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不死鳥の如く
一ヶ月で城を落とす
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進軍してから数時間が経ち、いよいよこれから攻略する城と対面する。
「ケン坊は月山富田城を見たことあるか?」
俺は隣にいるケン坊に聞いてみた。
「でかいっスよ。山城だから守りやすいっスし。補給路も絶たれにくいし、中国地方で最も落としにくい城っスね。」
デカイ山城…か。そのデカイ山城を守るにはやはりそれだけ兵が必要だろう。
つまりでかくて広い山城は兵を各砦にそれなりに置いておかなくてはならないから兵が少ないと守りにくいだろう。
…となると多分、どうでも良い所の守りは捨てて、重要な守りのところに兵を集中させるだろう。
頭でそんな事を考えている間に月山富田が見えてきた。
小次郎はその大きさ広さに絶句する。
「で、デカイ…!それに周りは山…森ばかりで夜襲も仕掛けやすい地形だ…。」
とはいえ、相手が兵力不足なのも事実だ。
それ故に相手も下手に夜襲をしてこないだろう。
夜襲は失敗したら返り討ちを食らって全滅する可能性もあるからな。
小次郎はとりあえず宗信、秀綱の元に行き戦いの作戦を考えることにした。
小次郎は宗信の陣に行き、そこで作戦を決めようと思った。
だが、胸騒ぎがする。
天気の悪さのせいか、それとも別の何かのせいなのだろうか。
宗信の陣に付くと宗信は秀綱と作戦を考えていた。
しかし、端からみたら秀綱一人で考えている様に見える。
無理もない。宗信は普段の性格の通り優しい。
その優しい性格は人望を得ても戦国武将としては厳しい部分がある。
合戦とは力攻めのみならず、謀略や調略、暗殺なども重要である。
謀略・調略で敵の重臣の猜疑心を煽り、疑心暗鬼に追い込ませたりと、相手の心をいじる。
この謀略の部分が宗信の性格的に出来ないらしい。
多分、今回は謀略・調略は無しの方向になるんだろうな。
だが、謀略・調略をしなくても勝てる作戦を考えた。
「おっす。作戦会議に俺も混ぜてくれ。」
秀綱は酷く疲れた顔で言う。
「うん?じゃあ、後は小次郎に任せた。」
そう言い秀綱は陣を出た。
一体何なんだ?酷く疲れた顔をしていたが。
「実はですね、秀綱さんが立原さんに言われていた策を薦められていたのですが、その策は時間が掛かりすぎるからやめた方が良いんじゃないかなと話していたんです。」
「策ってなんだ?」
宗信は書状を小次郎に見せる…が小次郎はこの時代の漢文が読めないので宗信が口に出して読む。
「ここには『毛利は我らが再興軍を率いて攻める事など考えてもいない為、月山富田城の兵は少なく、予備の兵糧も無いだろう。一ヶ月で落ちるだろう。』と書いてあります。ですが、この城攻めに一ヶ月も費やすと毛利軍の援軍がやって来るのでは無いかと思うんです。」
宗信の言うことは最もだ。
毛利軍が援軍を連れてきたら大敗するだろう。
だが、難攻不落の月山富田城を一ヶ月で落とす機会は殆ど無いだろう。
さっきの胸騒ぎとはこれの事だったのだろう。
宗信が城攻めをやめるかも知れない胸騒ぎ…。
「宗信…!城攻めはするべきだ。毛利の奴らは多分、奇襲か何かをしてくる。そこを返り討ちしてやれば一ヶ月もかからずに城は落ちる。」
一ヶ月で落ちる根拠は全くない。だが、奇襲を返り討ちすれば確実に敵の士気は落ち、逃亡兵も出てくるだろう。
「奇襲…ですか?寡兵の毛利軍がそんな事しますか?」
「本当に毛利に忠誠を誓っていて、尚且つ戦いに勝とうと言う気概がある知略に長けた武将ならするね。というより勝つならどこかで奇襲をするしかないと思う。」
