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戦国時代の冬
宗信の父がやって来た・・・
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小次郎が戦国世界に来て五ヶ月が経ち、今は12月である。
戦国と現代では気温が全然違い、戦国の方は滅茶苦茶寒い。
まだ地球温暖化が始まって無いため11月の初めくらいから寒かった。
11月の中旬には雪が降り、下旬には雪がつもり始めた。
しかし、いくら寒くても秋上隊は毎日鍛練を欠かさない。
今日も朝から神社で鍛練をしていた。
「はい!じゃあ今日はここまでです!」
額の汗を拭いながら巫女装束の女は言う。
女は戦国世界では相当可愛い容姿をしており、そして部下想いの優しい性格である。
この者こそが尼子再興軍の重臣の一人である秋上宗信である。
彼女は社家の出身で有ることから相当の人望があり、出雲では秋上の名を知らない者はいない。
秋上隊の隊員は30人でここにいる者は昔から秋上家の兵士として活躍してきた者である。
人数が少ないが白兵戦では尼子家最強の実力を持つ部隊であるが、その強さの理由は毎日欠かさない高度な練習と圧倒的な結束力である。
高度な練習を考え付いたのは宗信であるが、兵士の結束力をここまでの物にしたのは宗信の父である。
宗信の父は社家で有ることから人望があったが部隊の結束力が脆かったのを改善した。
いつ如何なる時も部下と共に喜び、泣き、苦しむといった苦楽を共に過ごすことによって結束力を高めていった。
それは娘の宗信にもキチンと教えており、宗信も父に言われた通りに実行して部下の結束力高めている。
そしてある日、その父である秋上綱平が宗信の元に訪れる。
ある日の昼。小次郎と宗信が昼ご飯を食べてしばらくした時である。
宗信の家に男が訪ねて来た。
その男は軽く扉をノックをして扉を開けた。
「おい、宗信居るか?」
そう言い、男は扉を開けて宗信の方を見る。
「父上どうしたんですか?」
宗信はそう言い父の元へ駆け寄った。
そして父に頭を撫でてもらい、お茶を出した。
しばらくして宗信の父である綱平は小次郎の存在に気付く。
「おい、お前は何者だ?娘の家に堂々と座りおって」
綱平は小次郎を警戒している。
それもそのはず、大事な娘が男を家にあげていたら警戒もする。
宗信は心優しい女の子である。
その優しさが仇となり今まで何度も痛い目を見てきているのを綱平は知っている。
「あ、俺ですか?俺は宗信の家来ですよ。」
小次郎は宗信の父の前だからなのか少し緊張している。
娘の家に男が居たら親としては凄く気になるだろうし、こういう経験の無い小次郎はこの場合何を言ったら良いのか分からない。
「小次郎さんは私の部隊で最も信用できる人です。外交手腕が素晴らしいです。あの長年敵対していた山名と同盟を結べたのも小次郎の力が合ったからです」
宗信はとても楽しそうな顔で父に言う。
その顔を見た綱平は宗信はこの男の事が好きだと悟った。
しばらく綱平は目を閉じて考えた。
とても心優しい宗信だがそれと同時にとても頭が良い宗信である。
それにさっきの楽しそうな顔は今まで親にも見せなかった顔である。
宗信は余程この男が好きなのだろう。
宗信がそこまで好きになった男なら宗信に害を与える様なしないだろう。
そう信じて綱平は言う。
「宗信を泣かせたら斬るからな」
凄い殺気を出して小次郎に言う。
小次郎は少し冷や汗を掻いたが、なぜか最初にあった緊張感は無くなった。
「泣かしませんよ。」
緊張感は無くなったが相変わらず何を言えば良いのか分からないため適当に話を合わせる小次郎。
宗信が小次郎の事が好きだという事に気付いていないのである。
戦国と現代では気温が全然違い、戦国の方は滅茶苦茶寒い。
まだ地球温暖化が始まって無いため11月の初めくらいから寒かった。
11月の中旬には雪が降り、下旬には雪がつもり始めた。
しかし、いくら寒くても秋上隊は毎日鍛練を欠かさない。
今日も朝から神社で鍛練をしていた。
「はい!じゃあ今日はここまでです!」
額の汗を拭いながら巫女装束の女は言う。
女は戦国世界では相当可愛い容姿をしており、そして部下想いの優しい性格である。
この者こそが尼子再興軍の重臣の一人である秋上宗信である。
彼女は社家の出身で有ることから相当の人望があり、出雲では秋上の名を知らない者はいない。
秋上隊の隊員は30人でここにいる者は昔から秋上家の兵士として活躍してきた者である。
人数が少ないが白兵戦では尼子家最強の実力を持つ部隊であるが、その強さの理由は毎日欠かさない高度な練習と圧倒的な結束力である。
高度な練習を考え付いたのは宗信であるが、兵士の結束力をここまでの物にしたのは宗信の父である。
宗信の父は社家で有ることから人望があったが部隊の結束力が脆かったのを改善した。
いつ如何なる時も部下と共に喜び、泣き、苦しむといった苦楽を共に過ごすことによって結束力を高めていった。
それは娘の宗信にもキチンと教えており、宗信も父に言われた通りに実行して部下の結束力高めている。
そしてある日、その父である秋上綱平が宗信の元に訪れる。
ある日の昼。小次郎と宗信が昼ご飯を食べてしばらくした時である。
宗信の家に男が訪ねて来た。
その男は軽く扉をノックをして扉を開けた。
「おい、宗信居るか?」
そう言い、男は扉を開けて宗信の方を見る。
「父上どうしたんですか?」
宗信はそう言い父の元へ駆け寄った。
そして父に頭を撫でてもらい、お茶を出した。
しばらくして宗信の父である綱平は小次郎の存在に気付く。
「おい、お前は何者だ?娘の家に堂々と座りおって」
綱平は小次郎を警戒している。
それもそのはず、大事な娘が男を家にあげていたら警戒もする。
宗信は心優しい女の子である。
その優しさが仇となり今まで何度も痛い目を見てきているのを綱平は知っている。
「あ、俺ですか?俺は宗信の家来ですよ。」
小次郎は宗信の父の前だからなのか少し緊張している。
娘の家に男が居たら親としては凄く気になるだろうし、こういう経験の無い小次郎はこの場合何を言ったら良いのか分からない。
「小次郎さんは私の部隊で最も信用できる人です。外交手腕が素晴らしいです。あの長年敵対していた山名と同盟を結べたのも小次郎の力が合ったからです」
宗信はとても楽しそうな顔で父に言う。
その顔を見た綱平は宗信はこの男の事が好きだと悟った。
しばらく綱平は目を閉じて考えた。
とても心優しい宗信だがそれと同時にとても頭が良い宗信である。
それにさっきの楽しそうな顔は今まで親にも見せなかった顔である。
宗信は余程この男が好きなのだろう。
宗信がそこまで好きになった男なら宗信に害を与える様なしないだろう。
そう信じて綱平は言う。
「宗信を泣かせたら斬るからな」
凄い殺気を出して小次郎に言う。
小次郎は少し冷や汗を掻いたが、なぜか最初にあった緊張感は無くなった。
「泣かしませんよ。」
緊張感は無くなったが相変わらず何を言えば良いのか分からないため適当に話を合わせる小次郎。
宗信が小次郎の事が好きだという事に気付いていないのである。
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