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凡戦
宗信の芸術的弓さばき
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最前線に来た宗信は早速弓隊を率い、前衛の福原隊に攻撃を仕掛ける。
当時の弓隊は射手・矢手・盾手の三人一組で矢手が射手に矢を渡し、射手は矢を射る。
盾手は文字通り盾を持ち、敵からの矢を防ぐ。
だが、それは普通の武将や雑兵ならではである。
宗信はそれを一人でこなす。
要領は簡単で盾を置き、その裏に隠れて矢を放つ。
ただ、これは簡単に見えるが全てを一人でこなすには相当の集中力がいる。
敵の矢が来たら盾の裏に隠れないとダメなので、周囲を警戒しなければならない。
そして、矢手が居ないため自分で矢を取り、射らねばならない。
かなり集中力と手間が掛かるのである。
しかし、宗信は想像を絶する集中力を持っていた。
近くで見ていた小次郎達には宗信の弓が芸術の様に見えた。
まず、矢を取るときにもたつく事無くスムーズに動けていること。
その次に、宗信の矢は正確無比である。
普通の女より細い腕や身体で弓を射ること自体凄いのに、かなり正確に狙ったところに射っている。
そして恐ろしい事に、敵の盾を貫通している。
それだけ弓の威力が強いってことなのである。
そして最後に、宗信は盾に隠れることも有るが、基本的に場所移動しながら射る為、走りながら敵の矢を目で見て寸前の所で避けている。
その姿はまさに芸術的で美しい。
それは小次郎だけで無く敵味方全てがそう思っていた。
「凄いの・・・!さすが『神弓』の使い手と呼ばれた女じゃ・・・!」
源五郎の言った神弓とは神の如く正確かつ力強い弓であるということ。
宗信は子供の頃から弓の名手で、今では天下一と言われる実力を持つ女である。
力は弱くても策と弓術はどんな武人にも負けない自負があり、毛利も昔から宗信を警戒していた。
宗信の芸術的弓術に見とれていた小次郎は「はっ」と我に帰る。
流れる様に矢を射る無駄の無い動き、そして盾を貫く剛弓に、うっかり見とれてしまった。
小次郎は自分に出来ないことをやってのける人を素直に尊敬する。
自分も宗信みたいにカッコ良く弓を使いたいと思ってしまう。
小次郎が心の中で宗信を褒め称えている間に優が部隊に指示をする。
「みんな、ムネリンの隊を援護して!矢手・射手・盾手の三人組になって前へ!弓が足りなかったら近くにある物を投げて!」
男に負けず大きな声で小次郎の部隊全員にハッキリ聞こえるように言う。
しかし、良く分からない顔をする小次郎。
「おい・・・俺の部隊には弓はあまり無いぞ。近くにある物投げてってなに投げりゃいいのよ。」
優は地面を指差す。そして全軍に言う。
「地面にある石を投げるの。ここは山岳地帯で岩が多いから現地調達が出来るよ。」
戦国時代には『投石部隊』と呼ばれる部隊がいた。
投石部隊は現地調達が出来る為、山岳地帯でよく活躍をした。
投石部隊で有名な武将は甲斐武田家の小山田信茂で、彼らは刀以外の武器を装備せずに身軽に動き、現地調達をして戦うという利点を上手く利用して多大な戦果を上げていた。
「戦いは上を取った方が明らかに優位だよ。軽く下に向かって岩を投げるだけで敵兵に当たるからね。
優はそう言って近くにある岩・・・ソフトボールぐらいの大きさの岩を軽く下の敵兵に向けて投げた。
投げた岩はそのまま落ちて下にいる敵兵に命中し、敵兵は顔面にモロに岩を直撃。
大量に血を流し、その場に倒れた。
優が投げたのを見た小次郎の兵は優に見習って次々と敵兵に向かって岩を投げる。
それに堪らず、敵兵は徐々に後退していく。
当時の弓隊は射手・矢手・盾手の三人一組で矢手が射手に矢を渡し、射手は矢を射る。
盾手は文字通り盾を持ち、敵からの矢を防ぐ。
だが、それは普通の武将や雑兵ならではである。
宗信はそれを一人でこなす。
要領は簡単で盾を置き、その裏に隠れて矢を放つ。
ただ、これは簡単に見えるが全てを一人でこなすには相当の集中力がいる。
敵の矢が来たら盾の裏に隠れないとダメなので、周囲を警戒しなければならない。
そして、矢手が居ないため自分で矢を取り、射らねばならない。
かなり集中力と手間が掛かるのである。
しかし、宗信は想像を絶する集中力を持っていた。
近くで見ていた小次郎達には宗信の弓が芸術の様に見えた。
まず、矢を取るときにもたつく事無くスムーズに動けていること。
その次に、宗信の矢は正確無比である。
普通の女より細い腕や身体で弓を射ること自体凄いのに、かなり正確に狙ったところに射っている。
そして恐ろしい事に、敵の盾を貫通している。
それだけ弓の威力が強いってことなのである。
そして最後に、宗信は盾に隠れることも有るが、基本的に場所移動しながら射る為、走りながら敵の矢を目で見て寸前の所で避けている。
その姿はまさに芸術的で美しい。
それは小次郎だけで無く敵味方全てがそう思っていた。
「凄いの・・・!さすが『神弓』の使い手と呼ばれた女じゃ・・・!」
源五郎の言った神弓とは神の如く正確かつ力強い弓であるということ。
宗信は子供の頃から弓の名手で、今では天下一と言われる実力を持つ女である。
力は弱くても策と弓術はどんな武人にも負けない自負があり、毛利も昔から宗信を警戒していた。
宗信の芸術的弓術に見とれていた小次郎は「はっ」と我に帰る。
流れる様に矢を射る無駄の無い動き、そして盾を貫く剛弓に、うっかり見とれてしまった。
小次郎は自分に出来ないことをやってのける人を素直に尊敬する。
自分も宗信みたいにカッコ良く弓を使いたいと思ってしまう。
小次郎が心の中で宗信を褒め称えている間に優が部隊に指示をする。
「みんな、ムネリンの隊を援護して!矢手・射手・盾手の三人組になって前へ!弓が足りなかったら近くにある物を投げて!」
男に負けず大きな声で小次郎の部隊全員にハッキリ聞こえるように言う。
しかし、良く分からない顔をする小次郎。
「おい・・・俺の部隊には弓はあまり無いぞ。近くにある物投げてってなに投げりゃいいのよ。」
優は地面を指差す。そして全軍に言う。
「地面にある石を投げるの。ここは山岳地帯で岩が多いから現地調達が出来るよ。」
戦国時代には『投石部隊』と呼ばれる部隊がいた。
投石部隊は現地調達が出来る為、山岳地帯でよく活躍をした。
投石部隊で有名な武将は甲斐武田家の小山田信茂で、彼らは刀以外の武器を装備せずに身軽に動き、現地調達をして戦うという利点を上手く利用して多大な戦果を上げていた。
「戦いは上を取った方が明らかに優位だよ。軽く下に向かって岩を投げるだけで敵兵に当たるからね。
優はそう言って近くにある岩・・・ソフトボールぐらいの大きさの岩を軽く下の敵兵に向けて投げた。
投げた岩はそのまま落ちて下にいる敵兵に命中し、敵兵は顔面にモロに岩を直撃。
大量に血を流し、その場に倒れた。
優が投げたのを見た小次郎の兵は優に見習って次々と敵兵に向かって岩を投げる。
それに堪らず、敵兵は徐々に後退していく。
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