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大内輝弘の乱
引き続き軍議
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改めてこの面子で軍議を行うことになり、立原が軍議を取り仕切る。
「毛利が大量の武具を買っているとの報告。そして九州からの撤兵との報告があった。これらを何を意味するのか…。恐らく出雲に攻めてくるぞ。」
立原は出雲の地図を広げる。
しばらくみんなは地図を見て、毛利がどこに攻めるのか、そしてどこで迎え撃つか考えた。
「恐らく毛利は月山富田城には攻めて来ないだろう。毛利は私達を誘きだして野戦で殲滅するつもりだ。」
「なんで誘きだすと分かるンだよ。毛利の動員兵力なら月山富田城を落とせるだろうが。」
この場にいる誰もが神西元通と同じ考えをしていた。
だが、鹿之介だけは毛利の動員兵力が分かっていた。
「その動員兵力だが、毛利は前の九州出兵で大軍を動かしていて兵も疲れが溜まっている為、休ませなければならない。その為、毛利の動員兵力は約一万二千から一万五千の辺りだろう。それに私達が出雲で暴れまわっている為、毛利領内に不穏な空気が漂っているみたいだから大軍で何ヵ月も城攻めをする訳にはいかない。領内で何が起こるか分からないから毛利は短期決戦に持ち込みたいはずだ。」
なるほど、鹿之介の考えは正しい。
それに冷静に考えたら分かることでもある。
「じゃあ奴らをどこで迎え撃つか決めねェとな!」
鹿之介は「ソッ」と地図を指差す。
「布部山だ。ここは守るにやすく、攻めがたい地形だ。それにここは現地の者でも夜道が危険だから夜は出歩かないみたいだ。つまり夜襲の恐れが少ないのだ。」
布部山は1つの拠点の様な物で、攻める側からは攻めにくく、守る側からは守りやすい場所で地の利は圧倒的に尼子側が有利である。
だがその分、負けたときのショックは大きいであろう。
これ程有利な地形を取られると兵の士気が明らかに落ち、その後の戦いに不利になるだろう。
恐らく毛利はそれが狙いで、今回の戦いは一種の賭けであろう。
「今回の戦いは恐らく尼子再興軍最後の戦いだ。これに勝てれば石見・出雲諸国の国人もこぞって尼子の支配下になり、晴れて尼子再興となる。そして恐らく高齢の毛利元就の最後の戦でもあろう。」
立原は毛利側も恐らく最後の戦いということを皆に伝えた。
「しかし、アレだな。毛利元就最後の戦いって事は毛利の重臣が沢山参加しそうだよなァ。」
「私がこの戦いで勝利の鍵を握るのはそこだと思う。恐らく老将が多く参加するだろう。その老将は大体どの大名家でも若い家臣とは考え方の違いから折り合いが悪い。つまり戦いの途中で軍の連携が悪くなるかもしれない。」
鹿之介はそう言うと毛利の家臣団について書いてある紙をみんなに見せる。
そこにある名前は尼子の武将達ならみんな知っている名前ばかりである。
「まず今回の戦には恐らく毛利十八将が殆どが出てくるだろう。」
毛利十八将とは毛利の主だった武将達で、小早川隆景・吉川元春・宍戸隆家・天野隆重・吉見正頼・児玉忠・桂元澄・福原貞俊・口羽通良・志道広良・赤川元保・粟屋元秀・渡辺長・熊谷信直・国司元相・粟屋元親・飯田元親・井上元兼らの事を言う。
この内、志道広良・赤川元保・粟屋元親・井上元兼は既に亡くなっており、現在は彼らの一族が毛利十八将の1人となっている。
「毛利十八将ねェ。国司っていうジジイとなら戦ったことはあるぜェ。古い戦い方だったぜ。」
笑いながら言う神西元通だが、目は笑ってはいなかった。
それだけ毛利十八将が笑えない強さを誇っているからだ。
この毛利十八将は武勇・知謀に長けており、中国地方ではまとも戦って勝てたのは尼子の新宮党のみであった。
だが、新宮党が崩壊した今、尼子には強い部隊がいない。
今は強い武力では無く、圧倒的な戦略で戦わなければ毛利には勝てない状況だ。
だが、ここに圧倒的な戦略と戦術を持っている武将が二人いる。
鹿之介と神西元通だ。
