーロは玉座から見下ろしていると黄金騎士の甲冑を着ているサトミ女王を見る。

「ほう、生きていたのか・・・サトミよ。やはり今回のクックの行動は貴様が絡んでいたか。」

サトミ女王はあっさりとゲレーロに正体がバレ、甲冑を脱ぎ捨てる。

「やっぱりバレましたか・・・」

「お、おい姫さん!甲冑を脱ぎ捨てんなよ!攻撃されたら危ねーだろうが」

サトミ女王は少しイライラした声で月光に怒る。

「仕方ないではありませんか!だってこの甲冑滅茶苦茶暑いんですもの!」

「いや、逆ギレすんなって・・・」

甲冑の暑さでイライラしながらもサトミ女王はゲレーロを冷たい目で睨み付ける

「ゲレーロ、私はあなたがクーデターを起こしたことを許しません。」

そのサトミ女王の目はどこかゲレーロを見下した様な目をしていた。

「ほう・・・その目は気に入らんな。サトミよ、よく覚えておけ。このゲレーロを見下すのは例え神でも許さんっ・・・!」

するとゲレーロは「ナバーロォっ・・・!!奴らをブチ殺せぇっ!!」と大声で叫ぶ。

ゲレーロの声に敏感に反応したゴリラの様な男のナバーロは立ち上がる。

口から見えるのはさっきまで食べていた人間の手である。

「ヒエっ・・・!あのゴリラ、人を食べてます!宗之、さっさと退治しなさい!」

「はいはい、姫さん分かりましたよ。しかし、本当にヤバそうな感じがするな。今まで感じたことの無いヤバさをヒシヒシと感じる。」

宗之はナバーロを前にしても冷静に雰囲気を感じていた。このナバーロという者から常識が通用しないと察していた。

「フハハッ!戦ってもいないのにナバーロのヤバさが分かるのか。そうだ、確かにナバーロは俺が殺人兵器にするために教育した、人を殺す道具のような物だ。道具ゆえに殺しに意思を持たない。俺が殺せと言えば簡単に、何も疑問に思わず殺すのだ」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語

ヒィッツカラルド
ファンタジー
ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態パラダイス✕脱線大暴走ストーリー=166万文字完結÷微妙に癖になる。 変態が、変態のために、変態が送る、変態的な少年のハチャメチャ変態冒険記。 ハクスラとはハックアンドスラッシュの略語である。敵と戦い、どんどんレベルアップを果たし、更に強い敵と戦いながら、より良いマジックアイテムを発掘するゲームのことを指す。 タイトルのままの世界で奮闘しながらも冒険を楽しむ少年のストーリーです。(タイトルに一部偽りアリ)

妖精王オベロンの異世界生活

悠十
ファンタジー
 ある日、サラリーマンの佐々木良太は車に轢かれそうになっていたお婆さんを庇って死んでしまった。  それは、良太が勤める会社が世界初の仮想空間による体感型ゲームを世界に発表し、良太がGMキャラの一人に、所謂『中の人』選ばれた、そんな希望に満ち溢れた、ある日の事だった。  お婆さんを助けた事に後悔はないが、未練があった良太の魂を拾い上げたのは、良太が助けたお婆さんだった。  彼女は、異世界の女神様だったのだ。  女神様は良太に提案する。 「私の管理する世界に転生しませんか?」  そして、良太は女神様の管理する世界に『妖精王オベロン』として転生する事になった。  そこから始まる、妖精王オベロンの異世界生活。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

夜霧の騎士と聖なる銀月

羽鳥くらら
ファンタジー
伝説上の生命体・妖精人(エルフ)の特徴と同じ銀髪銀眼の青年キリエは、教会で育った孤児だったが、ひょんなことから次期国王候補の1人だったと判明した。孤児として育ってきたからこそ貧しい民の苦しみを知っているキリエは、もっと皆に優しい王国を目指すために次期国王選抜の場を活用すべく、夜霧の騎士・リアム=サリバンに連れられて王都へ向かうのだが──。 ※多少の戦闘描写・残酷な表現を含みます ※小説家になろう・カクヨム・ノベルアップ+・エブリスタでも掲載しています

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...