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仇敵との同盟
南条宗勝の動き
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宗信は館に着き、賊討伐の指示を出した横道秀綱に会い、捕らえた捕虜を引き渡した。
そして、秀綱は捕虜に対する尋問が終わり、館にある秋上屋敷に来た。
「秀綱さんどうしたんですか?今からお風呂行くところなんですが…。」
今は夜の11時くらいである。
賊討伐でドタバタしていて風呂に浸かっていなかった宗信はこれから風呂に行くのである。
「これから風呂か。なら私も一緒に風呂に行こうか。」
「珍しいですね。いつもは一人で静かにお風呂に行くのに。」
秀綱は基本的に一人で静かに過ごすのが好きだ。
特にお風呂には静かにゆっくりと浸かりたいと思っている人である。
「さっきの賊の尋問でちょっとな。」
二人はみんなで使っている混浴の温泉に着いた。
ここの温泉は館のみんなが使っている。
「この時間なら誰もいないですし、内緒話なら誰にも聞かれないですよ。」
秀綱は周りを気にしながら話す。
「さっき捕虜を尋問した時に連中が言っていたんだが…。南条宗勝が山名の家臣団の切り崩しを始めるらしい。」
南条宗勝とは東伯耆最大の勢力で毛利方に付いている大名である。
「南条宗勝ですか?確か状況が変わるとすぐ裏切る人でしたっけ?」
南条宗勝は元々は尼子家に属していたが、後に大内家に属した。そして、大内家滅亡後は毛利家に属している。
現在は毛利元就の容認で山陰東部で最大の国人勢力となっており山名家の驚異となっている。
「その南条だ。奴は毛利元就の命令で山名領進行を来年に計画しているらしい。」
凄く言いにくそうに秀綱は言う。
「そ、それじゃあ山名からの援助が困難ですよね…。」
「だから今から山名祐豊に南条宗勝に気を付けるよう言わなければならないのだ。」
だが気を付けた所で戦に勝てたりするものではない。
南条宗勝は山名家臣団を切り崩しに行っているのだ。
家臣が裏切ったら気を付けていてもみんなは動揺する。
「じゃあ鹿之助さんか勝久様に言えば良いのに…。」
宗信はどうすれば良いのか困っている。
「鹿之助は美保関に行っているから居ない。勝久様は政務で疲れて体調が悪いらしい。だから、小次郎に何とかしてもらいたい。」
秀綱は勝久の体調を気にして、あえて勝久にこの事を言わなかったのである。
「勝久様はまだ15歳とお若い。だから私達が補佐しなければならないのだ。」
大きな声で喋る秀綱。
「秀綱さん…夜遅いのに大声出しちゃ駄目ですよ…。」
「す、スマン。とりあえずだ、勝久様に心配をかけたくないから私達で山名祐豊に言いに行きたいのだ。明日にでも小次郎に会わせてくれ。」
「しょうがないですね。良いですよ。小次郎さんも断りはしないと思いますし。」
そして、秀綱は捕虜に対する尋問が終わり、館にある秋上屋敷に来た。
「秀綱さんどうしたんですか?今からお風呂行くところなんですが…。」
今は夜の11時くらいである。
賊討伐でドタバタしていて風呂に浸かっていなかった宗信はこれから風呂に行くのである。
「これから風呂か。なら私も一緒に風呂に行こうか。」
「珍しいですね。いつもは一人で静かにお風呂に行くのに。」
秀綱は基本的に一人で静かに過ごすのが好きだ。
特にお風呂には静かにゆっくりと浸かりたいと思っている人である。
「さっきの賊の尋問でちょっとな。」
二人はみんなで使っている混浴の温泉に着いた。
ここの温泉は館のみんなが使っている。
「この時間なら誰もいないですし、内緒話なら誰にも聞かれないですよ。」
秀綱は周りを気にしながら話す。
「さっき捕虜を尋問した時に連中が言っていたんだが…。南条宗勝が山名の家臣団の切り崩しを始めるらしい。」
南条宗勝とは東伯耆最大の勢力で毛利方に付いている大名である。
「南条宗勝ですか?確か状況が変わるとすぐ裏切る人でしたっけ?」
南条宗勝は元々は尼子家に属していたが、後に大内家に属した。そして、大内家滅亡後は毛利家に属している。
現在は毛利元就の容認で山陰東部で最大の国人勢力となっており山名家の驚異となっている。
「その南条だ。奴は毛利元就の命令で山名領進行を来年に計画しているらしい。」
凄く言いにくそうに秀綱は言う。
「そ、それじゃあ山名からの援助が困難ですよね…。」
「だから今から山名祐豊に南条宗勝に気を付けるよう言わなければならないのだ。」
だが気を付けた所で戦に勝てたりするものではない。
南条宗勝は山名家臣団を切り崩しに行っているのだ。
家臣が裏切ったら気を付けていてもみんなは動揺する。
「じゃあ鹿之助さんか勝久様に言えば良いのに…。」
宗信はどうすれば良いのか困っている。
「鹿之助は美保関に行っているから居ない。勝久様は政務で疲れて体調が悪いらしい。だから、小次郎に何とかしてもらいたい。」
秀綱は勝久の体調を気にして、あえて勝久にこの事を言わなかったのである。
「勝久様はまだ15歳とお若い。だから私達が補佐しなければならないのだ。」
大きな声で喋る秀綱。
「秀綱さん…夜遅いのに大声出しちゃ駄目ですよ…。」
「す、スマン。とりあえずだ、勝久様に心配をかけたくないから私達で山名祐豊に言いに行きたいのだ。明日にでも小次郎に会わせてくれ。」
「しょうがないですね。良いですよ。小次郎さんも断りはしないと思いますし。」
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