「元通…この戦いでお前の真価が発揮される。私が牙…!お前の知謀が翼…!私達で毛利の進攻を食い止める…!」
「毛利が大量の武具を買っているとの報告。そして九州からの撤兵との報告があった。これらを何を意味するのか…。恐らく出雲に攻めてくるぞ。」
立原は出雲の地図を広げる。
しばらくみんなは地図を見て、毛利がどこに攻めるのか、そしてどこで迎え撃つか考えた。
「恐らく毛利は月山富田城には攻めて来ないだろう。毛利は私達を誘きだして野戦で殲滅するつもりだ。」
「なんで誘きだすと分かるンだよ。毛利の動員兵力なら月山富田城を落とせるだろうが。」
この場にいる誰もが神西元通と同じ考えをしていた。
だが、鹿之介だけは毛利の動員兵力が分かっていた。
「その動員兵力だが、毛利は前の九州出兵で大軍を動かしていて兵も疲れが溜まっている為、休ませなければならない。その為、毛利の動員兵力は約一万二千から一万五千の辺りだろう。それに私達が出雲で暴れまわっている為、毛利領内に不穏な空気が漂っているみたいだから大軍で何ヵ月も城攻めをする訳にはいかない。領内で何が起こるか分からないから毛利は短期決戦に持ち込みたいはずだ。」
なるほど、鹿之介の考えは正しい。
それに冷静に考えたら分かることでもある。
「じゃあ奴らをどこで迎え撃つか決めねェとな!」
鹿之介は「ソッ」と地図を指差す。
「布部山だ。ここは守るにやすく、攻めがたい地形だ。それにここは現地の者でも夜道が危険だから夜は出歩かないみたいだ。つまり夜襲の恐れが少ないのだ。」
布部山は1つの拠点の様な物で、攻める側からは攻めにくく、守る側からは守りやすい場所で地の利は圧倒的に尼子側が有利である。
だがその分、負けたときのショックは大きいであろう。
これ程有利な地形を取られると兵の士気が明らかに落ち、その後の戦いに不利になるだろう。
恐らく毛利はそれが狙いで、今回の戦いは一種の賭けであろう。
「今回の戦いは恐らく尼子再興軍最後の戦いだ。これに勝てれば石見・出雲諸国の国人もこぞって尼子の支配下になり、晴れて尼子再興となる。そして恐らく高齢の毛利元就の最後の戦でもあろう。」
立原は毛利側も恐らく最後の戦いということを皆に伝えた。
「しかし、アレだな。毛利元就最後の戦いって事は毛利の重臣が沢山参加しそうだよなァ。」
「私がこの戦いで勝利の鍵を握るのはそこだと思う。恐らく老将が多く参加するだろう。その老将は大体どの大名家でも若い家臣とは考え方の違いから折り合いが悪い。つまり戦いの途中で軍の連携が悪くなるかもしれない。」
鹿之介はそう言うと毛利の家臣団について書いてある紙をみんなに見せる。
そこにある名前は尼子の武将達ならみんな知っている名前ばかりである。
「まず今回の戦には恐らく毛利十八将が殆どが出てくるだろう。」
毛利十八将とは毛利の主だった武将達で、小早川隆景・吉川元春・宍戸隆家・天野隆重・吉見正頼・児玉忠・桂元澄・福原貞俊・口羽通良・志道広良・赤川元保・粟屋元秀・渡辺長・熊谷信直・国司元相・粟屋元親・飯田元親・井上元兼らの事を言う。
この内、志道広良・赤川元保・粟屋元親・井上元兼は既に亡くなっており、現在は彼らの一族が毛利十八将の1人となっている。
「毛利十八将ねェ。国司っていうジジイとなら戦ったことはあるぜェ。古い戦い方だったぜ。」
笑いながら言う神西元通だが、目は笑ってはいなかった。
それだけ毛利十八将が笑えない強さを誇っているからだ。
この毛利十八将は武勇・知謀に長けており、中国地方ではまとも戦って勝てたのは尼子の新宮党のみであった。
だが、新宮党が崩壊した今、尼子には強い部隊がいない。
今は強い武力では無く、圧倒的な戦略で戦わなければ毛利には勝てない状況だ。
だが、ここに圧倒的な戦略と戦術を持っている武将が二人いる。
鹿之介と神西元通だ。
「元通…この戦いでお前の真価が発揮される。私が牙…!お前の知謀が翼…!私達で毛利の進攻を食い止める…!」
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