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絶望からの復活

この戦いは普通の戦いではない

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宗之の言葉にその場にいた二人は絶句した。

「何を言う!ロデオの守護神であるワシが反逆者に屈するわけがない!ワシは死ぬときまで姫の元で働くつもりだ!降伏など出来ぬ!」

「そうですよ。クックが降伏したら私はもう行く宛がありません!」

思った通り、二人は猛反対した。

クックには守護神としてサトミ女王を支える大将軍としてのプライドがあるから当然反対するだろうな。

「だが、降伏することに策があるとしたらどうだ?降伏して僅かなお供だけで城内に入り、ゲレーロを討つんだ。まだゲレーロの政権になっていない今なら成功できるはずだ。」

すると、クックはしばらく考える。

「意外と悪くないかも知れないな・・・。首都イケブクロを火と血の海にするよりかはマシだし被害も最小限に済むかも知れぬ。」

「なっ?悪くないだろ?だが、敵の大将を討つんだ。犠牲は出るだろうし、かなり苦しい戦いなのは間違いない。だが、イケブクロの町は火の海にはならない。勿論お城は火の海、血の海になるだろうがね。」

クックは苦い顔で考える。

「しかし、貴様のやり方では姫の身に危険がっ・・・!」

「そうだ。クック大将軍の言うとおり、この作戦は僅かな兵で城内に侵入するんだ。勿論、その大将はサトミ姫だ。そうでないと味方の士気も上がらねぇし、何より大将自ら敵の親玉を倒さねぇと、このクーデターは収まらねぇよ。クック大将軍がゲレーロを討ちとっても意味がないのさ。サトミ姫自らの手で討ち取らねぇと国内が国民が姫に付いていかねぇよっ・・・!」

宗之の言葉にサトミ女王は少し胸に来るものがあった。

そう・・・これからのロデオ王国を引っ張っていく女王が危険を承知で死地へと向かわねばならない。

そうしなければ、この国は1つにはまとまらない。

そして、そんな王でなければ『世界』を相手に戦えないのだ。

これは『戦う姿勢』の問題である。

危険が怖くて、死ぬのが怖くて全てを部下頼みにするような王では示しが付かないのだ。

「分かりました。宗之、私は危険を承知でゲレーロを自ら討ちます!」

サトミ女王の目には覚悟を決めた『王』の目をしていた。

「そうこなくっちゃなぁ・・・」
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