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覇王
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日本の政治家以上に力を持ち、海外の企業以上の財力がある「天命」
「天命」がなぜ政治家を取り込み、世界を制覇しようと思っているのか…。
それは今から10年前の事…。
100年に一度の世界恐慌。
世界の経済が狂った事が原因であった。
ここではその話をしよう。
ー10年前ー
天命の善道会長の豪邸。
会長の部屋では黒服と会長の密談をしていた。
「今回の世界恐慌で世界の経済が狂いました。今では我が『天命』は世界ランキング15位の企業でした。しかし今回の恐慌で我が社が財力で1位になりました。」
笑顔で善道会長が言う。
「ふふ…。意外と他国の企業も対した事ないのう…。みんな、今回の世界恐慌を予想していなかったのじゃろうな」
黒服は言う。
「会長は予想していたのですか?」
「あぁ、世界恐慌が起きる…そんな予感は前からしていたよ。それにしっかりと事後処理をやれば何とかなるのじゃよ。」
黒服は納得して言う。
「あ、今回の大量リストラですね…。他国の企業はリストラはあまり無いみたいですが…」
「そこじゃ…。我が社はその差で財力を世界1位になったのじゃ…。リストラをして自分の会社の信頼を下げる事はしたくないんじゃろう。だが…ワシは違う。ワシは信頼とは金の多さで決まると思うとる。」
黒服は資料を見ながら言う。
「今回の世界恐慌で他国は錢回りが上手く行かずパニックになっている国が殆どだとか」
会長は悪党みたいな顔をして言う。
「ふむ…ならワシも動くかのう…この混乱を利用して世界の王になる為にっ…!」
善道会長は言う。
「この世界恐慌でパニックなら更にパニックにするのじゃ!他国に例のウイルスをバラまけい!」
黒服は言う。
「えっ…?バラまいてどうするんですか?」
会長は呆れた顔で言う。
「バカじゃのう…。そのウイルスで他国は更にパニックになる。しかもそのウイルスはワシらしか作ってないからワクチンも見つからない…。作るとしても半年はかかるしの…。」
黒服は納得して言う。
「成る程。他国にはワクチンを作る技術も金も無い。そのワクチンを我が社が高額で売り付けるのですね。」
「そうじゃ、ウイルスをバラ巻いて2ヶ月後ぐらいにワクチンを開発したことを発表しろ。そのぐらいの時期が一番不信感を持たれない。」
世界恐慌から始まった世界の覇王になるための行動。
今回のウイルステロを使った商売が天命の財力の更なる向上に繋がる…。
それから2ヶ月後
黒服が善道会長に報告する。
「会長!言われた通りに各国にワクチンを高額で売りました。今回のワクチン販売で我が社が世界で一番お金を持っていると思われます。」
会長は嬉しそうに言う。
「あれほど高額な薬でも文句もなく買う…。良い国…いや良い客だのう…。」
黒服は言いにくそうに言う。
「あと会長…。ワクチンが欲しいけどお金がない国もありますがどうしましょう?ワクチンの為ならなんでもすると言っておりますが…」
「そうじゃな…。ワシらに圧倒的多額の利子を付けて返すならワクチンを渡そう。」
このウイルス騒動と同時に善道会長は世界を征服するためにある技術を開発していた。
『サイボーグ技術』である。
ー天命の開発部ー
「どうじゃ?開発出来そうか?」
研究者は言う。
「サイボーグ技術はまだ未知の技術の為かなりの時間がかかると思われます。ですが天命の技術力なら10年も有れば完成できるかと思います。」
「そうか…10年もかかるか。」
会長は力無く言った。
「ワシも今年で65歳…。10年後にはヨボヨボのジジイじゃ…。病気にもかかっているしの…。「ヨボヨボのジジイに世界制覇の為の指揮が取れるかのう…。」
黒服が言う。
「でしたら後継者を決めたらどうでしょう?」
会長は落胆した声で言う。
「後継者に決めていた息子は去年のテロで亡くなった…。じゃからワシはテロの無い世界を作るために世界を征服したいのじゃ…。」
「ならお孫さんを後継者にすれば良いではないですか。確か会長には今年で9歳になる孫娘がいますよね。」
会長が少し元気出していう。
「そうか…孫に世界の覇王にするための帝王学を学ばせれば良いんじゃな。」
「そうです。幸い『天命』には金が腐るほどあります。幼いうちに鍛えればきっと会長の夢を叶える世界の覇王になります!」
そして会長は孫娘を部屋に呼んだ。
「なんでしょうか、お祖父様」
少女はとても綺麗で可愛い、高貴なお嬢様といとう雰囲気であった。
名前は杏華。当時9歳。
「おぉ、杏華。おじいちゃんの頼みを聞いてくれるか?」
「なあに?お祖父様の言うことなら何でも聞きますわよ」
「ワシはな、お前のお父さんを殺した奴にお仕置きするために世界に喧嘩売るんじゃ…」
会長は続けていう。
「じゃがワシも歳。癌も患っておるしいつ死んでもおかしくない。その為、杏華にワシの後を継ぐ勉強をしてもらいたいのじゃ」
「うん、いいよ」
杏華は無邪気な笑顔でいう。
「そうか、じゃあ明日からお勉強じゃな。」
ここまでが10年前に天命が世界征服するためにやった行動。
世界に薬を高額で売り付け一気に世界経済を掌握した。
圧倒的な経済力を背景に他国を脅し、今では自国すら脅かしている。
しかも善道会長は癌になっているため孫娘の杏華に覇王の後継者としての英才教育をさせた。
果たしてこの『天命』を止めることは出来るのだろうか?