宗信は「なるほどっ」と言い、地図を広げて月山富田城の包囲を考える。
「ケン坊は月山富田城を見たことあるか?」
俺は隣にいるケン坊に聞いてみた。
「でかいっスよ。山城だから守りやすいっスし。補給路も絶たれにくいし、中国地方で最も落としにくい城っスね。」
デカイ山城…か。そのデカイ山城を守るにはやはりそれだけ兵が必要だろう。
つまりでかくて広い山城は兵を各砦にそれなりに置いておかなくてはならないから兵が少ないと守りにくいだろう。
…となると多分、どうでも良い所の守りは捨てて、重要な守りのところに兵を集中させるだろう。
頭でそんな事を考えている間に月山富田が見えてきた。
小次郎はその大きさ広さに絶句する。
「で、デカイ…!それに周りは山…森ばかりで夜襲も仕掛けやすい地形だ…。」
とはいえ、相手が兵力不足なのも事実だ。
それ故に相手も下手に夜襲をしてこないだろう。
夜襲は失敗したら返り討ちを食らって全滅する可能性もあるからな。
小次郎はとりあえず宗信、秀綱の元に行き戦いの作戦を考えることにした。
小次郎は宗信の陣に行き、そこで作戦を決めようと思った。
だが、胸騒ぎがする。
天気の悪さのせいか、それとも別の何かのせいなのだろうか。
宗信の陣に付くと宗信は秀綱と作戦を考えていた。
しかし、端からみたら秀綱一人で考えている様に見える。
無理もない。宗信は普段の性格の通り優しい。
その優しい性格は人望を得ても戦国武将としては厳しい部分がある。
合戦とは力攻めのみならず、謀略や調略、暗殺なども重要である。
謀略・調略で敵の重臣の猜疑心を煽り、疑心暗鬼に追い込ませたりと、相手の心をいじる。
この謀略の部分が宗信の性格的に出来ないらしい。
多分、今回は謀略・調略は無しの方向になるんだろうな。
だが、謀略・調略をしなくても勝てる作戦を考えた。
「おっす。作戦会議に俺も混ぜてくれ。」
秀綱は酷く疲れた顔で言う。
「うん?じゃあ、後は小次郎に任せた。」
そう言い秀綱は陣を出た。
一体何なんだ?酷く疲れた顔をしていたが。
「実はですね、秀綱さんが立原さんに言われていた策を薦められていたのですが、その策は時間が掛かりすぎるからやめた方が良いんじゃないかなと話していたんです。」
「策ってなんだ?」
宗信は書状を小次郎に見せる…が小次郎はこの時代の漢文が読めないので宗信が口に出して読む。
「ここには『毛利は我らが再興軍を率いて攻める事など考えてもいない為、月山富田城の兵は少なく、予備の兵糧も無いだろう。一ヶ月で落ちるだろう。』と書いてあります。ですが、この城攻めに一ヶ月も費やすと毛利軍の援軍がやって来るのでは無いかと思うんです。」
宗信の言うことは最もだ。
毛利軍が援軍を連れてきたら大敗するだろう。
だが、難攻不落の月山富田城を一ヶ月で落とす機会は殆ど無いだろう。
さっきの胸騒ぎとはこれの事だったのだろう。
宗信が城攻めをやめるかも知れない胸騒ぎ…。
「宗信…!城攻めはするべきだ。毛利の奴らは多分、奇襲か何かをしてくる。そこを返り討ちしてやれば一ヶ月もかからずに城は落ちる。」
一ヶ月で落ちる根拠は全くない。だが、奇襲を返り討ちすれば確実に敵の士気は落ち、逃亡兵も出てくるだろう。
「奇襲…ですか?寡兵の毛利軍がそんな事しますか?」
「本当に毛利に忠誠を誓っていて、尚且つ戦いに勝とうと言う気概がある知略に長けた武将ならするね。というより勝つならどこかで奇襲をするしかないと思う。」
宗信は「なるほどっ」と言い、地図を広げて月山富田城の包囲を考える。
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