「天命」がなぜ政治家を取り込み、世界を制覇しようと思っているのか…。
それは今から10年前の事…。
100年に一度の世界恐慌。
世界の経済が狂った事が原因であった。
ここではその話をしよう。
ー10年前ー
天命の善道会長の豪邸。
会長の部屋では黒服と会長の密談をしていた。
「今回の世界恐慌で世界の経済が狂いました。今では我が『天命』は世界ランキング15位の企業でした。しかし今回の恐慌で我が社が財力で1位になりました。」
笑顔で善道会長が言う。
「ふふ…。意外と他国の企業も対した事ないのう…。みんな、今回の世界恐慌を予想していなかったのじゃろうな」
黒服は言う。
「会長は予想していたのですか?」
「あぁ、世界恐慌が起きる…そんな予感は前からしていたよ。それにしっかりと事後処理をやれば何とかなるのじゃよ。」
黒服は納得して言う。
「あ、今回の大量リストラですね…。他国の企業はリストラはあまり無いみたいですが…」
「そこじゃ…。我が社はその差で財力を世界1位になったのじゃ…。リストラをして自分の会社の信頼を下げる事はしたくないんじゃろう。だが…ワシは違う。ワシは信頼とは金の多さで決まると思うとる。」
黒服は資料を見ながら言う。
「今回の世界恐慌で他国は錢回りが上手く行かずパニックになっている国が殆どだとか」
会長は悪党みたいな顔をして言う。
「ふむ…ならワシも動くかのう…この混乱を利用して世界の王になる為にっ…!」
善道会長は言う。
「この世界恐慌でパニックなら更にパニックにするのじゃ!他国に例のウイルスをバラまけい!」
黒服は言う。
「えっ…?バラまいてどうするんですか?」
会長は呆れた顔で言う。
「バカじゃのう…。そのウイルスで他国は更にパニックになる。しかもそのウイルスはワシらしか作ってないからワクチンも見つからない…。作るとしても半年はかかるしの…。」
黒服は納得して言う。
「成る程。他国にはワクチンを作る技術も金も無い。そのワクチンを我が社が高額で売り付けるのですね。」
「そうじゃ、ウイルスをバラ巻いて2ヶ月後ぐらいにワクチンを開発したことを発表しろ。そのぐらいの時期が一番不信感を持たれない。」
世界恐慌から始まった世界の覇王になるための行動。
今回のウイルステロを使った商売が天命の財力の更なる向上に繋がる…。
それから2ヶ月後
黒服が善道会長に報告する。
「会長!言われた通りに各国にワクチンを高額で売りました。今回のワクチン販売で我が社が世界で一番お金を持っていると思われます。」
会長は嬉しそうに言う。
「あれほど高額な薬でも文句もなく買う…。良い国…いや良い客だのう…。」
黒服は言いにくそうに言う。
「あと会長…。ワクチンが欲しいけどお金がない国もありますがどうしましょう?ワクチンの為ならなんでもすると言っておりますが…」
「そうじゃな…。ワシらに圧倒的多額の利子を付けて返すならワクチンを渡そう。」
このウイルス騒動と同時に善道会長は世界を征服するためにある技術を開発していた。
『サイボーグ技術』である。
ー天命の開発部ー
「どうじゃ?開発出来そうか?」
研究者は言う。
「サイボーグ技術はまだ未知の技術の為かなりの時間がかかると思われます。ですが天命の技術力なら10年も有れば完成できるかと思います。」
「そうか…10年もかかるか。」
会長は力無く言った。
「ワシも今年で65歳…。10年後にはヨボヨボのジジイじゃ…。病気にもかかっているしの…。「ヨボヨボのジジイに世界制覇の為の指揮が取れるかのう…。」
黒服が言う。
「でしたら後継者を決めたらどうでしょう?」
会長は落胆した声で言う。
「後継者に決めていた息子は去年のテロで亡くなった…。じゃからワシはテロの無い世界を作るために世界を征服したいのじゃ…。」
「ならお孫さんを後継者にすれば良いではないですか。確か会長には今年で9歳になる孫娘がいますよね。」
会長が少し元気出していう。
「そうか…孫に世界の覇王にするための帝王学を学ばせれば良いんじゃな。」
「そうです。幸い『天命』には金が腐るほどあります。幼いうちに鍛えればきっと会長の夢を叶える世界の覇王になります!」
そして会長は孫娘を部屋に呼んだ。
「なんでしょうか、お祖父様」
少女はとても綺麗で可愛い、高貴なお嬢様といとう雰囲気であった。
名前は杏華。当時9歳。
「おぉ、杏華。おじいちゃんの頼みを聞いてくれるか?」
「なあに?お祖父様の言うことなら何でも聞きますわよ」
「ワシはな、お前のお父さんを殺した奴にお仕置きするために世界に喧嘩売るんじゃ…」
会長は続けていう。
「じゃがワシも歳。癌も患っておるしいつ死んでもおかしくない。その為、杏華にワシの後を継ぐ勉強をしてもらいたいのじゃ」
「うん、いいよ」
杏華は無邪気な笑顔でいう。
「そうか、じゃあ明日からお勉強じゃな。」
ここまでが10年前に天命が世界征服するためにやった行動。
世界に薬を高額で売り付け一気に世界経済を掌握した。
圧倒的な経済力を背景に他国を脅し、今では自国すら脅かしている。
しかも善道会長は癌になっているため孫娘の杏華に覇王の後継者としての英才教育をさせた。
果たしてこの『天命』を止めることは出来るのだろうか?
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